9月25日(水) 8:00
韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』(10月11日よりPrime Videoで独占配信開始)の来日記者発表会が9月24日(火)にホテル雅叙園東京で開催され、W主演の坂口健太郎とイ・セヨン、監督を務めたムン・ヒョンソンが登壇した。
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今回はじめて海外制作のドラマに参加した坂口は、どんな思いで撮影に挑んだのかという質問に対し、「今まで自分がドラマや映画の撮影をしてきて培ってきた経験が通用しないんじゃないかという不安があった」と本音を吐露。
しかし撮影が始まってみると、「彼女(イ・セヨン)と一緒に1つのシーンを丁寧に作っていく時間を設けてもらって。台本というスタッフ共通の道しるべのようなものがあったら、文化の差や言葉の差ってほとんど関係ないんだなということは、今回作品に参加させていただいて思いました」と新たな発見があったことを明かした。
本作は”5年前のあたたかな春の日本”と”現在の切ない冬の韓国”が舞台となっており、撮影も両方の国で行われた。
日本での撮影が初めてだったというイ・セヨンは「印象に残っているロケ地は?」という質問に対し、「井の頭公園です」と日本語で回答!
その後は韓国語で、「去年の冬に日本でファンミーティングがあり、その時にムン監督と一緒に井の頭公園に初めて行ったんです。本当に美しくて、広くて、そして自然な印象もありました。(中略)ここで撮影ができたらいいなと思っていたのですが、それが叶って、実際に撮影場所として行った時もやはり美しくて、1番印象に残っています」と語った。
一方、坂口も韓国の公園での撮影が印象に残っているという。
「今回の作品は、5年という時間が二人の間で開いていて。5年経って再会するときって、どうしても関係が少し冷えたところから始まるんです。それで韓国でのクランクインのときは、朝日が昇る前くらいに公園に集合して撮影をしたのですが、5年の月日を経て二人の関係が冷えてしまっている中での冬の公園というのが、木々も枯れ木になっていて、空気はとっても澄んでいたのですが、どこか寂しい感じがしたんです。どこか悲しい印象を与えてくれるみたいな…それがすごく印象に残っています」
幼い頃からラブストーリーやメロドラマに慣れ親しみ、いつか韓国と日本にまつわる内容の作品を撮ってみたいというロマンがあったというムン監督。原作を読んですぐに「この作品にトライしたい!」と思い、準備を進めていたという。
そんななかで当然出てくるのがキャスティング問題だが、「制作スタッフ一同が満場一致で、ぜひこの『愛のあとにくるもの』の主役は坂口健太郎さんにお願いするべきだ!という大原則が出来上がったんです」と言い、それほど悩むことなく決まったのだそう。くわえて、「すべて坂口健太郎さんのおかげです。本当に心から感謝していますし、私にとっては恩人です」と感謝の言葉を述べた。
そんなムン監督の言葉に「それは僕の方もです」と恐縮した様子の坂口。監督とイ・セヨンとの現場は「風通しが良い現場だった」とし、「その時間、その瞬間に、僕がポンっと入るだけで良かったので。色々な不安はあったけど、セヨンとムン監督と一緒に仕事ができたということは、本当に僕からもありがとうございます。恩人だなという気持ちがあります」と返していた。
現場では、その日の撮影を終えたときに“今日覚えた韓国語”を坂口が披露するのが恒例になっていたという。慣れない環境下でも積極的にコミュニケーションをとろうとしていたことがうかがえるエピソードだが、坂口本人は「僕、結喋るし、すごくふざけるので…大丈夫だったでしょうか?」と心配なご様子。
それに答えようとしたイ・セヨンが、「健太郎さんの 日本語 は本当に上手で…」とお茶目な言い間違え!「韓国語、韓国語!」と慌てて訂正する愛らしい姿が、会場の笑いを誘っていた。
今回の会見でも、なるべく日本語で話そうという姿勢を見せてくれていたイ・セヨン。そんな彼女について、坂口は「会うたびにセリフ以外のところでも日本語がとっても上達していく。それはきっと現場で見せない苦労をたくさんされていたんだと思います。でも現場に来ると、このポジティブな風を持ち込んでくれたので、すごく助けられましたね」と話していた。
本作のなかでは「変わらない愛はあるのか?」という疑問がたびたび投げかけられる。それにちなんで、登壇している3名がそれぞれの見解を発表。
坂口は少し悩んだ様子を見せつつも、「期限や終わりはないと思うのですが、 愛は変化していくものだとは思います。出会ったときの愛の熱量、色・形と、時間が経って交わしている愛の形は、目に見えないものだけど、重さも色も質量も、きっと違うと思うので。ただ、変わっていくものだとは思うけど、それに対して“終わる”ことはないというのが、なんとなく自分の思うところですね」と持論を披露。
続いて、今作の映像化を熱望していたムン監督は「個人的には、変わらない愛も愛だし、変わる愛も愛だと思っています。そして、今作を見ていただければ分かると思いますが、演出的にも演技的にも、簡単に”愛”というものを定義したり、単に何かを否定したり、そういったことはしないように努めていました。それくらい、たくさんの愛を見せたいと思いましたし、愛にまつわる様々な感情をあちこちに溶け込ませて演出をしました」と、製作のこだわりポイントもあわせてアピールした。
最後、イ・セヨンは「変わらない愛があると信じます」と日本語でキッパリ断言。「私のセリフは“変わらない愛があるって信じますか?”ですけど、私は信じますよ…あります」と、茶目っ気たっぷりに口を尖らせた。その後は韓国語で、「愛は変わらないと思いますが、その代わり、人は変わることがあると思います。 そして、変わる愛もあれば変わらない愛もあって、でも愛自体は変わらないと思います。運命的な愛もあると信じています」と意見を述べた。
次に、好きな日本語もしくは韓国語を発表するコーナーに移ると、3人の手には事前に用意していたフリップが渡される。
ムン監督がチョイスした言葉は「キレイ」。劇中に二人の主人公がこの言葉でやりとりをするシーンがあるそうで、配信がスタートしたらぜひ注目してみてほしい。
イ・セヨンが選んだのは「アイタイ」。”アイ”の部分を切り取ってみると、「”あいさつ”の”あい”にもなるし、”愛”という意味もあります。そんなふうに色んな意味があるのもいいなと思いますし、この”アイタイ”という4文字合わさったとき、口馴染みも良くてすごくいいなと思いました」と理由を説明。
また「私はいつも現場にいらっしゃる皆さん、そして共演した俳優の皆さんに会いたいと思っていたんです」という彼女は、共演者の中村アンとメッセージのやり取りをするときにも、よく「会いたい」と書いていたのだとか。
大トリを飾るのは坂口。しかし「”アイタイ”と”キレイ”が出たあとに、ちょっとアレなんですけど…」と恥ずかしそうに掲げたフリップには「チャジャンゴ チナガムニダ」の文字が。これは「自転車が通ります」という意味の韓国語だという。
「これは現場で本当によく聞いたんですよね。日本で撮影しているときなんかは、結構たくさんの自転車が通ったので、スタッフの方が”チャジャンゴ チナガムニダ”と言っていて。これは良い響きだなと」
他の二人が選んだ言葉との落差に困惑しつつも、「皆さんが自転車で通られる中で、丁寧に撮影をしていました!」となんとか綺麗にまとめて笑いを誘った。ちなみに、イ・セヨンも日本で最初に覚えた言葉は「自転車通ります」「車通ります」だったそうだ。
最後にドラマを楽しみにしている人に向けて、見どころとメッセージを伝えた3人。
ムン監督は「先ほども申し上げましたが、この作品は、ただ単に後悔しているだけだったり、ただ単に恨んでいるだけだったり、悲しんでいるだけの物語ではありません。本当に様々な感情が美しく描かれています。ですので、この秋は『愛のあとにくるもの』を見て、感性豊かな時間を過ごしていただけたら嬉しいと思います」と、改めて作品のこだわりポイントを語った。
イ・セヨンは、日本語で「日本でも、たくさんの方に見ていただきたいです!」とキュートにアピール。
続けて、「この作品を通して、新しいことに挑戦したいという思いが強くなりました。もちろん日本語での演技は難しいところもありましたが、とても幸せで楽しかったです。 そして、日本で2カ月撮影ができてとっても幸せでした。エネルギーをいただきながら、愛情を込めてこの作品を撮りました。(中略)大勢の皆さんに見て共感していただければ嬉しいです。このように日本で皆さんにご挨拶できてとても嬉しく思っています。どうもありがとうございます」と、撮影を振り返って感謝を述べた。
ラストを飾るのはもちろん坂口。日本や韓国それぞれの季節の美しさも見どころであるとしつつ、やはり一番は主要登場人物4名が紡ぐ愛の物語を「皆さんに見届けていただけたら嬉しいなと思います」と呼びかけた。
さらに、「最初は”文化の違い”みたいなことを僕はすごく不安に思っていたのですが、やっぱり1つのラブストーリーを撮るにあたって、監督やキャストのみんなと同じ方向を向いて仕事ができたということを、僕は本当に誇りに思います。皆さんにやっと届けられるので、ぜひ 見ていただければ嬉しいなと思います。今日はありがとうございました」と締めくくった。
運命の再会から始まる、終わったはずの愛の行方を描く純愛ラブストーリー『愛のあとにくるもの』(全6話)は10月11日(金)よりPrime Videoにて見放題独占配信開始。
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