今もなお幅広い世代から愛され続けている宮﨑駿監督の不朽の名作「天空の城ラピュタ」が、日本テレビ系・金曜ロードショーで本日8月30日午後9時から放送されます。映画.comでは、本作のあらすじ、キャスト情報のほか、人気キャラクター・ドーラ一家にまつわるトリビアをご紹介します!
宮﨑監督・脚本の長編アニメーション映画「天空の城ラピュタ」は、トップクラフト制作「風の谷のナウシカ」の成功を受け、1985年に設立されたスタジオジブリ制作の記念すべき1作目です。「風の谷のナウシカ」に続いて、プロデューサーは宮﨑監督の盟友・高畑勲が、音楽も久石譲が務め、声優ではパズー役をのちに「ONE PIECE」のルフィを担当することになる田中真弓、シータ役を「ドラえもん」の初代ドラミちゃん役などで知られる横沢啓子(現:よこざわけい子)が務めました。
本作は、ジョナサン・スウィフトの「ガリヴァー旅行記」に登場する天空の島「ラピュタ」をモチーフにしつつも、宮﨑監督が温めていたオリジナル脚本の作品で、少年と少女の出会いや冒険を描いた傑作ファンタジーアドベンチャーとなっています。本作は金曜ロードショーで放送されるたびに高視聴率を獲得しますが、毎回「滅びの呪文」の放送シーンで、視聴者がX(旧Twitterツイッター)で一斉に「バルス」とつぶやくという“バルス祭り”も恒例行事となっています。
【あらすじ】
小さな山里で暮らす少女シータは、ある日ムスカ率いる謎の男たちによって巨大な飛行船に乗せられ、連れ去られてしまう。その飛行船を、空賊のドーラ一家が襲撃。飛行船から逃げようとしたシータは、誤って落下するも、不思議な力で静かに地上へと降り立つ。彼女を助けたのは、炭鉱で働く少年・パズー。パズーはシータを自宅に連れ帰るが、翌朝、ドーラ一家とムスカたち国防軍がシータを探して渓谷の町に現れる。
町の人たちの協力でなんとか逃げるものの、追い詰められた2人は深い谷底へ…。その瞬間、シータのペンダントが光り輝く。どうやら空に浮かぶ幻の王国・ラピュタで作られた飛行石の結晶が、秘められた力を発揮したようだ。無事に地下の坑道に降り立ったパズーとシータだったが…。
【キャラクター/声優】
パズー:田中真弓
シータ:よこざわけい子
ドーラ:初井言榮
ムスカ:寺田農
ポムじいさん:常田富士男
将軍:永井一郎
親方:糸博
おかみ:鷲尾真知子
シャルル:神山卓三
ルイ:安原義人
アンリ:亀山助清
老技師:槐柳二
マッジ:TARAKO
【ドーラ一家を深堀り】
●宮﨑監督の思い入れが深いドーラ
パズーやシータと交流していく空中海賊団「ドーラ一家」の女首領で、飛行船タイガーモス号の船長でもあるドーラ。そのモデルは、宮﨑監督の母だと言われており、監督自身も過去のインタビューで、最も思い入れの強いキャラクターとしてドーラを挙げています。
病気がちだったという監督の母ですが、宮﨑監督をはじめとする四兄弟が束になっても、太刀打ちできないパワフルな人だったと、監督ご自身がコメントしています。確かにドーラというキャラクターには、そういう肝っ玉母さんぶりが反映されているようです。
そんなドーラは、船長としてのスキルと人間力を兼ね備えていて、戦闘ではひるむことなく的確な指示を出し、果敢に攻めていくという抜群のリーダーシップを発揮。「だてに女を50年やってるんじゃないよ」という台詞からいくと推定年齢は50代のようですが、もう少し年上にも見えます。
●息子3兄弟はフランスの王の名前からつけられた
ドーラの息子として、長男シャルル、次男ルイ、三男アンリの3人が登場しますが、こちらは、フランスの王朝時代の王の名前を取ってつけられたそうです。
3人は20代の大人ですが、宮﨑四兄弟同様に、たくましくい母には頭が上がらない様子。常にドーラに従順で、ドーラ一家のテンポのいいコミカルなやりとりも最高です。
ちなみに自分を犠牲にしてパズーを救おうとしたシータに、若き日の自身を重ねたドーラが「わたしの若い頃にそっくりだよ!おまえたちも嫁にするなら、ああいう娘にしな」と息子たちに言ったあとで、ルイがすかさず「はぁ……。ママのようになるの?あの子?」とツッコみ、笑いを誘います。ですが、実際に劇中で登場する若き日のドーラの肖像画は、確かにシータそっくりだったので、まんざら嘘でもなさそうです。
●ドーラの子分の1人は日本人!
息子たち3兄弟のほか、子分のカ、キ、ク、ケ、コらバラエティー豊かなキャラクターの子分たちにもご注目。ノリで命名されたような5人ですが、それぞれの国籍が違うという点がユニークです。
カがポルトガル人、キがエジプト人、クが中国人、ケが日本人、コがセネガル人という多国籍なファミリーとなっています。
●ドーラ役の初井言榮はマレーネ・ディートリッヒの吹き替えも
ドーラ役に力強い声で魂を吹き込んだ初井言榮。初井さんは子役から芸能界入りし、のちに山岡久乃らと共に立ち上げた劇団青年座で女優として活躍。日活の専属女優としても数多くの作品に参加し、キャリアを重ねていきました。中でも、大映テレビ制作の杉浦幸主演作「ヤヌスの鏡」や、堀ちえみ主演作「花嫁衣裳は誰が着る」などでは、大いに存在感を発揮しています。
声優としては、主に洋画の日本語吹替版で様々な作品に参加。特に知られているのが、「ティファニーで朝食を」や「西部戦線異状なし」のパトリシア・ニールの吹替えで、ほかにも「愛と喝采の日々」のアン・バンクロフト、「情婦」のマレーネ・ディートリッヒなども担当しています。
【作品情報】
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天空の城ラピュタ
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