元プロ野球選手・清原和博氏が明かす甲子園での“大きな挫折”「どうやってバットに当てるんだろう?」<NumberTV>

「NumberTV」第2回は、元プロ野球選手・清原和博氏が登場/(C)Takuya Sugiyama/Sports Graphic Number

元プロ野球選手・清原和博氏が明かす甲子園での“大きな挫折”「どうやってバットに当てるんだろう?」<NumberTV>

8月12日(月) 8:00

「NumberTV」第2回は、元プロ野球選手・清原和博氏が登場
【動画】順風満帆に見えた高校時代の清原和博氏が心が折れた瞬間を初告白

福士蒼汰がナビゲーターを務め、トップアスリートたちの輝かしい「現在」とそれに至るまでの「挫折」をアスリート本人が語るリアルドキュメンタリー番組「NumberTV」(全24回)。8月8日に配信された第2回は、元プロ野球選手の清原和博氏が登場した。プロ野球歴代5位(2024年8月現在)の通算525本塁打やルーキー時代から13年連続20本塁打以上の記録を達成するなど、野球界屈指のスラッガーとして活躍してきた彼が、野球人生で初めてであり、“最大の挫折”として心に残り続けている出来事を語った。(以下、ネタバレを含みます)

■1年時から強豪PL学園の4番を担う怪物ルーキー

同番組は数々のアスリートのドラマを伝えてきたスポーツ総合雑誌「Sports Graphic Number」とLeminoの共同プロジェクトによって誕生した、トップアスリートの人生にフォーカスを当てるオリジナルドキュメンタリー。苦難を乗り越えてきたプロアスリート本人が、個々の競技人生を変えた「最大の挫折」と「復活」の物語を自らの言葉で語るリアルドキュメントとなっている。

第2回に登場したのは、高校野球の名門校として全国に名を轟かせた大阪・PL学園出身であり、高卒ルーキーとして1985年に西武ライオンズにドラフト1位指名で入団、その後は読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズの計3球団でプレーした清原氏。23年間にわたるプロ野球人生で多くの記録を残した彼だが、甲子園制覇を目指していたPL学園時代に「初めて打席で怖くなった」と明かす“大きな壁”について、彼を知る周囲の人物たちの取材を交えて振り返った。

「寮に入部後、2、3週間は教育実習的なことを学んで、寮生活にまつわるものを教えられました。(入学希望前は)入ってからの厳しさを予想だにしてなかったですね」と過酷な寮生活と練習生活を振り返り「突然、『清原! ユニーホーム来てこい!』と言われて。多分、1年生の中では僕が初めてだったんじゃないかな」と、今も忘れていない初めてPL学園のユニホームに腕を通した瞬間を語る。

当時、清原氏の1期上の先輩だった清水孝悦氏が「1年生の夏の甲子園から実力が認められて、大きいもの(長打)を打つために生まれてきたような選手だった」と、彼の印象を話すように清原氏は1年生からPL学園の4番を勝ち取り、1塁手のレギュラーとして出場する選手としてその実力を示す存在へ。「複雑ですよね。寮の大広間で(スタメンが)発表されるんですけど、自分が入ることでこれまでファーストのレギュラー選手だった先輩が外れるわけですから。うれしさは半分もなかったかな…」と、その時に味わった複雑な心境を吐露した。

高校1年生の頃、初出場した夏の甲子園を経験した後、彼を取り巻く周囲の環境も変化していったという。「突然、全国的に名前が売れて、気持ち的にはちょっと受け身になってしまっていたんじゃないかなと思います」と振り返る。

高校2年生の春・夏の甲子園は、ともに準優勝だったPL学園。各県予選を勝ち抜き、強豪校たちと戦い続ける甲子園で準優勝をしたこと自体、多くの人が経験できることではないのだが、当時の彼は「負けるということは4番の責任ですから。自分が打てないと負けてしまうと2年生の頃から言われてきた。相手校のエースを絶対に打ち砕く」と、徐々に「4番」としての自覚が芽生え始めていった。

■「全くノーマークのエースでしたね。どこの高校や?って」

一方、当時のPL学園といえば清原氏を筆頭に元プロ野球選手の桑田真澄氏など、“超高校級”ぞろいの精鋭チームとして高校野球界でも一目を置かれるような存在だった。

ところが迎えた高校3年生の頃の春の甲子園の準決勝で“野球人生で一番の挫折”を経験することになる。「全くノーマークのエースピッチャーでしたね。準々決勝を勝った帰りに次の対戦相手が伊野商業高校だと知って、どこの高校や?って。チームも浮足立っていたと思います」と、そう語る彼の対戦相手は当時初出場の高知にある公立高校だった。

だが、伊野商業高校のエースで元プロ野球選手の渡辺智男氏は、3打席目の四球を除き、残りの打席全てを三振で清原氏を封じ込めた。「自分より前の3打者は(球速が)速くなかったんですよ。僕のときに突然ロケットがくるような速さできて、初めて打席が怖くなりました。これをどうやってバットに当てるんだろうって」と、初めて打席で恐怖を覚えたという。

その後、PL学園は準決勝で敗退した。負けたその夜から室内練習場へ向かい、清原氏と当時主将を務めていた松山秀明氏は最後の夏に向けて意を決して、打撃の練習を始めたという。

チームメートと毎日血のにじむような練習を積み重ね、いよいよ迎えた最後の夏の甲子園でPL学園は宇部商業を見事に破り、甲子園で優勝を果たした。挫折を乗り越え、頼りになる真の4番へと進化を遂げた清原氏は「挫折を通じて学んだことは自分自身をもっともっと深く掘り下げられた。挫折は自分を成長させてくれる原動力」と、少し考えた後にゆっくりと思いを語った。

そんな彼の姿を見た視聴者からは「永遠の4番バッターです」「これからも応援しています!」といった声がSNS上に寄せられている。

「NumberTV」はLeminoで独占配信中。8月17日(土)に配信される第3回は、体操界のレジェンド・内村航平氏が登場予定。

◆文=susuki




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