【写真】朝ドラ「虎に翼」に出演する女優、尾碕真花が今の心境を語った
2024年4月1日から放送中の、伊藤沙莉さん主演のNHKの連続テレビ小説「虎に翼」。日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、1人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー。
この朝ドラに「騎士竜戦隊リュウソウジャー」や「鎌倉殿の13人」など数々の作品に出演した女優の尾碕真花(おさきいちか)さんが出演、岡田将生さん演じる星航一の娘「のどか」を演じる。そんな彼女に朝ドラへの出演の意気込みを聞いた。
■「感情が爆発するときのさじ加減だったり、ぎこちなさだったりを意識して演じました」
――まずは、連続テレビ小説「虎に翼」に出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。
放送中に出演することが決まったので、この大きな作品に私が出て大丈夫かなっていう思いが率直な気持ちでした。撮影に入る前に、放送前の完パケも見させていただいたのですが、話が進むごとに本当におもしろくて。この世界線に入っていって、これから撮影が始まったら登場人物の一部になれるんだって思うと、不安というよりも楽しみの方が大きくなってきて、本当にわくわくした気持ちになっていきました。
――以前、この朝ドラに出演されているハ・ヨンスさんをインタビューしたことがあって、それからずっと毎朝楽しみに見ている作品に、尾碕さんが出演されると聞いて、しかもインタビューできることになり、僕も同じ気持ちでわくわくしています。今回は、星家の「のどか」をどういうふうに演じていこうかと思っていますか。
のどかは私と大きな違いが一つあって、自分の感情を表に出さない、言いたいことを胸の奥にしまっているような女の子なんです。自分の感情を初めて吐露するシーンがあるんですけど、どういうふうに吐露するべきか、怒りだったり、泣き出すという感情をどういうふうに出せばいいんだろうって。
私は普段、短気な方だと思っていて、怒りの感情を出すのは難しくないですけど、怒り慣れてない人や自分の感情に慣れてない人が告白をするときって、どれだけ勇気や思い切りがいるんだろうとか、感情が爆発するときのさじ加減だったり、ぎこちなさだったりを意識して演じました。
――尾碕さんと違う性格だからこそ演じるのは難しいかとは思いますが、その分演じ甲斐もありそうですね。「のどか」と似ているところもありますか。
似ているところはちょっと俯瞰して見るというか、人との距離をすぐ詰めたりしないところが似てるのかなって。いい意味でも悪い意味でも、人に対してわりとフラットなところがちょっと似ているところなのかなと思っています。
――この作品の時代背景は昭和ですが、演じていて感じるはありますか。
戦前、女性が裁判官になれなかったっていうのも知らなかったですし、女性が生きていく上での選択肢が少なかったんだなっていうのを知って、歴史の勉強しているような感覚にもなりました。
基本、セットの中でずっと撮影していてますが、昭和の設定のセットですので、天井やドアが低いんです。昭和の人は現代の人より平均的な身長が低いからなのかなと。セットの玄関もけっこう狭くて、そのあたりもリアルに再現されてます。
■「岡田さんや伊藤さんからたくさん刺激をいただいて演じることができています」
――伊藤沙莉さんや岡田将生さんと共演されてみていかがですか。
とても素晴らしい方ばかりで、ちょっと身構えるというか、どういうふうにお話したらいいのかなと思ってたんですけど、本当に皆さん気さくな方ですぐになじむことができました。もう出来上がっている空気の中に自然に入れてくださるこの空気感っていうのがすごくありがたくて。嫌な緊張をせずにお芝居できる環境をスタッフさん含め、自然と作ってくださってるんです。
私がセリフでどうしようかな、このセリフ言いづらいなと悩んでいたときに、岡田さんが声をかけてくださって、2人で話してるところに伊藤さんが来てくださって、今のセリフ言いづらいからこういうふうに変えちゃえばいいんじゃないと案を出してくださいました。話を聞いて一緒に解決しようとしてくださる岡田さんと、すぐに案を出してくださる伊藤さんがあたたかく接してくれる環境の中で、たくさん刺激をいただいて演じることができています。
――この作品に出演したあと、自分自身が変わりそうな予感がしますか。
撮影の順番って、準備して、セットに入ってドライというリハーサルみたいなのをやって、テスト、本番とずっと続くんです。回数を重ねて同じ芝居をやると、どんどん新鮮さがなくなっていっちゃって、同じ感情で受け取れなくなってくるんです。
たとえると吸収するスポンジがいっぱいになって、泣きたいときに泣けないとか、泣かなきゃいけないときに泣けないとか、感情が思うように追いつかない感じでした。それが今やっと落ち着いてきて、自分が映るこの瞬間に一番ピークの感情を持っていけるようになっているんです。いい意味でちょっと力を抜くということをできるような余裕もできたし、今それをやっとこの「虎に翼」の現場で初めて実感しながら挑戦できています。
――これまでの役者人生の中のピークをこの朝ドラに持ってこられたというのは素晴らしいですね。ますます「のどか」を見るのが楽しみになりました。
自分がやってみたいことに挑戦する余裕とかを作ってくださってるのは本当に周りのスタッフさんやファンの皆さんのおかげです。今、新しい自分というか、新しい芝居への向き合い方とかもちょっとずつ見つけられてるのかなって思っています。
――ヘアスタイルや衣装はいかがでしたか。
私はショートカットで出演しています。岡田さん演じるお父さんである星航一が、ちょっとくせっ毛のある設定で、私もお父さんの血を引き継いでいるということで、初めてちょっとくせっ毛なヘアスタイルで演じています。見てくださる皆さんに伝わればいいなと思います。
育ちのいいお嬢様ですので、品のある感じで高校生ぐらいからの年齢から始まりますので、できるだけ若く見えるようにメイクは基本しないで眉毛だけ描いてもらっています。
――最後にメッセージをお願いします。
「のどか」としての顔をお見せできたかなとも思いますし、これから先も皆さんに喜んでいただけるような多くの作品に出演したいと思っています。日々精進しますのでこれからも応援してください!
撮影・取材・文=野木原晃一
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