【仮面ライダーヒロイン名鑑】『仮面ライダージオウ』紺野彩夏「最後の最後にアクションシーンを詰め込まれて不安でした(笑)」

『仮面ライダージオウ』でオーラを演じた紺野彩夏さん

【仮面ライダーヒロイン名鑑】『仮面ライダージオウ』紺野彩夏「最後の最後にアクションシーンを詰め込まれて不安でした(笑)」

9月29日(日) 18:00

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仮面ライダーシリーズ最新作『仮面ライダーガヴ』のオンエアを記念して、今年も『週刊プレイボーイ』のスペシャルイシューが発売!9月17日に発売された40・41号では「歴代仮面ライダーヒロインが大集結!!」と題し、仮面ライダー女優たちが登場。水着グラビアの最新撮り下ろしやインタビューなど、今回も仮面ライダー愛がほとばしる内容となった。


その特集より歴代ヒロイン4名のインタビューを、週プレNEWSにて再掲載。今回は『仮面ライダージオウ』(2018~2019)で オーラ を演じた 紺野彩夏 さんが登場です。オーラは、未来からやって来た敵対組織・タイムジャッカーの紅一点。目的のためには手段を選ばない冷酷な性格で、不利な状況に陥ってもプライドの高さは変わらないクールなキャラクターだが、彼女は当時、どう演じていたのか?今回の取材では、作品から得たものや当時の心境などを語ってもらった。

――3歳、子役の頃から芸能活動をされている紺野さんですが、連続ドラマのレギュラーは、『仮面ライダージオウ』が初だったんですよね。まずは、敵対組織・タイムジャッカーの紅一点、オーラという役が決まった経緯を教えてください。

紺野 オーディションです。もともとは私もヒロインとして受けていたので、最終面談のときは、(本作のヒロイン・ツクヨミを演じた)大幡しえりちゃんが隣にいました。

――お二人並んでの選考だったんですね。紺野さんとしては、最後の最後でヒロインに選ばれず悔しい思いをしたのでは?

紺野 実は私、『仮面ライダー』シリーズをほとんど知らずにオーディションを受けていたんですよ。手応えがあったわけでもないので、単純に役をいただけただけでうれしかったというか。むしろ配役を聞いてからは、どう悪役を演じられるかのほうが楽しみになっていましたね。



紺野彩夏さんが演じたオーラ ©石森プロ・東映

紺野彩夏さんが演じたオーラ ©石森プロ・東映

――決め手は何だったと思います?

紺野 緊張せずに自分を出せたのが良かったのかな?すごく楽観的な性格なんですよ。私が受けたときは、プロデューサーさんたちと普通に会話して終わることが多く、オーディションとは思えないくらい常にフラットな状態だったからこそ手応えを感じなかったわけですけど、その自然体な部分を評価してもらえたのかなと思いますね。

――撮影現場では厳しく言葉をかけられる場面もあったかと思います。持ち前の楽観さで乗り切れました?

紺野 現場入りまでは「歳の近い役者さんばかりだし、まぁ、何とかなるか」と、かなり気楽に構えていました。そんな調子で現場入りしたら、イン2日目にして厳しい演技指導を受けまして......。

――というと?

紺野 アナザーライダー(怪人)を生み出すために、変身アイテムを無理やり人間に埋め込むシーンが度々あったのですが、合成の演出が入るため、実際の撮影では相手がいるていで、体の高さに合わせて手を伸ばす必要があったんです。ただ、正確な位置に手を持っていくのがとにかく難しく、何度もやり直しになって。そのときだけは「目印なしに分かるわけないよ!」と、思わず泣いちゃいましたね。現場の厳しさを実感した瞬間です。「私なりに精一杯やったんだし引きずっても仕方がない」と切り替えて、次の日にはすっかり立ち直っていましたけど(笑)。





――切り替え早すぎです!では、役作りについても教えてください。紺野さんが演じたオーラは、プライドが高く目的のためには手段を選ばない冷酷なキャラクターでしたよね。

紺野 作中で笑顔のシーンは一切なし。基本的にツンとしているので、当時は、オーラの衣装を着るだけでうまく笑えなくなりました。実際、監督からも「オーラはクールで高飛車」と言われていたので、常にその意識を持ってお芝居していましたね。オーラ役として忘れられないのは、やっぱりキバ編(第35話・第36話)。釈由美子さん演じる北島祐子にマンホールを投げつけられ頬にケガを負ったり、無理やり跪(ひざまず)かせられたり。祐子の女王気取りな態度にイラつき嫉妬するオーラが新鮮で、演じていて楽しかった記憶があります。



――釈さんのマンホールを投げる姿も話題になりましたよね。いまだにネットで語り継がれているほどです。ほかに、印象に残っているエピソードはありますか?

紺野 物語の終盤、オーラに擬態した機械生命体がアナザードライブ(怪人)に変身する回ですね(第45話)。それまでほぼなかったアクションシーンが急に増えたばかりか、アナザードライブ役としてアフレコにも初挑戦することに。アクションもアフレコも難しそうだけどオーラは少なくてラッキーだなと思っていたら、最後の最後に詰め込まれました(笑)。みんな上達してきたところに、いきなり素人が参加するようなものだったので、不安でした。

――ホンモノのオーラが機械生命体のオーラに持ち上げられ、首を絞められるシーンがありましたね。

紺野 首を絞める役と絞められる役の両方を演じました。首を絞められるほうの演技には苦戦しましたね。宙にぶら下げられた状態で足をバタバタさせるんですが、足の動きだけでもがき苦しんでいる様子を表現するのは単純なようで意外と難しい。相手を見下すように腕を組んでばかりのオーラだったのに、最後は爆破のなかで転がされて。散々でした(笑)。せっかく特注で作っていただいた衣装が爆風でボロボロになってしまったのは、ちょっと寂しかったなぁ。





――作中では一度も笑わなかったオーラですが、紺野さん自身は楽しく演じられていたのが伝わってきました。改めて、『ジオウ』の現場で学んだことを教えてもらえますか?

紺野 台本の読み方や現場での態度など、お芝居の基本はすべて『ジオウ』で学ばせてもらったと言っても過言じゃありません。別の現場に行ったときに、1年間で身についたことが自然と出たときは、スタッフさんに褒めていただいたことも。外に出しても恥ずかしくないよう親心で厳しくしてくださったんだと、撮影を終えてからより実感しますね。

――また『ジオウ』といえば、平成最後の仮面ライダー。歴代平成ライダーが軒並み登場するなど、スペシャル感の強い作品でした。出演を経て、紺野さんが感じる仮面ライダーシリーズの魅力は何でしょう?

紺野 子供向けの作品でありながら、大人も一緒に楽しめるところ。それから、ファンの皆さんの愛が強いところ、ですかね。放送から5年が経った今でも「『ジオウ』見てました」と声をかけてくださるファンの方が多くいらっしゃるんです。久々にスピンオフをやるとなれば、みんな欠かさずチェックしてくれます。そんな作品、なかなかないですよね。

――次はヒロインをやってみたい!みたいな願望は?

紺野 ヒロインよりも、スピンオフでオーラにスポットを当ててほしいですね。どうしてタイムジャッカーになったのか、何が影響してプライドの高い性格になったのか。バックボーンが描かれないままだったので、ちょっと気になるかも。でも、さすがにもうあの採寸の衣装は着られないかもなぁ。それに、ホントに話が来てばりばりアクションシーンが用意されていたらどうしよう......。お手柔らかにお願いします(笑)。





●紺野彩夏Ayaka KONNO

1999年6月24日生まれ千葉県出身

○3歳の頃に子役としてデビュー。女優と並行して2016年からは『Seventeen』、2021年からは『non-no』の専属モデルとしても活動

取材・文/とり撮影/荻原大志©石森プロ・東映

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