花澤香菜、歌でも世界を魅了するスター声優柔らかな透明感あふれる声で人気「インサイド・ヘッド2」ではキュートな“新たな感情”を担当

花澤香菜/※ザテレビジョン撮影

花澤香菜、歌でも世界を魅了するスター声優柔らかな透明感あふれる声で人気「インサイド・ヘッド2」ではキュートな“新たな感情”を担当

8月26日(月) 7:10

花澤香菜
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ディズニー&ピクサーの最新映画「インサイド・ヘッド2」(公開中)にて、今作から新キャラクターとして登場した“新たな感情”イイナーの声を吹き替えている花澤香菜。小さな体で目をキラキラさせている天真らんまんなこのキャラクターを感情たっぷりに演じている彼女も、20年近くにわたって国境を越えて愛されている。今や声優の枠を超えてマルチタレントの地位を築いた花澤の軌跡を紹介する。

■子役から人気声優へ

花澤の魅力はやはり、唯一無二の柔らかで透明感あふれるボイスだろう。子役から芸能活動を始めると、2000年代後半に若手女性声優の一角で台頭してくる。「かんなぎ」の涼城白亜(ざんげちゃん)、「Angel Beats!」の天使(立華かなで)など、はかなげ、不思議系、おっとり…そんなキーワードでくくれる女性キャラクターの役柄を多く任される。

彼女の軌跡を追うならば、なんといっても2010年の「化物語」とその後に続く「物語シリーズ」での千石撫子(せんごく なでこ)と彼女のキャラクターソング「恋愛サーキュレーション」をおいては語れない。内気で目深にかぶった帽子がトレードマーク、キュートながら謎めいたところがある“妹キャラ”も当時の花澤の得意とするところ。そして花澤のウィスパーボイスと軽快なブラスサウンドを生かした「恋愛サーキュレーション」が作品の枠を超えてネットで爆発的にヒット、今でいう“バズる”状態に。ニコニコ動画では数多くの「踊ってみた」「歌ってみた」動画が作られた。アニソンの名曲として歌い継がれているが、花澤のボイスを再現するのは至難の業。音楽バラエティーで芸能人がカバーしようとしてもハードルは高いようだ。

ソロアーティストとしても2012年に「星空☆ディスティネーション」でデビューして以来、現在まで途切れることなく活動。やはり花澤の透明感あるボーカルが映える、ミディアムテンポで弾けるようなサウンドの楽曲を多くリリースしてきた。多くの曲でROUND TABLEの北川勝利が作曲やサウンドプロデュースを手掛けてきたが、2021年にはポルカドットスティングレイの雫とタッグを組んでデジタルシングル「SHINOBI-NAI」を歌う。雫が作詞・作曲を担い、2020年代らしい疾走感ある1曲になり、シンガーとしても新たな印象を見せた。

海外での人気が高いことも特筆すべき花澤のタレント性の一つで、とりわけ中国では出演作・歌唱曲共に愛されていて、何度も中国でもワンマンライブを開催してきた。また2021年にはアメリカ人YouTuberのリズ・ロビネットがカバーした「恋愛サーキュレーション」がTikTokでヒットし、10年を経て再ブームが起こったほど。

近年も役柄は多彩で「はたらく細胞」では元気あふれる赤血球、「五等分の花嫁」では五つ子の長女の中野一花を演じている。「五等分の花嫁」の一花はクールな声色で面倒見のよい長女で、かつて得意とした“妹系ヒロイン”とは一味違うヒロイン役になった。

花澤香菜

■声優業だけでなくマルチタレントとして幅広く活躍

そして花澤のもう一つの活躍の場がラジオ。自身も長年のヘビーリスナーでありレギュラー番組を持ち続けているが、佐久間宣行、アルコ&ピース、ハライチ、山崎怜奈…とラジオがきっかけで共演に至ったタレント・芸人は数多い。的確な芸人・番組評でMCたちをうならせてきたトーク力は、もはやラジオ界にとっても不可欠ですらある。バラエティー力はテレビでも発揮されていて、先日の「あちこちオードリー」(テレ東系)出演時に、ブレーク前は「地下アイドルみたいなことをやっていた時期があった」と自身の過去を明るく話して笑わせた。

声優・歌手・ラジオMC・トークのセンス…どれをとっても一流の花澤だが、声優を始めたばかりの頃は演技に自信が持てず、芸能界から身を引くことも考えていたという。だが当時のマネジャーから声を褒められて「やめないで」と引き止められて続けられたことを、度々思い出として語っている。

そんな花澤が日本語吹き替え版声優を務める「インサイド・ヘッド2」は、「第88回米国アカデミー賞」で長編アニメーション賞を受賞した「インサイド・ヘッド」(ディズニープラスで配信中)の続編。8月1日に日本で公開されると、公開3週目も週末動員数1位を獲得し、2024年洋画の作品で最速の興行収入30億円を超える大ヒットを記録している。

花澤が声を担当するイイナーは、小さな体で背伸びしていつも誰かをうらやんでいるキャラクター。舞台あいさつに登壇した際に、花澤は「感情自体を演じることはあまりないので難しかった」としながら、「大人になるにつれて、人に隠したくなるような感情。でも、演じてみたらなんて純粋な感情なんだろうと思った」と語っていた。映画を見たファンからは「日本人なら共感するキャラクター」「香菜ちゃんの声が良かった」などの声も上がっている。

アニメ声優に吹き替え、音楽、ラジオと媒体を問わず元気をくれる花澤の声は、国境も越えて今後も聴く人を「イイ声ダナー」と癒やしてくれそうだ。

◆文=大宮高史











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