累計発行部数700万部を超える人気漫画を実写映画化した『ブルーピリオド』の初日舞台挨拶が8月9日に丸の内ピカデリーで開催され、眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、萩原健太郎監督が登壇。眞栄田演じる主人公・八虎の母親役を務めた石田ひかりと父親役のやす(ずん)が駆けつけ、眞栄田を驚かせた。
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2017年に「月刊アフタヌーン」で連載が開始され、「マンガ大賞2020」を受賞するなど国内外で絶賛された山口つばさの人気コミックを実写映画化する本作。そつなく器用に生きてきた高校生の八虎が1枚の絵をきっかけに美術の世界に本気で挑み、国内最難関の美術大学を目指して奮闘していく姿を描く。会場後方から客席の間を通って登壇者が姿をあらわすと、会場からは大歓声が沸き起こった。主人公の八虎の成長と奮闘を演じ切った眞栄田は、上映後の会場を見渡して「公開できてうれしいです。たくさんの方に来ていただいて本当にうれしいです」と感無量の面持ち。萩原監督は「この日を(撮影から)1年間ずっと想像していたので、みんなと一緒にこの舞台に立つことができてうれしいです」とこれまでの道のりを振り返り、目尻を下げていた。
ついに初日を迎えて緊張しっぱなしの様子を見せていた眞栄田。「昨日は全然寝られなくて。今日は寝坊しました」と苦笑いで告白し、「なんだかドキドキしちゃって。ベッドに入っていたんですが、全然寝られなくて。5時くらいに寝たんですが、もう(外が)明るかった」とソワソワしてしまったという。高橋、板垣、桜田が「爆睡しました」と話して会場の笑いを誘いつつ、萩原監督は「僕も寝られなくて。朝4時くらいに起きちゃって、そこからずっと起きています」と眞栄田と緊張感を分け合っていた。
本作において心に刺さるシーンが多かったという眞栄田は、「お母さん、お父さんとの家族のシーンも刺さる。受験に向かう高校生と親御さんの気持ちが観ていて、すごく刺さる」としみじみ。さらに「それぞれの役が、それぞれじゃないとできなかった」と高橋、板垣、桜田が見事にキャラクターの情熱を体現していたと惚れ惚れとし、「八虎としても、役者としても、皆さんにすごく引っ張ってもらったし、影響された。本当にこのメンバーでよかった」と刺激的な時間を過ごしたという。高橋も「安心できる人たち。一緒に頑張ってこられて、公開初日を迎えられてうれしい」、板垣も「4人でプロモーションをさせてもらって楽しかった」と笑顔をこぼしていた。
またこの日は、サプライズが用意されていた。実は眞栄田は客席に座っている父親役のやすの姿をすでに見つけてしまっていた様子で、「サプライズがあります!」と司会から伝えられても思わずニヤニヤ。しかし登場したのは母親役の石田で、眞栄田は「ええー!」と驚愕しきり。石田から花束を受け取ると「泣きそうでした」と切りだし、「お母さんとお父さんとのシーンが、自分にとってすごく大きなシーンだった。すごくうれしいです。ありがとうございます」と感謝を述べた。
一方の石田は「郷敦くん(演じる八虎)が、『僕は絵が好きなんだ』というシーンをいまでも思い出します。あの時の郷敦くんのまっすぐな目、必死に訴えかけてきたお芝居がすばらしかった。『この顔を見られているのは、世界で私だけなんだな』と思いながら、親子の心のやり取りをしていました」と熱のこもった撮影を回想。眞栄田は「ぶつかるシーンもあったけれど、八虎はお母さんが大事で。自分のお母さんと重なる部分があった。自然と気持ちが出てきた。(クライマックスでの)お母さんの声は、今でも思い出すと泣きそうになるくらい。すごくステキな両親だった」と伝え、石田も「皆さんと同じくらいの娘が2人いる。彼女たちが受験生だった時には、こんな気持ちで立ち向かっていたんだなと。受験生側の気持ちを教えてもらった」と自身と重ねながら、映画の内容に胸を熱くしていた。
客席に座ったままだった、やす。「もしかしたらこっそりお父さんも観に来ているかも」という司会の言葉を受けて、満を持して「ちょっと、ちょっとー!郷敦くん!お父さんが出てくると思ったでしょう。なんとお母さんが出てくるというサプライズ!バッチリでしたね」と笑顔を弾けさせながらステージに到着。眞栄田は「僕の調子がこんなに狂っているのは、そこにやすさんが座っていたからですよ!全部言うことが飛んでしまった」と苦笑いを見せ、「バレてた!」と楽しそうにしたやすは「息子がお世話になっています!」と呼びかけて会場を盛りあげていた。
取材・文/成田おり枝
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