中江有里が26年ぶりの主演を務める映画『道草キッチン』の製作が決定し、中江と白羽弥仁監督のコメントが到着した。同作は2025年秋の公開を予定している。
【写真】ベトナム・ホーチミン “東洋のパリ”と呼ばれる美しい街並みにうっとり
本作は、50代に差しかった身寄りのない女性・桂木立(りつ)の元に、徳島県に住む見覚えのない人からの相続通知が届くことで物語が始まる。初めて訪れる徳島の地で、様々な事情を抱えた地元の人々や、四国の大地で懸命に生きるベトナム人たち、そして自然豊かな食材で作られるベトナム料理と出会う立。彼女はこれまでの暮らしでは感じることのなかった至福の時間を経て、徐々に自分自身の中にある過去のわだかまりと真摯に向き合い、自分の生き方を見つめ直していく。
監督は、サンセバスチャン国際映画祭やヴィリニュス国際映画祭に正式出品された『ママ、ごはんまだ?』や、『あしやのきゅうしょく』『フィリピンパブ嬢の社会学』などを手掛けてきた白羽弥仁。脚本は、白羽監督と武田知愛(『無伴奏』『1+1=1 1(イチタスイチハイチイチ)』)によるオリジナルストーリー。
主人公の桂木立役は、作家、俳優、歌手などマルチに活躍する中江有里が務める。中江にとって本作は、大林宣彦監督が手掛けた映画『風の歌が聴きたい』(1998)以来26年ぶりの映画主演作となる。
都会で小さな喫茶店を営む主人公・桂木立は50歳。身寄りのない彼女は、余生を1人で生きていこうと決めていた。そんな折、再開発の影響でお店は立ち退きを余儀なくされ閉店に。さらに健康上の問題も重なり、将来への不安を抱え茫然とする。そこに突然、吉野川市から相続に関する通知が届く。心機一転、訪れたことのない徳島の地へ移住を決めたが―。
中江は「前回の映画主演が1998年。あれから26年経ち、再びスクリーンで主演できるとは!人生、何が起きるかわからないものです。昨年は急な病で倒れましたが、生きていて本当によかったと思います。かつて喫茶店の娘だった私にとって、この映画は人生のアナザーストーリーのようでもあり、不思議な運命を感じます」と心境を明かし、「20代の頃にはなかったシミやシワを勲章に、更年期真っ盛りの身には過酷になりそうな撮影を乗り切りたいです」と抱負を語っている。
白羽監督は「ごく最近のことです。私は今回の作品のためのロケハンである喫茶店を訪れました。コーヒーを一杯頼み、店内を見回し、ちょっとイメージと違うなとコーヒーを飲み終わって席を立とうとしたその時です。マスターが『もっとゆっくりしていったら』と私に声をかけたのです。これから『人生の道草』を描こうとしているのに、自分がその心を忘れている。ちょっと反省してしまいました」とエピソードを語り、「この作品は、齢を重ねることで自分を顧み、他人のことを思う時間を得られた、そんなひとりの女性のお話しです」と説明している。
映画『道草キッチン』は、2025年秋公開。
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