10月3日(木) 12:00
高校時代の1年間、そして大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、今年、再び海を渡り米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場にするツアープロだ。そこをスタート地点に、長年「世界最高峰の舞台」として胸に抱いてきたLPGAツアー参戦を目指している。その姿を追う。
◇
みなさん、こんにちは! いよいよ今週はシーズン最終戦が行われます(3~6日、エプソン・ツアー選手権)。先週はオープンウィークだったため、2週前の試合を終えるとすぐに会場があるカリフォルニア州に移り、調整を続けてきました。こちらは…とにかく暑いです(笑)! 温度計を見ると『43度』という表示が出ていたり…。この気候が最終日まで続きそうなので体力勝負にもなりそうですが、早めに現地に入り体を慣らすことができたのはよかったです。
さて泣いても笑っても、アメリカでの1年目のシーズンが今週で終わります。ここでは、まずポイントランキングトップ35以内への滑り込み、これを最初の目標にしないといけません。私の現在のランキングは47位。トップ35に入ることで、来季の出場権争いで有利になる最終予選会(QT)からの参加が可能になります。現時点で35位とはポイントで155.754pt差があるため、攻める気持ちでとにかく上を目指していきます。(※編集部注:ボーダーライン突破には、156ptが入る単独6位以上になることが最低条件)
楽しいことばかりではなく、うまくいかないこともたくさんあったツアー生活ですが、やめること、逃げることはいつでも誰でもできることだと、歯を食いしばってきました。それによって、へこたれないこと、そして自分には立ち直る力があるんだなということも感じることができました。それは、今後に向けてもすごくいいことだと思っています。もちろん、自分ひとりの力ではできませんでした。家族、応援してくださる方々、そしてスポンサーのみなさまのおかげで成り立っている転戦生活ですし、立ち直ることもできました。常に感謝の気持ちを胸にプレーしないといけないな、そんな気持ちも強くしています。
アメリカで暮らすなかでは、ここまでに数えきれないトラブルにも見舞われてきました。そしてそれは、つい2週前のトーナメント会場でも…(笑)。この試合は日本から来てくれた母がキャディを務めてくれたのですが、驚くしかない“アクシデント”が起こったのです。それは初日の14番でティショットを打った後のこと。ブレーキの効きが甘かったのか、突如、手押しカートが転がりはじめ、そのまま崖のようになっているハザードに落ちてしまったんです!
池でなかったのはよかったのですが、母は当然ながら狼狽。『大丈夫だよ~』なんて声をかけながらセカンド地点に行ったのですが、そこで5番ウッドのシャフトがポッキリ折れていることが確認できました(笑)。このクラブはパー5でも多用する、不動の一本です。 母がいつも一番近くで応援してくれているのは感じますし、この週はキャディだけでなくご飯も作ってくれ、常に私を前向きにしてくれる存在です。そんな母が申し訳なさそうにする姿を見て、『絶対にスコアを落とせない』という気持ちも強まりました。思わぬ形でスコアメイクの“モチベーション”にもなってくれました(笑)。
シャフトは日本製ということもあり、すぐに新しいものに交換する、というわけにはいきません。そこでもともと持って来ていたユーティリティを5番ウッドと替えてなんとか大会を終え、今週もそのセッティングで臨みます。すごくポジティブな母の“あわてふためく顔”など、今では親子の笑い話になりましたが、その時は本当にビックリしました(笑)。そして今週は、以前、日本から応援に駆けつけてくれたご夫婦が、観戦に来てくれます。その時と同様にご主人にはキャディも引き受けていただき、すごく楽しみです。
リゾートコースということもあり、会場はとてもキレイ。グリーンはカリフォルニア特有の芝がすごく目もあり、また2、3カ所、長いホールもありますが、伸ばしあいになりそうです。そんななか、とにかく“当たって砕けろ”という気持ちで、最後まで攻め続けたいと思っています。もちろん目指すのは優勝。やるしかありません。今週も多くの応援をいただけると幸いですので、よろしくお願いいたします。