第四子となる女の子を出産した紺野あさ美さん。今年の春に建てた新居は、自身のYouTubeチャンネルでルームツアーも公開し、大きな話題に。紺野さんにこだわりのポイントを聞きました。
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打ち合わせは100回以上!
新居のリビングから見たキッチン。高い天井が気持ちいい!(提供写真)
ーー3年前に着手した新しい家づくり。建築会社はどうやって決めましたか?
紺野あさ美さん(以下、紺野)不動産ポータルサイトで情報を見たり、何回か住宅展示場にも行きました。あるとき夫がSNSで「この家がかっこいいよ」と見つけた建築会社さんに話を聞きに行ったら、担当になってくれたご夫婦の人柄が本当にあたたかくて優しい方たちだったんです。この方たちとならいい家が作れるんじゃないかな、と。その会社が実際に建てた家も見に行って、お世話になることに決めました。
ーー建築会社との打ち合わせの期間や回数はどのくらいかかりましたか?
紺野土地が決まったころから打ち合わせを始め、全部で100回以上したんじゃないかな。一般的な建築会社はこんなに多く打ち合わせをしないらしいです。全国展開しているハウスメーカーではなく地域密着型のところだったので、納得がいくまで話し合ったり、希望を伝えさせてもらいました。
大変だったけど、そのぶん私たちの希望を真剣に考えて反映してもらうことができたと思います。夫が遠征でいないときは、私一人で打ち合わせに参加することも多かったです。打ち合わせのあとに夫に内容を報告して、建築会社側が残してくれた議事録を共有しました。
着工してからは、建築会社と現場監督と私たち夫婦のグループLINEが組まれて、みんなで情報共有しながら進めました。
ーーひとつのプロジェクトとして進んでいくんですね。
紺野そうですね。実際に家づくりをしてみて、普段の生活では気づかないような細かい部品まで決めてやっと家ができるんだと知り、大工さんや建築会社さんの大変さを身にしみて感じました。たとえば、窓ひとつ決めるにも、サイズ、熱さ、断熱具合、サッシの色、窓の下の土台の色や厚みなど、決めることがたくさんあります。
あとは、壁と床の接地面に、クロスがはがれないように押さえる“巾木(はばき)”がどの家にもついてると思うんですけど、私たちは「巾木がないほうが見た目がすっきりするね」と話し合って、1階は入巾木(いりはばき)を採用しました。2階は通常の巾木なんですが、その色もサイズもたくさん種類があるんです。そういう細かいことも、私たちの希望を反映しながら、一緒に進めてくれました。
「家事のしやすさ」を最優先に組んだ間取り
ーー間取りでこだわったポイントは?
紺野間取りもめちゃくちゃ考えました。私は家事のしやすさを最優先にした間取りが希望でした。とにかく負担が少ない家事動線になるように、玄関からキッチン・冷蔵庫までの距離が近いほうがいいと考えていました。でも夫は、家に入ったらすぐリビングがあって、その奥にキッチンがあるほうがいい、と。たしかに、そういう間取りですてきな家もたくさんあるけれど、子どもが4人いると将来的に買い物の量も増えるだろうし、そこは妻のこだわりを優先させてもらいました。
玄関とキッチンの近さのほかに、1階ですべての家事がすむような間取りにもこだわりました。マンションで育った私は、一軒家の階段の上り下りがおっくうに感じていたんですよね。たとえば洗濯をした子どもの衣類を、2階の部屋までわざわざ運ぶことは避けたかったんです。だから洗濯をしたらすぐにしまえる動線になるように、ランドリーの近くにファミリークローゼットを配置することに。
土地の広さに限界があるので、1階と2階にどんな部屋を配置するかはけっこう話し合いました。
ランドリーから一直線の大容量ファミリークローゼット(提供写真)
ーー間取りを考えるとき、特に迷ったところはどこでしたか?
紺野一番迷ったのはリビングの広さです。夫はリビングを広く取ってゆったりしたいと要望していました。だけどリビングの広さを優先すると、1階にあるランドリーの脱衣所がせまくなってしまうんじゃないか、という懸念がありました。どこかの部屋を広げると、ほかの場所がせまくなったり、いびつになったりしてしまうことがあるんですよね。
夫はきっと広々としたリビングに憧れがあったと思うし、その気持ちもすごくわかります。でも私としては、生活するスペースが便利になったほうがいいから、リビングを広くするよりランドリーの収納をちょっと増やしたいな、と考えていました。2人でたくさん話し合って考え直してみたら、広々したリビングは過ごしやすいだろうけど、実際にそこまでの広さが必要なのかな、と気づきました。大事なのは「広く感じる」ことなんじゃないかなって。それで、リビングの壁に鏡を設置することに。視覚的にも奥行きがあるように見えて、実際より広く見えるようになりました。
吹き抜けの開放感もあり、とても広く見えます(提供写真)
床材選びで夫と意見が割れて……
ーー打ち合わせの段階で大変だったのはどんなことですか?
紺野そうですね、幸せな悩みですけど、決めることが多かったことが大変でした。夫が遠征で不在の日が多いので、私が建築会社さんと打ち合わせしたことをさらに夫に説明しなきゃいけないことも、回数が重なるとけっこう大変でした。普段の仕事や家事育児と並行してだったので、ちょっとパンクしそうになったことも。とはいえ、家族がずっと暮らす家だから適当には決めたくなかったので、仕方ないですよね。
ーー紺野さん1人でお子さんを連れてショールームに行くことも?
紺野そうなんです、それが本当に大変でした……。ショールーム見学は見るのはとっても楽しいんですけど、子どもたちを連れて行くと終始「さわらないでね」「こわさないでね」と言わないといけなくて。
ーー夫婦で意見が合わないこともありましたか?
紺野いっぱいありました。とくに床材についてはいちばん意見が割れました。夫は、床材には木のぬくもりや質感、見た目を重視して挽板(ひきいた)フローリングを希望していました。挽板は、薄く挽いた木材を合板基材などに張り合わせたもの。表面が天然木なので、無垢材に近い風合いやぬくもりのある質感です。
だけど、表面が天然木だと手入れが大変と聞いたことがあって……子どもも多いし、お茶をこぼしたり、食べこぼしたりするから、私は手入れがラクなビニール製のフローリングがいい、挽板にする必要はない、と思っていました。
床材選びを次男くんもお手伝い(提供写真)
ーーどんなふうに夫婦の意見をすり合わせたんですか?
紺野実際にショールームに行って裸足で挽板フローリングを踏んでみたら、ビニール製とは足触りがぜんぜん違うとわかったんです。温かさや心地よさがこんなにも違うんだ! と驚きました。そこで、家族がくつろぐリビングスペースは挽板を採用することに。食べこぼしでベタベタになるキッチンとダイニングはフロアタイル(ポリ塩化ビニル素材でできたタイル状の床材)を採用しました。
夫婦の意見が合わなくても、こんなふうに実際に触ってみて考えが変わったところもあります。どっちかが我慢したままにならないように納得するまで考えたので、最終的にはお互いに不満なく、ちょうどいいバランスですり合わせられたと思います。
紺野あさ美さん
1987年5月7日生まれ、北海道出身。B型。2001年にモーニング娘。5期メンバーとして芸能界デビュー。モーニング娘。を卒業後の2011年にアナウンサーとしてテレビ東京に入社。2017年1月、プロ野球・杉浦稔大選手と結婚し、同年5月に同局を退社。6歳、5歳、2歳のお子さんたちを子育て中で、今夏に第四子を出産予定。現在はタレント活動やYouTubeでも精力的に活動中。
(写真提供:紺野あさ美さん取材・文:早川奈緒子)
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