前回からの続き。私はカズハ(30歳)。このたび夫の転勤で、地方から都市部に引っ越しをしてきました。娘のミライは現在3歳。なんにでも興味津々なお年頃です。そんな娘がある日、家でテレビを観ているときに興味をもったのが、あるミュージカルの特集番組。「これやりたい!」と目をキラキラさせながら観ています。今すぐミュージカル女優に……というのはムリなお話なので、このたび娘を連れて観劇することにしました。実は私もはじめての観劇。奮発して、いいお席をゲットしたのです!
開演してしばらくは、自宅のテレビでミュージカルを観ていたときのように、目をキラキラさせていました。しかし、思ったよりも大きな音量の音楽が流れて驚いている様子です。さらに静かなシーンが続くと、だんだん「もう飽きたモード」に……。
もう……せっかくいいシーンなのに……。ミライをなだめながらなので、ちっともストーリーが入ってきません。やっぱり3歳のミライにミュージカルはまだ早すぎたのかもしれません。
前の席の女性から注意をされてしまいました。たしかに小声でしゃべってしまいましたが、周りの人が気になるほどではないはず……。
多少しゃべったり動いたりなんて子どもなんだから仕方ないじゃない!という気持ちになりました。その後私は再び、帰りたがるミライに厳しく注意しました。しかし……
とうとう劇場の人からも声をかけられてしまいました。これからクライマックスを迎えるというのに、どうしても最後まで観たいのです!
ミライがイスを蹴ってしまったのは本当に申し訳ないのですが、私たちはそこまでうるさくした覚えはありません。
劇場の人からも声をかけられ、再度前の席の人にも注意されてしまっては、もう劇場を出るしかないでしょう……。クライマックスのシーンを待たず、私たちは泣く泣く劇場をあとにしました。せっかく高い金額を払って、いい席を買ったのに。私は悔しい気持ちでいっぱいになりながら、帰路についたのでした。
【第3話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ脚本・煮たまご作画・チル編集・横内みか
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