i☆Ris山北早紀、「ヤバいんじゃない?」と思われる逆境こそ燃える

i☆Ris山北早紀、「ヤバいんじゃない?」と思われる逆境こそ燃える

9月18日(水) 15:50

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声優アイドルユニット・i☆Risのライブ映像と撮り下ろしインタビューで構成されたドキュメンタリー映画、『Live & Documentary Movie ~i☆Ris on STAGE~』が絶賛公開中だ。

今作ではメンバーたちがそれぞれの思い出の地をめぐるシーンも収録されている。リーダーの山北早紀はi☆Risのメンバーになる前にメイドカフェで働いていた経験を持つが、その内容はこれまでベールに包まれたままであった。

そしてこのたびの劇場版では、かつて働いていた場所へ訪問し、当時の同僚と語り合うシーンも。ファンにとって必見のこのシーンの裏側や、これまでの歩みの振り返り、今後の展望までを語ってもらった。

「スクリーンで流れちゃ困ります(笑)」

――今作では珍しく、メンバー内で最も涙を流すシーンが多かったですね。

もう信じられないです。嫌です。これが全国のスクリーンで流れちゃうのは困ります(笑)。見てほしいような、見てほしくないような。でも、珍しい姿が見れると思って、ぜひみんな劇場に足を運んでいただきたいですね。自分は、ちょっと恥ずかしくて見てられなかったけど。

――それぞれが思い出の地をめぐるという企画で、かつて働いていた北海道のメイド喫茶を訪れたシーンのことですかね?

そうです。行くって決めてから、ずっと緊張してましたね。撮影してるとき、ここは絶対に使われるだろうな〜と思いつつ、やっぱり使われてました。

――昔話をして涙を流すシーンがあり、人生経験があるからこそのドラマだと感じました。

たしかに、10代後半でi☆Risになった私以外のメンバーが経験しないであろう、10代後半から20代前半の一般人としての期間が私にはあったので。映画では数分しか使われてないけど、かなりの時間をかけて撮影して、とても印象深い1日になりました。そのあたり、パッケージ化されたら特典とかで使われてたらいいな、と思います。



初めて明かす思い出の「メイドカフェ」での経験

――働いていたお店は、これまで明かしたことはないですよね?

ファンが「ここじゃないか?」って行くことがあったみたいですけど、自分でこうやって具体的に明かすのは初めてです。答え合わせする人も多いと思います(笑)。私もずっと行きたかったけど、ファンとばったり会っちゃうと気まずいから行けなくて。これからはツアーや里帰りのときに堂々と行けるようになりました。このドキュメンタリーを見てお店に行ってみる人がいたらうれしいなって思います。

――そのお店で働いていた経験が、i☆Risでの活動に生かされたという話もありました。具体的に、どのような経験ですか?

i☆Risに限らず、芸能界を目指す10代の女の子って、普通の子に比べて我が強い子が多いと思うんですよね。周りを蹴落としてでも……っていう気持ちの子との出会いは、かなりショッキングな出来事でした。メイド喫茶も人気の職業だと思うので、それを経験せずに来てたら、もっと面食らってたかもしれないです。

メイド喫茶でも、周りに気を配ってみんなをまとめるポジションだったので、振り返ってみると、あの時期の経験がi☆Risを長く続けられた要因のひとつにはなったかな、と思いますね。

「i☆Risヤバいんじゃない?」はチャンス

――今作ではこれまでの歩みを振り返っていますが、今年の「i☆Ris 9th Live Tour 2024 愛たくて…Full Ener9y!!」の東京公演のMCにて、「上に行く前に自分が枯れ果ててしまいそうと思ったこともあった」と語っていました。特にどんな瞬間にそう感じていたのでしょうか。

周りからは「5人体制になったときは大変だったでしょう」と言われがちなんですが、私のなかでは少し違っていて。ひとり卒業して、世はコロナ禍という状況だったけど、私は逆境になればなるほど元気になるんです。

「i☆Risヤバいんじゃない?」って思われてるのは逆にチャンス。5人で今まではやっていなかった曲にも挑戦できる。まさにそれが実現した数年間でした。5人になってからのほうが、自分の好みの曲が多いくらいです。

ただ、人数が変わってフォーメーションが変わるのはしんどかったかも。ゼロから新しい曲を覚えるより、今まで身体に染み付いていたフォーメーションがちょっとだけ変わる方が難しいんですよ。

加えてシングルの収録やMV撮影、ツアーがドドッと重なった時期はさすがにキツかった……。「Summer Dude」を出した時期は、短時間で振り覚えして撮影、さらにツアーのフリ入れも重なる、みたいな状況で。

特に印象に残ってるのは、「Cheer up」のMV撮影かな。i☆Risだけじゃなくて、それぞれの仕事とか、いろいろなことが重なったタイミングだったのか、ほぼみんなが泣いてました。私も首を痛めたり、いろいろありましたね(笑)。



求められてるうちはずっとアイドルでいたい

――周りのメンバーたちについて、12年前と比べて変化を感じることはありますか?

みんな根っこの部分は大事にしつつ、協調性が芽生えてきてると思います。私も昔は協調性が大事だと思ってたんですけど、振り返ってみると、我が強いメンバーがいてくれてよかったとも思うんです。

周りに合わせてるだけでは良くない業界だし、スタッフさんにちゃんと挨拶したり、「仕事くださいよ〜」ってぐいぐい話しかけたりしてくれて。私にはそんなことできない。メンバーへの有難みを、年々強く感じるようになってますね。

――11月4日には「i☆Ris 12th Anniversary Live ‐ 初☆アリーナMM(マジみて)」も開催されます。あらためて今後の展望についてお聞きします。劇場版の終わり方がきれいだったので、活動がいつまで続くのかと不安なファンもいるかと思いますが……。

ぴあアリーナのライブのあとに急に解散発表をする予定はないです(笑)。いや、ないって言い切っちゃうのは良くないか。なにがあるかわからないから、絶対に見に来たほうがいいよ? と言っておきます(笑)。

ただ、去年の暮れに劇場版アニメ『i☆Ris the Movie - Full Energy!! -』のアフレコをして、私は次の10年で何をしたいんだろう……ってずっと考えてます。今の仕事は楽しいけど、永遠に続くわけではないから。でも、みんなが続けたいなら、私はいつまでも続けますけど? という気持ちではいますね。

有終の美を飾るまでは終われない

――そのあたりの感覚は、メンバー同士で共有されているのでしょうか。

みんなで話すわけではないけど、超完全燃焼してから終わりたい、有終の美を飾るまでは追われないって意識は一致してると思います。

だからその意識が一致してるうち、ファンのみんなが応援してくれてるうちは、まだまだ続けたいですね。冗談みたいに「いくつになってもずっとアイドル!」って言うこともあるんですけど、自分のなかで求められてるうちは続けたいって気持ちが強くて、逆にいえば、求められなくなったら続けないと思います。

もうダメかもってときに、もらったファンレターを読み返して、X(旧Twitter)を見たりして、いつも元気をもらってます。みんなありがとう!

――ぴあアリーナは、上を目指すという目標にぴったりの大きな会場です。

ちょっと前に会場の下見に行ったんですけど、めちゃ広くてあの客席が全部ファンで埋まったらヤバいなって思いました。12年目にして最大規模のワンマンライブ、ぜひみんな見に来てください!



【山北早紀】
1991年、北海道生まれ。山北早紀、芹澤 優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢の5人からなる声優アイドルユニット「i☆Ris」のリーダー。美容オタクで化粧品検定1級を持つ。初の実写映画『Live & Documentary Movie ~i☆Ris on STAGE~』が公開中。そして、11月4日(月祝)にはi☆Ris史上最大規模となる、ぴあアリーナMMにて「i☆Ris 12th Anniversary Liveー 初☆アリーナMM(マジみて) ー」の開催が決定している

<撮影/尾藤能暢取材・文/森 ユースケヘアメイク/門口明加 スタイリング/津野真吾(impiger) >



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