木村昴、ドラマ初主演、声優、バラエティーで大忙しの夏そのバイタリティーの源は?

木村昴 クランクイン!写真:松林満美

木村昴、ドラマ初主演、声優、バラエティーで大忙しの夏そのバイタリティーの源は?

8月22日(木) 10:00

『ドラえもん』や『ヒプノシスマイク』などさまざまな作品で声優として唯一無二の活躍を見せる木村昴。『おはスタ』MCをはじめ近年ではバラエティー番組でもその才能を発揮する彼が、この夏『クラスメイトの女子、全員好きでした』(読売テレビ・日本テレビ系/毎週木曜23時59分)でドラマ初主演という大役に挑戦中だ。撮影も佳境を迎えるなか話を聞くと、いつもの木村昴のまま作品の世界を存分に楽しんでいる様子がたっぷり伝わるインタビューとなった。

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◆「昴くんのドラマ観てるよ」の言葉に主演を実感

本作は、作家・爪切男の同名エッセーをもとに、“真の作者を巡る”オリジナル要素を加え、新たな物語としてドラマ化。人の欠点に惹かれて、すぐ恋に落ちてしまうダメ男が、超個性的なクラスメイトの女子たちに片思いを重ねながら成長していく回想ハートフルコメディーだ。

小説家志望で、主な収入源は害虫駆除のアルバイトである枝松脛男は、ある日、偶然手に入れたノートに書かれた小説を盗作し、文学賞を受賞してしまう。一躍人気作家になってしまった枝松は、担当編集の片山美晴と共にその小説を書いた真の作者を探すため動き出す。鍵を握るのは、枝松が中学時代に恋をしたクラスメイトの女子たち。彼女たちとの思い出を回想しながら、“真の作者”の真相に迫っていく。

――アニメで“ジャイアン”役を演じる木村昴がドラマでは“スネオ”役を演じるということも話題の本作。撮影も佳境を迎えていますが(取材当時)、クランクイン前と現在で心境に変化はありますか?

木村:それが特に変わらないんですよ(笑)。撮影前は、ドラマの主演は経験がないので、果たして自分に務まるのかという不安は確かにありました。でも、そんな不安やプレッシャーを感じるほど俺は偉いのか…?と自問しまして。何を緊張してるんだ、任されたんだから全力でやるしかねえだろ!と。これはもう考えてもしょうがない!と思ってクランクインしました。

考えすぎ注意。考えても分かんないんだから、今日はこのシーンを撮りますよというスケジュールの中で自分ができるベストなことを毎日続けてきたという感覚です。ただ幸い、本当に恵まれていたなと思うのは、クランクインからめちゃくちゃ楽しかったんです。で、この楽しいというのが今日まで続いているので、今ちょっと終わるのが寂しいです。

――放送が始まって、周囲からの反響はいかがですか?

木村:いろんな方からたくさんお声をかけていただきます。これが主演か!と思ったのが、「昴くんが出てるドラマ観たよ」じゃなくて、「昴くんのドラマ観てるよ」って声をかけてくださるんですね。「昴くんの」の「の」、あれが超うれしい。「昴くんのドラマ観てるよ」って言ってくれるそのドラマを面白いものにしたいという思いが大きくなりますよね。

――ドラマ初主演にあたり、参考にした俳優さんや作品はありましたか?

木村:特にないんです。参考にできそうな俳優さんや作品もあったかとは思うんですけど、それを決めちゃうと、そこからずれたなとか、こうしようと思ってたのにできた、できなかったみたいなことで落ち込みそうだなと思ったので、あえてそういうのは考えずにいきました。

なんでこう思ったかっていうのは、一度クランクイン前に、監督やプロデューサーの皆さんと顔合わせをしまして。その時に、僕が気になっていた2点を質問したんですね。1つ目は役作りで気を付けた方がいいことや事前に準備しておいたほうがいいという宿題はありますか?と。もう1つは、やっぱり気になる、「なんで、俺なんですか?」っていうこと。そうしたら、枝松脛男という純粋なこのキャラクターを誰にやってもらおうかってなった時に木村君がいいじゃないかと盛り上がったと。役作りに関してはそのまま木村君でやってくれればって言われたんですよ。その時に、「まじっすか!ありのままでいいんですか!」と思って自信がポッと湧いたんです。だから、難しいことを考えず監督の言葉を信じて、木村のまんまっていうのとはちょっと違うんですけど、俺だったらこうするかな?ということを中心に、役を膨らませていこうと考えたんですよね。

――枝松は本当に純粋でいい人なんですよね。木村さんと共通する点は…

木村:ピュアなところ?いい人なところとかぁ。憎めなくて~、優しい?そういうところがそっくりです!(笑)。

◆バディ役・新川優愛とは「親友のように仲良くなった」



――中学時代の枝松を演じる及川桃利くんの表情豊かな演技も最高です。

木村:本当に素晴らしいですよね~。オーディションで及川くんが部屋に入ってきたときに、「あ、この子だ!」と満場一致でなったらしいです。監督から聞いたんですけど、めちゃめちゃ真面目で熱心なんですって。ドラマにがっつり出るのは今回が初めてなんだそうですが、監督にも育てたいという気持ちがおありでしょうし、それにとにかく応えてくれると。

中学時代のシーンはひと足早く撮影が終わっていまして、クランクアップで監督から花束をもらった及川君は号泣。それも、「だぁぁぁぁぁぁ」という大号泣だったらしいです。本当に一生懸命やりきったんだなって。かわいいですよね。

――作品が持つあたたかさが伝わります。

木村:そうなんです!そういうドラマなんですよね。作っている人たちがぬくもりを持って、みんなでいいもん作ろうぜ!っていう優しい気持ちで作っているドラマだから、見てくださる皆さんにもそういう“ほんわり”(=ほっこり&ふんわり)した気持ちになってもらえるんじゃないかなって思うんです。

――ちなみに、中学生パートにはたくさんの個性的なクラスメイトが登場しますが、木村さんだったらどのクラスメイトと恋に落ちそうですか?

木村:えぇぇぇ!これは難しい!! みんないいんですよね~。みんな好きだけど…、単純といいますか、(第1話に登場した)“ベルマークKISS”の茜かな。「これできたらキスしてあげる」なんて言われたら、全力でやるんだろうな~。ああいうちょっと大人びた女の子、いいですよね~(笑)。

――枝松の担当編集者・片山を演じられる新川優愛さんの印象はいかがでしょう。

木村:めちゃくちゃサバサバしてるんですよ。親友なんじゃないかっていうくらいむちゃくちゃ仲良くなりました。木村は基本的に女の子の友達ってできないだろうなって思ってたタイプなんです。絶対やらしいこと考えちゃうから!(笑)でも、新川さんは割とはっきり物を言うタイプで思っていることも分かりやすいですし、ストレスがまったくない。親近感があって、気を遣わずに済むし、コミュニケーションをすごく取りやすいです。

現場ではナチュラルに自然体でいることが枝松につながっていくだろうなと思ってトライしているんです。おそらく、新川さんも同じようにされているんじゃないかなと感じます。楽屋でしゃべっている新川さんの感じなんですよ、片山が。僕が楽屋で見てしゃべっている新川さんの感じが片山にもつながっているんですよね。僕も新川さんも、割と自然体でやっているところがキャラクターの魅力につながっていってくれるといいなという思いで演じているんじゃないですかね。

――枝松の隣人でバイト仲間の金子を演じる前原滉さんを含め、同級生のような仲の良さで作品を作っていることが作品からも伝わってきます。クラスメイトもまだ他にもいるでしょうし、シーズン2もひそかに期待しているのですが…。

木村:現場でも新川さんや前原君と「撮影が楽しすぎる!」「終わるのが寂しすぎる!」と、そんな話で盛り上がるのですが、そうなると俺もう1回盗作しなくちゃいけなくなる(笑)。

「シーズン2の前にTHE MOVIEか?」なんて話も出まして。劇場版で超ラスボス級のクラスメイトが登場して、そいつと戦うでいいんじゃないか?なんて盛り上がっていますね。ファンの皆さんが盛り上がってくれたら、何かチャンスがあるかもしれない(笑)。アニメ化とか、漫画化とか。

――アニメ化されて、枝松の声が木村さんじゃなかったら…。

木村:それはそれで逆に光栄(笑)。大塚明夫さんとかにやってもらって、激シブな枝松脛男とかリクエストしてみましょうか(笑)。

◆ドラマ、アニメ、バラエティーと大忙しそのバイタリティーの源は?



――本作の主演はもちろん、レギュラーのアニメ作品やバラエティー番組、さらにはヒルナンデス!バンドとこの夏は大忙しだったのではないでしょうか。

木村:こればっかりはかっこつけずに言わせていただくと、めちゃくちゃ忙しかったですね。でも、やりがいがありますし、楽しいことをやっていると、くたびれないんだなというのは思いました。体はもちろん疲れたなというのはありますけど、精神的な部分で疲れはまったく感じてないですね。

――木村さんのそのバイタリティーの源は何でしょうか?

木村:いいか悪いかは置いといて、僕は今日のここまで、お仕事って思ってやったことがほぼなくって。なめるな!って言われればそれまでなんですけど、僕は今やっている芸事をお仕事ってまったく思ってないんですよね。楽しいことをやっているし、好きだからやっているっていうのがあるんですよ。

ただこれっていい面も悪い面もあって。いい面は楽しいから続けられるし、お仕事って思わないから、わりかし自分の生活の一部になっていて無理や嘘なく頑張れているんです。本当は嫌だけどやってるというのがない。悪い点としては、これはマジでどうにかしなきゃなって思ってるんですけど、楽しいだけでやっているから、何かあったら普通に機嫌が悪くなったりするんです。

例えがめっちゃ悪いんですけど、友達に遊ぼうぜって誘われてそいつん家行ってる感覚なんです。「今度さ、ドラマやるんだけどちょっと出てくんない?」「いいよ!お前ん家行くわ!」みたいな。なので、何かでムカついた時に「ダメ!これはお仕事お仕事!」っていう方法を知らないから、普通にイラってしちゃうんです。なんとかしないとダメなんですよね。

――なんだかとっても意外です。

木村:でも、そういう時はちゃんと秘策があって。…お菓子食べたら一瞬で機嫌直るんです。結果、僕のバイタリティー、ここまでやってこられたすべての源はお菓子です!…言葉にすると頭おかしい奴ですけど、これがマジなんで(笑)。

――お菓子に感謝ですね(笑)。では改めまして(笑)、真の作者はもちろん、枝松と片山の関係も気になる本作の最終回までの見どころを教えてください。

木村:真の作者は誰なのか?は、皆さん最大のモヤモヤだと思うので引き続きご注目ください。個人的な注目ポイントとしては、やっぱり、片山と枝松のバディ関係ですよね。僕はもう視聴者の目線に返って観ていると、「もうお前ら付き合えよ!」と思うことがあるんです。でも、やっぱり枝松には同級生っていう存在もいるわけですよ。真の作者は見つかるのか、枝松は真の作者や片山とどうなるのか、いろんなところにご注目いただけたらうれしいです。

あとは最終話に、枝松と片山のめっちゃいいシーンがあるんですよ~。めっちゃ片山っぽくて、めっちゃ枝松っぽいシーンで最高なんです!そこはぜひご覧いただきたいです!!

(取材・文:渡那拳写真:松林満美)

ドラマ『クラスメイトの女子、全員好きでした』は、読売テレビ・日本テレビ系にて毎週木曜23時59分放送。

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