9月13日(金) 9:04
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第9戦マイナビカップ(1日競技)◇12日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6408ヤード・パー72>
25歳の徳田葵は、昨年からマイナビネクストヒロインツアーに登録し、初出場した第3戦「Sky ALL Sky Ladies Cup」でプレーオフを制していきなり初優勝。同ツアー2勝目、今季初の複数回優勝者に輝くはずだったが、その目前で2ペナルティを課せられる悲劇が起こった。
5組目でスタートした徳田は前半3バーディ・ボギーなしのプレー。全選手がハーフターンした時点で単独トップに立った。後半は9番、11番から連続バーディ、16番でさらに伸ばし、後続にプレッシャーをかけた。同組だった神社佐也加、中西風花、松永王花が食らいついてくるなか迎えた最終18番パー5。フェアウェイから打った2打目を引っかけてしまい、ラフへ。残り155ヤードの3打目でグリーンを狙ったがラフが深く、グリーン左へいくミスショット。4打目でグリーンに乗せたがパーパットを外し、この日初めてのボギーを喫した。気温39度と灼熱のなか6バーディ・1ボギーで終え、クラブハウスリーダーとなったがホールアウト後に2打罰の裁定が下された。一体なにがあったのか。
18番、徳田が打ったティショットが前の選手が残したディボットの上に着弾。ボールの後ろが3センチほど浮いた状態だったためボール手前のライを足でならした。本来、コースはあるがままにプレーしなければならない。その場面が動画配信の映像に映し出された。ホールアウト後、競技委員によってゴルフ規則8.1a(3)の違反のため、2打罰のペナルティが課せられた。
「グリーンのディボットを直す感じでやっちゃったんですけど、『ライの改善』になることを知らなくて…」と無意識にとった行動だった。後続のプレーを見ようと、動画配信を開いたところ、コメント欄で誤りに気づいたという。「私がルールを知らなかったのが悪いので、これも勉強。次から気をつけていこうと思います」と前を向いた。
これによって、ホールアウト当初はボギーだった最終ホールはトリプルボギーとなり、3位タイへ後退となってしまった。
それ以外ではチャンスにつけたホールで強気なパットを心掛けた。「ショットが悪いなかでパターが入ってくれた。自分の中ではスコアを伸ばせたので久しぶりに楽しいゴルフができました」と振り返る。前週4回目の受験となったJLPGAプロテスト第2次予選(C地区)では上位勢の伸ばしあいについていけず敗退。年々プロテストのレベルが上がってることを痛感したばかりだった。
昨年の1次プロテスト敗退から体幹トレーニングを毎日ルーティン化。緊張している試合でも振れるように取り組んできた。その結果、「普段の悪い動きが明白にわかったので、それを治せたのが1番自信になった」と試合を通して成長を実感している。次戦はまだ未定。「パターと飛距離を改善して、来年は笑顔でテストを通れるように頑張りたいです」と意気込んだ。(文・小池文子)
【ゴルフ規則8.1a認められていない行動】
プレーヤーはストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合には次の行動をとってはならない。ただ、規則8.1b 、c、dで認められた限定的な方法を除く。
(3) 次のことを含め、地面を変える:
・ディボットをディボット跡に戻す。
・すでに戻されているディボット、すでに所定の位置にある切り芝を取り除いたり、押し付ける。
穴、窪み、起状のある面を作ったり、なくす。