きょうだいが多かったり祖父母と一緒に住んでいたり、家族が多かった時代とは違い今は一人っ子も増えたのではないでしょうか。経済状況なども背景にあり、選択的に一人っ子とする家庭も珍しくありません。そんななかママスタコミュニティには「一人娘の皆さん、幸せですか?」というタイトルで、一人っ子の投稿者さんからこんな投稿が寄せられました。
『親は賃貸住まいでしたが、習い事などある程度お金をかけて育ててくれました。今は結婚して家から1時間ほどの距離に住んでいますが、何かと私を頼ってきます。ことあるごとに手伝いを要請されたり、賃貸暮らしなので保証人になるよう求められたりするので、旦那から見たら一人っ子の妻は貧乏クジだと思います。介護も覚悟していますが、完全に自分一人だし、相談相手も愚痴を言う相手もいないのは辛いですよね。お墓も見なきゃいけないし。親は「きょうだいがいても押し付け合いになるから、押し付け合う相手がいない一人っ子は気が楽だろう」と言いますが、複雑です』
投稿者さんは他にきょうだいがいないため、両親が自分だけに頼ってくることなどを「一人っ子は貧乏クジ」と自身を卑下しています。特に今後起こりうる介護の面で、自分だけに責任や負担がのしかかってくることに不安を感じている様子です。そこで同じように一人っ子のママたちに意見を求めていました。
「一人っ子だから親がいつまでも私に期待していてうんざり」という意見
『どちらかと言えばうんざり。 一人っ子も嫌だったのに、いつまでも私に期待している感じ。一人かどうかより親がどういう人かというのがかなり大きいよね』
『父親はアル中で母親はそのせいで鬱病。当然母親が頼るのは私だけ。うちは貧乏だったし、親を尊敬できる境遇でもなかったからハッキリ言って今は縁を切りたい。縁を切ったところで一人っ子は罪悪感がかなりあるよね』
自分自身が一人っ子だというママたちからはリアルな体験談が寄せられました。家庭環境や両親との関係性は人それぞれなので一概には言えませんが、「一人っ子は辛い」として投稿者さんの境遇に共感する声もありました。両親の期待を一身に背負っている息苦しさや、親から頼られる責任の重さなどに言及していた人も。また「他にきょうだいがいれば自分が縁を切ってもまだ大丈夫だけど、一人っ子だと縁を切ることに罪悪感が出る」というコメントもありました。
『一人っ子で一人娘だけど、親が裕福か貧乏かでも違うよね。うちの親は貧しくて子どもは一人しか持てなかったから、介護費用を私が出すか、介護を私が担うかしかないよ』
『私は一人っ子で快適だな、今も親と仲良しだし。でも仲良しだからといって、うちの親は私をあてにしていないよ。私の負担にならないように自分たちの老人ホーム代や老後資金をちゃんと確保している』
投稿者さんも心配している将来的な親の介護については、親が老後資金を確保してくれていれば、子どもの経済的負担もある程度は減るでしょう。介護をアウトソーシングすることも可能です。しかし金銭的に余裕がなければ、子どもが物理的に介護を担うことになる可能性も。介護の点において一人っ子が辛いかどうかは、親の経済状況や仲の良さも影響してくるのかもしれません。
一人っ子は孤独?「きょうだいがいても何もしてくれなかったらしんどい」
『一人っ子の友達が少し前に末期癌のお父さんを看取ったけど、お母さんはすでに認知症で相当辛かったみたい。きょうだいがいれば悲しみも分散できただろうと言っていた』
『わかるよ。幸せでないわけではないけど、のしかかる責任と孤独感はある』
また幼い頃はお金や手をかけてもらえて一人っ子として幸せを感じていたものの、年齢を経ていくごとに「一人っ子は辛い」と感じる人もいるようです。親の介護問題や死を前にすると、他のきょうだいと悲しみを共有したり精神的な寄りかかりができない辛さがあるのかもしれません。「自分にだけのしかかる責任と孤独がある」と綴っていた人もいて、一人っ子の辛さはそうした精神的な面が大きいともいえそうです。
『妹が完全に両親と絶縁して、3年間全く音信不通。私にはたまに連絡がある。実質一人娘みたいなものだよ。元々一人娘なら納得がいくけど』
一方できょうだいがいるからといって、一人っ子が抱える責任や辛さがすべて解決されるわけではないでしょう。実際に自分以外のきょうだいが実家と疎遠だったり、介護のときに何もしてくれなかったりして、苦労した人のエピソードもありました。さらにはきょうだいがトラブルメーカーだったりすると、親の介護以上の問題を抱え込まなくてはいけなくなることも。「一人っ子なら納得できるけど、実質一人っ子は納得できない」という意見もありました。
「介護は自分だけがしなきゃ」と思いすぎなくてもいいのでは
『私はそこそこ幸せだよ。子どもの数の問題じゃなくて、子どもに依存する親と親の依存を受け入れてしまう子の問題じゃない?』
『今っていろんな介護サポートとかあるし、「自分がやらなきゃ」と思わなくていいよね』
『事務手続きすらやりたくないの?私も一人っ子で手続き全部やったけど、そんなの自分がやるしかないじゃん。相談相手なんて自分の交遊関係の問題じゃない?私は家族にも知人友人にも相談したよ』
親の介護問題に直面したときの一人っ子の境遇について深堀りした今回の投稿。親の経済状況や仲の良さ以上に、親子それぞれの性格や考え方によって、一人っ子の辛さは変わってくるという見方もあるかもしれません。親が完全に子どもに頼っていたり依存していたりするのであれば、たしかに子どもの負担は大きくなってしまうでしょう。そして子ども自身も「娘の私が介護しなきゃ」という思いにとらわれ過ぎると、「一人っ子の娘はしんどい」となってしまうのではないでしょうか。きょうだいがいてもいなくても、辛いときには旦那さんや友人に話を聞いてもらったり、しかるべき施設や介護サービスに外注したりすることはできますね。親の介護をすべて一人で抱え込まずに誰かを頼ることができれば、苦しい状況を避けることも可能でしょう。投稿者さんも、自分一人ですべて頑張ろうとしないことが大事なのではないでしょうか。
文・AKI編集・有村実歩イラスト・Ponko
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