前回からの続き。私はミサキ。夫のハルヒコ、小3の娘であるシズクと3人で暮らしています。シズクは昔から好奇心旺盛で元気いっぱいな女の子。少し無鉄砲なところに手を焼いていた時期もありました。ある日、学校の避難訓練で、地震体験車に乗ったシズク。震度5の地震を体験して、「備えることの大切さ」を学んだようです。親としてはいい体験になったのではと思っていたのですが、それをきっかけに、シズクの「備え」が暴走しはじめたのでした。
避難訓練で地震体験車に乗ってからというもの、シズクの頭のなかは地震のことばかり。
今朝、私が食器棚の前に立っていると、シズクが大きな声をあげました。それ以外にも、どこへ行ってもシズクはずっと「危ないんだから!」と注意してきます。
翌日、いつものように放課後公園へ出かけていったシズクは、すぐに帰ってきました。
シズクは「地震がきたら怖いから、公園で遊ぶのはもうやめよっかな。先生も『備えあれば憂いなし』って言ってたし!」と、自分の行動を制限しようとしていたのです。
そしてまた次の日、私がスーパーへ行こうとすると……。
在宅勤務中のハルヒコにシズクを任せて外に出ました。
すると何通もLINEが届きます。相手はすべてシズクで、内容は「ママ、ちゃんと電柱の前は小走りね!」「揺れたと思ったら頭を抱えるんだよ」と子どもながらに考えたであろう注意喚起ばかり。
はじめは小学生なりの可愛らしい備えだなと思っていたものの、こうも続くとさすがに面倒に感じはじめてきました。そんなとき、ちょうど声をかけられました。
シズクのお友達、ルカちゃんは私に近づくと、やや小さな声で話しました。
地震がくるからと、公園でも遊ぼうとしなくなったシズク。私が少しだけ買い物に出るのもひと騒動です。
しかもクラスメイトのルカちゃんによると、なんと学校にいるときも、危険を見つけては行動を制限しているのだとか。ルカちゃんも心配していました。
地震が怖いものというのは私ももちろんわかってはいますが、こんなふうにばかり考えていたら何もできません。このままではいけないと思った私はハルヒコに相談し、シズクに取るべき態度を決めようと考えています。
【後編】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ脚本・motte作画・チル編集・横内みか
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