9月30日(月) 9:00
<日本女子オープン 最終日◇29日◇大利根カントリークラブ 西コース(茨城県) ◇6845ヤード・パー72>
“世代6連覇”がかかった1998年度生まれの黄金世代だったが、その流れは2003年度生まれの“ダイヤモンド世代”竹田麗央が優勝したことで途切れた。しかしそのなかで、吉本ひかるが週末の猛チャージでトップ10入り。存在感を示した。
予選ラウンド終了時点でトータル4オーバー。カットライン上の55位タイで、辛くも決勝に進んでいた。しかし3日目に「67」を記録すると、最終日も6つのバーディ(2ボギー)を奪い「68」。2日で“-9”と伸ばしに伸ばし、トータル5アンダーの7位タイまで急浮上した。「最近は悪くはないけど結果が出ないということが続いていた。やりきれないことが多くて、それを克服できるように練習してきました」。日頃の取り組みが、ここで実を結んだ。
例えば、パッティングもそのひとつ。「ストロークや、目線を、以前に取り組んでいたことも含め、繰り返し練習してどれが自分に合うか試していました」。今週は練習グリーンでスティックを使い、体を支えるよう地面とつなぎ、何球もボールを転がした。
「1年ぶりくらいに取り入れました。体で打つようにしたくて、そのなかで昔やっていたことを思い出して。急きょ家から会場に送ってもらいました」。するとパット数も初日の『31』から『27』、『25』と徐々に安定。最終日は『30』だったが、パーオン数16回だったショットにも支えられ快調なラウンドは続いた。
「手打ちも解消できるし、自分の軸が分かるので引き続きやりたい」。地道な練習を大舞台での結果につなげている。メルセデス・ランキングも23位から20位に上昇。今季の残り8試合で、昨年3月の「明治安田生命レディス」以来となる通算2勝目を目指していく。
これで日本女子オープンは昨年の8位に続き、2年連続でトップ10入り。まだアマチュアだった2014年に初めて出場し、今回で8度目となる舞台での最高順位を記録した。前日の活躍で上位が見えるなかでのスタートだったが、「気にせずプレーできました。できることをやろうと思ってスタートしたので」という自然体も、その位置を押し上げる要因になった。
なお黄金世代では連覇&大会3勝目を目指した原英莉花が、最終18番のバーディ締めでトータル4アンダーの8位とトップ10に滑り込んだ。また河本結がトータル3アンダー・11位タイ、新垣比菜がトータルイーブンパー・20位タイに入り、トップ20に4人が名を連ねた。兵庫県のチェリーヒルズGCで行われる来年大会で、再び黄金世代は旋風を巻き起こすことができるか?(文・間宮輝憲)