9月26日(木) 15:15
エッジは、読み書きに困難さがあるディスレクシアの周知・啓発キャンペーン「ディスレクシア月間2024」を、10月に開催すると発表した。
ディスレクシアは、学習障害のひとつで、文字の読み書きが正確にまたはすらすらとできない症状を指すが、全般的に知的発達に遅れはないとされている。日本語では人口の8%がそうであるとわかっている(*1)。
ディスレクシアの人は文字の読み書きの困難さを除けば、多くの分野で優れたものがあるにもかかわらず、読み書きがスムーズにできないことで、学習の遅れが生まれたり自信を失ってしまうこともあるそう。それが心身の不調に現れてしまったり、不登校になるケースも少なくないという。
不登校は約25万人いるといわれているが、鳥取県の調査では不登校児童の約35%、不登校生徒の約60%が学習障害であることが示されている(*2)。
10月をディスレクシア月間とする動き
そんなディスレクシアへの正しい理解やサポート体制が社会全体に根付くよう、国内でディスレクシア啓発支援に関わる6団体が連携して、10月をディスレクシア月間とするキャンペーンを実施する。
なお、国連ではディスレクシアの日を10月に制定する働きかけがあり、海外でも10月にディスレクシア啓発キャンペーンが行われているようだ。
エッジのディスレクシア月間イベントエッジは、ディスレクシア月間に4つのイベントを打ち出す。
そのひとつが、Zoomオンラインで参加できる「LSA学習支援員養成講座・スタンダードコース2024」。発達特性に応じた支援方法について理論と具体的な方法を学べる全13講座を開講しており、1講座から受講できる。
また、10月5日(土)の10:00~12:00には、ZOOMにて「竹田契一先生講演会・対談会~読み書き困難指導・支援における大切な心構え~」を開催。通常、講座の受講生・修了生限定で開催しているフォローアップセミナーを、一般の人も参加できる特別版で配信する。
さらに、10月12日(土)の14:30~15:00には、東京都港区の江夏画廊およびZoomにて、第2回「ディスレクシア・アートコンペティション2024」表彰式を実施。「ディスレクシアな日常」をテーマにした、ディスレクシアの子どもたちの作品を表彰する。英国のベストセラー画家であるマッケンジー・ソープ氏(ディスクレシア当事者)も特別審査員として参加予定だ。
そして、10月17日(木)図書館休館日除く10月14日(月・祝)~27日(日)には、東京都港区立三田図書館にて「読書バリアフリーとディスレクシア~多様な読書のカタチ」と題した展示を開催。10月18日(金)13:30~19:30には、同館6階の集会室で、ディスレクシア疑似体験、聴く教科書体験(音声教材BEAM体験)、ディスレクシア当事者がおすすめする本の紹介、相談コーナーを展開する。
エッジはディスレクシアの正しい認識の普及と支援を目的とした特定非営利活動法人として、2001年10月に認定設立され活動中。今年3月には、非営利組織の信頼性を意味する「グッドガバナンス認証」を受けた。
ディスレクシアの人がいきいき暮らせる社会にするために、正しい情報の啓発活動、支援者養成、当事者ネットワークづくりを軸に活動している。
代表の藤堂栄子氏は、文部科学省特別支援教育ネットワーク推進委員会、厚生労働省社会保障審議会障害者部会委員など政府委員を務め、発達障害者支援法、障害者差別解消法、教科書バリアフリー法、読書バリアフリー法などの法律に携わっている。
この機会に、ディスレクシアについて学んでみては。
ディスレクシア月間2024 ALL JAPANホームページ:https://alljapandx2024.hp.peraichi.com/top
*1 日本語では8%(Uno et. al. 2009. Reading and Writing.)
*2 小枝 2002より
(Higuchi)