9月30日(月) 18:57
「ナイスショット!」に代表されるゴルフプレー中の掛け声は、言わばマナーのひとつ。いくらゴルフが上手くて、ルールに詳しくても、掛け声のひとつもかけられないようではゴルファーとしては不十分といわざるをえません。とはいえ、ゴルフの掛け声にはさまざまな種類があり、特に初心者にとっては謎な用語も少なくありません。わからなければ、「おー!」とか「すごい~!」とかでもいいでしょうが、掛け声をタイミングよく、的確に使い分けられると、一人前のゴルファーに見られるはずです。もしかしたら、その掛け声があなたの出世にも役立つかもしれません。
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ゴルフの掛け声とは、その名の通りラウンド中にプレーヤー同士で掛け合う言葉のことです。
ゴルフは大人の社交場と言われますが、腕前を競うだけでなく他のプレーヤーとの交流もまた、重要な要素のひとつ。そのコミュニケーションを円滑にするのが、掛け声なのです。
会心の1打が出た時に「ナイショッ!」、惚れ惚れするようなパットを決めた時に「ナイスイン!」という声がかかると、お約束だとわかっていても悪い気持ちはしないものです。
逆に、例えばド派手なテンプラをかました際、「ザギンの天婦羅~」(後述)などコテコテの掛け声が飛んでくると場が和み、当の本人は「一旦、気持ちを落ち着かせよう」という気づきにつながります。いい大人になっても、ツラい時は誰かになぐさめてほしいですからね。
互いにそうした気遣いができれば、いくらスコアが悪くても「今日のゴルフは楽しかったな」といういい思い出になるはずです。そう、掛け声は大人の社交場における潤滑油。潤滑油は人間関係をスムーズにして、パフォーマンスにも好影響を与えてくれます。
しかも掛け声は、潤滑油とは違ってタダ。いい掛け声を、上手に活用していきましょう。
ゴルファー同士のコミュニケーションを円滑にする掛け声ですが、「声出しておけばいいや」とボールの行方を見届けず適当さがバレバレだったり、「今、ダフリましたね」とKY的なものだったりすると、仇となることがあります。
また、特定の人へのヨイショがすぎると、他のプレーヤーから影で“太鼓持ち”というあだ名をつけられることもあるでしょう。
掛け声はそれなりに大きな声で叫ぶものですから、最大3人はあなたの掛け声を聞いているのです。「記憶にありません」みたいな誤魔化しはききません。相手によっては、「今の掛け声はシャレでした」も通用しません。覆水盆に返らずということをわきまえておくことが大切です。
そうしたトラブルを避けるためにも、掛け声の内容やタイミングには注意しておきましょう。言葉は救いにも刃にもなります。
まずは、プレー中に使われる基本的な掛け声を紹介します。特に初心者は、これらを覚えておけばOK。自信がなければ、いわゆる“ガヤ”のように他のプレーヤーに合わせておくのが安全策です。
同伴者がいいショットを放った時に使う掛け声。「ナイショッ」と発するのが一般的です。その発音は「内緒」ではなく、アクセントを「ナイ」に置きましょう。
目上の人や接待のお客さんなどに対しては、「ナイスショットです!」「ナイスです~!」も使われます。メンツや状況に応じて使い分けるといいでしょう。
ボールがグリーンに乗った時、特にアプローチショットがグリーンオンした際に使う掛け声です。
ボールがグリーンにとどまるかと思いきや、オーバーして脇のバンカーに転がり落ちる悲劇もあるので決して先走らず、あくまでもグリーン上にピタッと止まったタイミングで「ナイスオン!」と発すると安全です。
ボールがカップに入った時にかける掛け声です。
ゴルフは最後まで何が起こるかわかないゲーム、これもナイスオン同様、ボールが「イン」するまではジッと息を潜め、ボールがカップに吸い込まれるや、祝意を込めて「ナイスイン!」と言うようにしましょう。
バンカーや林の中からいいショットを打って、絶好の場所に上手に出せた時に使う掛け声です。
こちらも、ボールが止まった位置を確かめてから言うこと。バンカーショットをした瞬間に叫んでしまうと、実はボールが出ていなかった、ということもあるからです。
プレッシャーのかかるショットだけに、本人も心中穏やかではありません。追い打ちをかけないよう、慎重に声がけをしましょう。
ファー/フォアーとは英語の「Fore」で、「前方」という意味です。打ったボールがコースを外れてしまった場合などに使用し、他のプレーヤーに注意を喚起する掛け声です。
キャディさんがいれば間髪入れず大きな声で「ファー!」と叫んでくれますが、セルフプレーが主流の今、プレーヤー自身が判断して即座に言わなくていけません。ボールが人に当たったら大変なことになりますから、明後日の方向にボールを打ち出してしまったら、臆せず大声で「ファー!」と叫びましょう。キャディさんがいてもいなくても、いつでも「ファー!」を叫ぶ習慣を身につけておくことが大事です。
掛け声の基礎をマスターしたら、応用を覚えていきましょう。バリエーションが多いほど、ゴルファーとしての“こなれ感”が演出できます。
「ナイスショット」は和製英語だというのは有名な話。正しい英語では、「グッドショット」と言います。「ぐっど・しょっと」とみなまで言わず、「グッショ!」と略して発音するとカッコよく聞こえるでしょう。
タッチとは「Touch(さわる)」の意味。アプローチショットやパッティングの際、カップインはしなかったけれど、ボールがカップにいい具合に寄った(良い距離感だった)時に使う掛け声です。あくまでも「“さわれる”くらい近づいた」距離であることをわきまえておきましょう。
言わば「ナイスイン」の応用です。同伴者がパーで上がったら「ナイスパー」、バーディーの場合は「ナイスバーディー」と具体的な掛け声をすることで、よりおめでたさを示すことができます。
初心者の頃は同伴者のスコアまで把握できないと思いますが、その余裕ができたらぜひ、使ってみてください。
ともに英語圏でよく使われる掛け声で、「ナイスショット」「グッドショット」の応用として覚えておくと便利です。バリエーションを増やしたいと思ったら、取り入れてみてはいかがでしょうか。英語圏でゴルフをする際も役立ちます。
ドッグレッグホールなどボールの行方がわからない状況で、でも何か言わなくては……という時に便利なのが打球音や当たりの良さを褒める掛け声。打った本人は「自分のボールどこに落ちた?」と不安を抱えているでしょうから、そんな時は抽象的でポジティブな掛け声が一番です。
ゴルファーはボールに対して、「もうひと粘りして!」とか「そこで止まってくれ!」とか念を送るものですが、それらを英語でサラッと表現できる掛け声を紹介します。
ボールがもっと遠くへ飛んでほしい時に、「行け~!」という思いを込めて使う掛け声です。グリーンまであとちょっとで届きそう、という状況の時などに「ゴー!」と叫ぶといいでしょう。
当たりはいいけれどOBになりそうな時には禁句です。
打ったボールがグリーンを飛び越えて向こう側に行きそう……というような時に、「ボールよ、落ちてくれ」という意味を込めて使う掛け声です。
「Stay」とは「とどまる」という意味。フェアウェイやグリーンに乗ったボールが、そこから出てしまいそうな時に使う掛け声です。
特にグリーン上でボールが転がっている際、芝を噛む(Bite)ようにしてピタッと止まってほしい時に使う掛け声です。
「Cut」とは「切る」という意味。左に飛び出したボールに対して、右に返ってきてほしい際に使う掛け声です。
ただし上級者の場合、あえて左を狙い打っている場合もあるので、本人の反応を見てから使ったほうが無難です。
「カット」の逆で、右に飛び出したボールに対して、左に返ってきてほしい際に使う掛け声です。
こちらも、わざと右に打ち出した場合があるので、判断がつかない場合は封印しておいたほうがいいでしょう。
とんでもないミスや不本意なショットが続いている時、本人の心は混乱し、マイナス感情が渦巻いています。そこで投入したいのが、なぐさめの掛け声です。
「トライ」とは「Try(試す)」の意味。「ナイストライ」は、果敢にトライしたけれど上手くいかなかった際につかう掛け声です。
見ている側からすれば無謀とも思える攻め方でも、その勇気を心から称えましょう。
「リカバリー(Recovery)」とは「回復、復旧、取り戻すこと」の意味。林の中、バンカーといったピンチを抜け出し、グリーンに乗ったり近づいたりした時に使う掛け声です。
「ナイスアウト」と同じような意味ですが、林やバンカーに限らす、厳しい状況を脱した際に用いられることもあります。
テンプラはテンプラでも味は一流の「銀座の天麩羅」、打ったボールがショートした際は、俳優の三浦友和ならぬ「三浦とどかす」など、昭和のダジャレ系掛け声はバリエーションが多彩で味わい豊か。当時、ゴルフがいかに多くの人に親しまれていたのかがわかります。
同伴者のメンツにもよるでしょうが、知っておいて損はないはず。テンプラやショートといった残念なショットは、ダジャレでズッコケに変えましょう。
昭和の香り漂うダジャレの掛け声は他にもいろいろあるので、ぜひ探してみてください。
本人はよかれと思ってかけた言葉が地雷だった、ということはよくある話。そうした事態を招かぬよう、避けるべき掛け声を紹介します。
ミスしたか否か、好調か不調か否かは、本人が一番よくわかっているもの。少なからずショックを受け、どう挽回しようかイライラ、モヤモヤしているわけです。その傷に塩を塗るような掛け声をされては、「イヤミか!」と言いたくなるのは仕方ありません。1度ならともかく、仏の顔も三度まで。ミスするたびに言われたら、ケンカ打ってるのかと思われても仕方ないでしょう。
その後はお互いギスギスした雰囲気の中、プレーを続けなくてはいけません。周りのプレーヤーにとってもホラーですよね。
いくら同伴者が豪快な凡ミスをしても、絶不調にあっても、ネガティブな掛け声や発言はご法度です。前出の「いい音ですね!」「当たりはよかった!」など、ポジティブな言葉に変換して声がけするようにしましょう。
ベテランゴルファーの中には他のゴルファーのプレーに対して、ミスの原因をあれこれ分析したり技術的なアドバイスしたりする人もいるようです。親切心から口に出てしまうのでしょうが、アドバイスされる側にとってはズバリ大きなお世話です。
仮に打ち方に対する助言を受けたとしても、ラウンド中、すぐに欠点を改善することはほぼ不可能でしょう。結果が出なければ、お互いさらに気まずい思いをするはずです。
そのプレーヤーの攻め方、打ち方が明らかに間違っていても、アドバイスしたい思いは心に留めておくべきです。競技ゴルフではペナルティになるアドバイスもあるので、なおのことご注意を。
思わず口にしがちな「ドンマイ」ですが、実はこれも取り扱い注意。なぜなら、「ドンマイ」は「Don't mind(気にするな)」で、上から目線だと感じる人もいるからです。
また、上級者の中にはあえて左右に曲げたり、距離感を加減したりしたコントロールショットを打つ場合があるので、仮にショートしても、「ドンマイ」ではなく計算通りというケースもあり得ます。そこに、「ドンマイ!」「あ~残念」「◯◯さんにしては、珍しいですね」などの声をかけると、ムッとされるかもしれません。
若干、窮屈ではありますが、頭に入れておくといいでしょう。
前述の「グッショ!」「エクセレント!」「ゴー!」など英語の掛け声はカッコよく、通っぽさが出るのですが、「Get in the hole!(入っちゃえ)」「Hung On!(持ちこたえろ!)」など、日本のゴルファーにあまり知られていない表現をとってつけたように多用しすぎると、“かぶれた人”と思われるかもしれません。まわりの人も、「普通にナイスショットと言えばいいのに……」と、うんざりしていると思われます。
いろいろな掛け声を紹介してきましたが、これらは発した本人が自己満足するためのものではなく、他のプレーヤーに対してかける声援であり、ねぎらいの言葉であることを意識しましょう。同伴者からいいタイミングで「ナイスオン!」「ナイストライ!」などの声が挙がれば、「みんなが自分のプレーを見守ってくれている」という安心やうれしさを感じるもの。その気遣いこそがありがたいのです。
他のプレーヤーにもそう感じてもらえるよう、素敵な掛け声ができるゴルファーになりましょう。