9月30日(月) 13:37
日本女子オープンを制した竹田麗央。その勝利は、9月の「ソニー 日本女子プロ選手権」に続くメジャー連勝、今年4月のツアー初優勝から早くも7勝目と、強さを印象付けるものだった。会場を訪れていたプロコーチの南秀樹は、コースについて「フラットなコースでの6,800ヤード超は、確かに飛ばし屋有利ですが、ラフが長くフェアウェイをキャッチしないとどうにもならない。日本女子オープンらしいセッティングで、2桁いく選手は出ないのではないか」と感じたそう。トータル10アンダーまでスコアを伸ばした竹田のプレーは、目を見張るものがあったという。
竹田麗央は飛ばしだけじゃない、「右手の力感ゼロ」のアプローチも極上だった【連続写真】
タフなコースでスコアを伸ばした要因にショートゲームがある。最終日は、12番パー3でティショットを曲げながらもピンに寄せパーセーブ。続く、13番パー5では3打目のアプローチを寄せてバーディを奪い、スコアを2桁に。さらに14番パー4でも寄せワンを決めている。いずれもラフからのアプローチで、ボールを高く上げるロブショットを選択。ピンそばにボールを落とし、1パット圏内につけていた。
ふわりとボールを上げるロブショットは、難しいイメージがあるが「距離感さえつかめれば、寄せやすい状況が増える」と南。キャリーで飛ばし、高さでグリーンに止められるので、傾斜に左右されることなく狙ったところに打てるのが、その理由。特に、コロがりが計算しにくく、ボールを止めやすい柔らかいグリーンには有効だ。目指すのは、カットに振ってギュッとスピンをかけるロブではなく、フェースにボールを乗せて打つロブショット。振ったなりの距離が出るので、距離感が出しやすいのがメリットだ。
まずは大きくゆっくり振って、フルショットの半分の距離を打つ練習をしよう。「SWのフルショットが70ヤードの人なら、フェースを開いて35ヤードを打ってください。一定のスピードで大きくゆったり振っていきます。慣れてきたら、さらにフェースを開き距離感を磨いていきます。ボールを左足寄りに置くと飛ばなくなるので、スイングスピード、フェースの開き具合、ボール位置を調整しながら距離感を作っていきましょう」。
フォローでは、右手のヒラが自分を向くようにスイングしていく。「インパクトでボールを包み込むように、徐々にロフトが起きて、ボールをフェースに乗せるイメージで振っていきます。フェースを緩やかにターンさせることが必要です」。この動きがないと、フェースがボールの下を潜ってしまい、ダルマ落としになってしまう。極端なカット軌道にも注意が必要だ。
大きくゆったり振って「体の正面でボールをとらえられれば、ボールは上がってくれる」と南。アプローチではコロがしを一番に考えたいが、ロブに自信が持てれば寄るシチュエーションが増えるのは間違いない。フェースに乗せる、距離感が出しやすいロブをぜひマスターしてほしい。
■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属。
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