2冊のベストセラー書籍「歎異抄をひらく」(66万部)と「人生の目的」(18万部)を原作としたアニメ映画「親鸞 人生の目的」が、2025年2月に公開される。杉良太郎が主人公「親鸞」役で、80歳にして初めて声優に挑む。このほど、ポスタービジュアル、メイキング写真、キャストからのコメントが披露された。
知識人・文豪がこぞって注目する親鸞の人間味あふれる苦悩と葛藤を描く壮大な歴史エンターテインメントで、シリーズ100万部を突破した書籍「なぜ生きる」を基に制作された劇場版アニメ映画「なぜ生きる 蓮如上人と吉崎炎上」。2016年5月に全国公開されるや、動員15万人を記録する大ヒットを記録。続く第2弾として制作された「歎異抄をひらく」は2019年5月に全国公開され、連続上映38週を記録する大ヒットとなった。
第3弾となる本作は、2冊のベストセラー書籍「歎異抄をひらく」と「人生の目的」を基に、夏目漱石や司馬遼太郎ら知識人が関心を寄せた親鸞の青年時代を中心にその生涯を描く。今から約850年前の平安末期から鎌倉時代の激動の時代を舞台に、人間としての親鸞の苦悩と葛藤に焦点を当て、「人はやがて死ぬのになぜ生きるのか」「人は何のために生きるのか」「幸せとは何か」という普遍的なテーマを深く探求する。
主人公「親鸞聖人」の声を演じるのは、声優初挑戦となる杉良太郎。共演は、アニメ「鬼滅の刃」の冨岡義勇役や「呪術廻戦」の夏油傑役などで人気を誇る櫻井孝宏や、アニメ「ONE PIECE」のモンキー・D・ガープ役や「ダンジョン飯」のセンシ役など、ベテラン声優の中博史ら豪華声優陣が参加。櫻井は親鸞聖人の青年期を、中は浄土宗の開祖・法然上人を演じる。
60年の芸能活動の中で、そして80歳にして声優初挑戦の杉は、「80歳になった私が、80代の親鸞聖人の声を演じることに不思議な縁を感じました」と本作のオファーについて語り、「アフレコは初めてで、自分の引き出しにはない仕事でしたので、いつもにもなく不安に思っていました」と不安がる様子を見せつつも、収録は見事に一発OKの連続で、収録予定時間を大幅に短縮するほど。「人生の道標を、分かりやすくアニメで見せてくれます。納得するまで何度も観てもらって、皆さんにとっての“人生の一作”となったら嬉しいです」と、本作の完成に大きな期待を寄せた。
僧侶の結婚は戒律で固く禁じられていた時代に、周囲の猛反発に合いながらも公然と玉日姫との結婚を断行した親鸞。本作は、 “人間・親鸞”の姿から、なぜ茨の道を乗り越えることができたのか、その答えを示すとともに、エンターテインメントとしても心に響く作品となっている。混迷を深める不安定な時代に、親鸞が苦悩のすえ辿りついた、「人生の目的」とは。現代を生きる私たちにとっても、重要な示唆を与えてくれる1作となっている。
<コメント全文>
◆杉良太郎
今回のオファーを頂いて、偶然に収録時期が少し遅れ、ちょうど80歳になった私が、80代の親鸞聖人の声を演じることに不思議な縁を感じました。親鸞聖人ですから、どういう方だったのか想像できませんし、人間でありながら、神様に近い存在の方なので、私がその親鸞聖人の声を演じていいものか考えました。アニメのアフレコは初めてで、自分の引き出しにはない仕事でしたので、いつもにもなく不安に思っていました。
本作のテーマである「人はなぜ生きるのか」「どんな目的があって生きているのか」は、自分の経験の中から、自分も実際に悩み、苦しみながら生きてきたこととも重なりました。今まで、様々なところで福祉活動をしてまいりましたが、知的障害や重度身体障害者施設などを訪問することもあり、実際に会って触れて感じて、こちらが教えてもらうこともありました。バングラデシュ・ダッカの「愛の姉妹会」という孤児院に行った時、子供たちがロボットみたいに全然動かないし、瞬きさえしないことに驚いたことがあります。理由は、栄養失調。とっさにその時に持っていた飴玉を1つあげたら、飴玉をじっと持って、5、6秒かかってやっとペロッと舐める。施設内をまわって、帰りがけに「今すぐ食べるものを持って帰ってくるから」と言うと、その子たちがみんな手を振ったんです!瞬きもできない子が飴玉1つで手を振るエネルギーを得ることに考えさせられました。
別の施設では、両足の無い子が満面の笑みで、手だけで私の後をついてきてくれたり、手が全く使えない子は、口で割り箸を噛んで、パソコンを使って「ありがとう。よく来てくれたね」と迎えてくれたこともあります。目は全然私の方を見られず、抱いたら全然違う方向を見ているのに、私の存在をわかってくれていて、後日、口でタイプして作ってくれた御礼の手紙が届いたこともあります。いくら体が不自由であっても、魂は死なない。そういった人たちに、一瞬でも笑顔でいてもらえることが、いかに貴重なことなのか。
おこがましいですが、これからも私はそのようなところにも行って、その人たちと触れ合って、そこで経験し学んだことを、皆さんに説得力を持ってお話ししたいと思っています。
本作の「なぜ生きる」というテーマ。人生の道標を、分かりやすくアニメで見せてくれます。納得するまで何度も観てもらって、皆さんにとっての“人生の一作”となったら嬉しいです。
◆櫻井孝宏
歴史上の大人物なので自分と同じ次元で見られないと言いますか、そういう目つきで語れない役どころだと思っております。作品のテーマから難しい印象を持たれるかもしれませんが、とても見やすい物語だと思います。全部を理解する必要はなくて、見て感じたことを生きていくヒントにしていただけたらと思います。
◆中博史
私が演じた法然上人は、万人に愛される、普通に話をしていても万人の心に響くような人物だと思いました。お説教くさくならないようにと思いながら演じました。親鸞聖人に多大な影響を及ぼす人物なので、そういうお芝居ができていたらいいなあと。歴史小説を読むように、当時こういうことがあったんですよ、という一つの事実として楽しんでもらえればと思います。
(C)「親鸞 人生の目的」映画製作委員会 2025