9月30日(月) 8:00
<日本女子オープン最終日◇29日◇大利根カントリー倶楽部(茨城県)◇6845ヤード・パー72>
15歳の挑戦は笑顔のフィナーレとなった。大阪桐蔭高1年の岩永杏奈が3バーディ・4ボギーの「73」をマーク。トータル1アンダー・16位タイでローアマチュアを獲得した。
決して楽な戦いではなかった。単独4位の好位置で予選を通過したが、3日目に「75」で後退した。「きのう、きょうとすごいショットが悪かった」と、この日の前半は1バーディ・3ボギーと苦しみ、ローアマ獲得へ暗雲が立ちこめた。
だが、「気持ちを切り替えて」臨んだ後半で集中力を発揮した。12番こそボギーを喫したが、15番、17番と立て続けにバーディ奪取。「通算アンダーで終われて、ローアマチュアをとれたのですごく良かったです」と初々しい笑顔を見せた。
“緑の甲子園”こと今年8月「全国高等学校ゴルフ選手権」では1年生4人で団体戦に臨み、創部19年目にして悲願の初制覇を果たした。きのう28日はその祝賀会と、引退した3年生の送別式があった。「先輩や同級生から『頑張って!』って応援のLINEがきました」と、届いたメッセージにも発奮。大阪桐蔭の“1年生エース”として堂々の戦いを披露した。
うれしい副賞もゲットだ。ローアマ獲得によって、プロテストの1次と2次が免除され、最終からの参加が可能になった。2年後、高校3年生で受験を予定している岩永にとって、ありがたい“直通券”だ。「2日目まで上位にいれたのはすごい自信になりました。決勝で崩れたのは反省点です。今後は体力をつけて3日目、最終日に伸ばせるようにしたい」。最終プロテストと同じく、プレッシャーのかかる場で4日間を経験できたことも財産になる。
今の目標は来年春の全国大会優勝と「プロテストで一発合格」することだ。ライバルでもあり、良き友でもあるゴルフ部のチームメートとは「楽しみながら、お互いを意識して切磋琢磨している」。これからも気の置けない仲間たちとともに、15歳はクラブを振り続ける。(文・牧野名雄)