8月4日(日) 6:00
「いままで生きてた中で、いちばん幸せです」
‘92年のバルセロナ五輪の女子200m平泳ぎで、金メダルを獲得した岩崎恭子(46)。レース直後のインタビューで放ったこの発言は、当時中学2年生の14歳という競泳史上最年少記録の快挙も相まって大きな話題を集めた。
「‘21年に東京五輪で当時13歳のスケートボード女子の西矢椛選手が記録を更新するまで、約30年間も岩崎さんが日本史上最年少金メダリストでした。また競泳女子200m平泳ぎでの金メダルは、日本人としては56年ぶり史上2人目の受賞。岩崎さんの金メダルは、快挙づくめと言ってもいいものでした」(スポーツ紙記者)
14歳という若さで競泳界の頂点に立った岩崎。しかし、「いちばん幸せです」発言の後に彼女を待っていたのは、世間からの厳しい視線だった。
「今年7月の『文春オンライン』の取材に答えた岩崎さんは、五輪後の急な注目が原因となって解離性健忘という記憶障害になってしまったと明かしています。バルセロナ五輪直後から高校一年生ぐらいまでの記憶がほとんどないそうです。
解離性健忘は心的外傷やストレスによって引き起こされます。見知らぬ人に『14年間しか生きていないのに、人生の何がわかる』と言われたり、自宅に剃刀の刃が送られたりしたこともあったとか。現在ならSNSで行われるような誹謗・中傷がそのまま本人に襲い掛かってしまった。岩崎さんの記憶障害は、そうしたストレスが招いた結果だったのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
‘96年のアトランタ五輪では同種目で10位に終わり、モチベーションの低下から’98年に20歳の若さで現役を引退。その後は爽やかなイメージを売りにテレビなどの競泳コメンテーターとして活躍。私生活でも、’09年に元ラグビー日本代表の斎藤祐也と結婚し、’11年には第一子を授かった。再び幸せの絶頂に立ったかと思われたのだが…
「’18年に、岩崎さんが既婚者である50代一般男性とデートをしている様子が、写真週刊誌によって報じられました。その際、岩崎さんが変装のために金髪のカツラとサングラスを着用していたことが話題に。当時彼女は夫の斎藤氏と別居中でしたが、まだ籍が入ったままであったことから、“W不倫”と騒がれることになりました。
のちに自身のブログで『大変軽率で恥ずべき行動』と不倫を認めて謝罪しましたが、結局斎藤氏とは離婚し、不倫報道をきっかけに一般男性とも破局してしまったそうです。その後はテレビのコメンテーターの仕事はかなり減少し、今回のパリ五輪でも目立ったメディア出演は見られません」(前出・スポーツ紙記者)
再び奈落の底に落とされてしまった岩崎。そんな彼女が現在取り組んでいるのは、“五輪の最年少ヒロイン”らしからぬ地道なものでーー
「水泳界の先輩である小谷実可子さんの活動に影響され、岩崎さんの故郷である静岡県沼津市でビーチクリーン活動を行っています。‘22年の3月から参加者を募って月1回ほどのペースで千本浜海岸の清掃にあたっているそうです。
朝8:30から9:00までの30分間、地元の人たちと協力して主にプラスチックごみの回収に努めています。岩崎さんのインスタグラムでは、清掃後に参加者と撮影した集合写真なども投稿されています」(競泳関係者)
記憶障害や不倫報道などさまざまな苦境を経たいま、かつての“ヒロイン”は環境保護について真剣に考えるようになったようだ。
「岩崎さんはこのビーチクリーン活動のほかに、着衣泳を広める活動も行っています。これは水難事故に遭った際に助かるための対処法を教えるものだそう。‘23年には日本スポーツSDGs協会と協力し、『着衣泳を広めるプロジェクト』を発足させています。
このプロジェクトのリーダーとして、今年の2月にはインドネシアのジャカルタでビーチクリーン活動と着衣泳教室を実施しています。インドネシア国内の小学生~高校生、ジャカルタ日本人学校の生徒、インドネシアのオリンピック選手など、多くの人たちが参加したそう。これまで岩崎さんには多くの紆余曲折がありましたが、これからも地球環境や教育の領域で水泳を通した活動を継続していくようです」(前出・競泳関係者)
堅実な活動を通して再び「いちばん幸せです」といえる日は来るだろうか。