長編アニメーション映画「きみの色」の初日舞台挨拶が8月30日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、声優を務めた鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、やす子、山田尚子監督(「映画聲の形」「平家物語」)が登壇した。
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舞台挨拶では、新海誠監督(「君の名は。」「天気の子」)と、俳優の松岡茉優(「映画聲の形」小学生時代の石田将也役)から、本作に対する感想コメントが紹介された。司会者が「きっと戦いだったのではないかと、勝手に想像してしまいます」(新海監督)、「山田尚子さんの描く若者はこの上なく優しく眩しい」(松岡)とコメントを代読すると、山田監督は「ものすごく光栄です。戦いーー、確かにどの作品でも、つくるのは戦いなので」「松岡さんからコメントをいただけるなんて、ちょっと胸がいっぱいです」と感激しきりだった。
新海監督&松岡からの感想コメントに加えて、この日は、声優陣がサプライズで山田監督にプレゼントを贈る場面も。鈴川は「取材のときに『生まれてきてくれてありがとう』と言ってくれたときに、胸がいっぱいで泣きそうになりました。私たちも監督に出会えて幸せです。監督からいただいた言葉は、私にとって宝物です。何者でもなかった私を、見つけてくれてありがとうございました」と、心をこめた手紙を読み上げると、自ら感極まって涙を流していた。
また、木戸からは9月2日に26歳の誕生日を迎えるやす子に、花束のプレゼントも。大らかで芯が強く、食いしん坊の百道さくを演じ、声優デビューを果たしたやす子は「キアヌ・リーブスと同じ誕生日です。はい~。26歳はたくさんお休みいただけるとうれしいです」と上機嫌。台風10号の影響が懸念される中、8月31日から9月1日にかけて放送される「24時間テレビ47」(日本テレビ系)でマラソンランナーを務める予定だが、挑戦に関して具体的に語ることはなかった。
うれしい色、楽しい色、穏やかな色など、幼い頃から人が「色」として見えるトツ子(鈴川)は、同じ全寮制のミッションスクールに通う美しい色を放つ少女・きみ(髙石)、街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイ(木戸)の3人でバンドを組むことに。離島の古い教会を練習場所に、それぞれ悩みを抱える3人は、音楽によって心を通わせ、いつしか友情とほのかな恋のような感情が芽生え始める。
以下、新海誠監督と松岡茉優から届いた感想コメント。
【新海誠監督】感想コメント
映画「きみの色」、試写でひとあし先に拝見しました!とても優しくて可愛らしく柔らかい映画だけれど、とても強い覚悟に満ちた作品でもありました。今、この作品を作り上げるなんて凄、、、!企画を含め制作はきっと戦いだったのではないかと、勝手に想像してしまいます。とても勇気づけられるし、憧れます。それぞれの映画に「色」があるとして、「きみの色」は世界に存在する色そのものを押し広げるような、目に映る色数を増やしてくれるような、そんな無二の映画でした。
【松岡茉優】感想コメント
あなたの焦りも、ときめきも、あなただけのもので それを侵すことは誰にも出来やしない。山田尚子さんの描く若者はこの上なく優しく眩しい。誰しもこうであったのかな。誰しもこんなに明るい光が差しているのかな。「山田尚子監督×ギターを持った女の子」は高校生のころに「けいおん!」を見てギブソンを買った私には刺さりすぎるものがありました。クライマックス、全てを許されて踊ることができます。あの空間をぜひ、劇場で体感してください。
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きみの色
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