帝国データバンクによると、‘24年10月は約3000品目の値上げが予定されており、4月を超えて最も多くなる可能性が高いという。少しでも収入を増やす手段として、物販は有効な副業のひとつ。そこで、生徒数が2500人を突破した物販スクールを運営する起業家の森谷和正氏に、物販初心者でも使えるテクニックを教えてもらった。
信頼できる物販の情報発信者の見抜き方
「気軽に始めたいという人は、物販の勉強を兼ねてネットやSNSで売れている商品などをリサーチするのがオススメ」と語る森谷氏。「無料媒体でもある程度の情報は収集できる」というが、「無料につられてきた人を騙そうとする悪徳業者には注意が必要」とも。
「ひとつの判断の基準になるのが、情報を発信している人のSNSのフォロワー数ですね。昨今は、知名度がある人が悪いことをすれば、すぐに炎上してしまいます。失うものが大きすぎるので、フォロワー数が多い人ほど、間違った情報を出したり、騙したりしないはず。
フォロワー数と併せて、どれくらい続けているかも判断の指標となります。情報を発信できるほど物販で成功していても、長く続ける人は多くない。僕と同時期に物販を初めて情報を発信していた人は20~30人はいたと思いますが、現在はほとんど残っていません」
初心者が物販を始めるなら“メルカリ一択”
信頼できる情報源を見つけたら、「自分がどんな物販をやりたいかを考えるべき」という。
「一口に物販と言ってもたくさんの種類がある。どこで何を売るのかによって、仕入れの金額や難易度などが変わってくるので、最初にどんな物販をやりたいのかを考える必要があります。たとえば、家にある不用品を売ってお小遣いを稼ぎたいなら“メルカリ一択”。
メルカリは誰でも利用できますし、初期費用や月額費用がかからないので、初心者にピッタリです。実際にメルカリから物販を始めてみる人はうちの生徒にも多いので、ここで物販のイロハを学んでステップアップしていくといいでしょう。安く仕入れて高く売るのが物販のセオリーですが、メルカリでは似たような商品の価格をマネすることで、“高く売る”を学習できます」
出品するときに特に意識すべきなのは、商品写真の撮り方だ。
「メルカリで出品している人の多くは、適当に写真を撮っていることが多い。写真をきれいに撮れば目に止まりやすくなり、売れる可能性が上がります。販売する商品にキズなどがあるときは、そこも撮影して掲載しておくこと。これで購入者とのトラブルを防げます。
あとは、どうやって検索するかを考えて、商品タイトルを付けるといい。商品名のほかにブランド名やカラー、サイズを書いておくとヒットしやすくなります」
売るコツを覚えたら仕入れに力を入れるべき
物販で利益を増やしたい人は、仕入れに力を入れるといいそうだ。
「高く売るコツは比較的身に付けやすい一方で、安く仕入れるコツは一朝一夕で身に付くものではありません。実際に物販を始めた人も、商品を安く仕入れられなくて挫折してしまうことが多いのですが、初心者でもリサーチ力を身につける方法はあります。
それが『売れ筋リサーチ』と呼ばれる方法。過去にいくらで売れたのか。販売実績をリサーチし、人気の商品を平均的な販売価格よりも安く仕入れて高く売るんです。コツを掴むまで時間はかかりますが、リサーチ力が身について人気の商品を安く仕入れることができるようになれば、収益アップが見込めます」
扱う商品のジャンルを増やすのも、売上増加につながる有効なテクニックだ。
「最初は、相場感が掴みやすい自分の得意なジャンルから始めるといいですが、慣れてきたら取り扱うジャンルを強化すべき。アパレル、日用品、家電、おもちゃと横展開して得意なジャンルを増やせば、それだけ収入アップが見込めます」
本格的に物販を始めるなら…
もともとアパレル関係で働いていたなど、知識やセンスがある人は、「初月で30万円近くの売上を達成することもある」という。物販を本格的に始めるなら、「AmazonやeBayがオススメ」とのこと。
「安く仕入れて高く売るのはメルカリといっしょですが、Amazonでは基本的に新品の商品を扱います。新品の商品はすぐに売れる一方で利益率が低いので、大量の商品を仕入れることができる資金力や、カード枠の多い方向け。メルカリよりもハードルは高いですが、市場が多いので商品はあっという間に売れやすい。初月から20万円の利益を出すことも不可能ではありません。
一方、eBayはメルカリの海外版。海外で需要のある日本製の商品を安く仕入れて、高く売るのがコツになります。やり取りに英語は必要ですが、Google翻訳でも大丈夫。カー用品やバイク用品など、海外でも人気の商品の知識があれば稼ぎやすいです」
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