【写真】能力者の証である“額の赤い石”がなかった頃の丸神教授(三上博史)…渋くてかっこいい!
細田佳央太が主演を務めるドラマ「七夕の国」の第9話が8月1日に配信され、これまで回想シーンでは登場していた三上博史演じる丸神教授がついに一同の前に姿を現した。その姿は、大学で助手だった江見(木竜麻生)が気を失うほどインパクト絶大なものに変貌していた。(以下、ネタバレを含みます)
■不気味な超常ミステリーの物語が終盤へ
同作は、「寄生獣」で知られる漫画家・岩明均による同名コミックを実写化。物に触れずに小さな穴を開けるという役に立たない“超能力”が、実はある地域の一族に伝わるものでその能力を開花させた大学生・南丸洋二(通称:ナン丸)を主人公に、不気味な超常ミステリーの物語が繰り広げられる。
主人公・ナン丸を細田が演じるほか、ナン丸が訪れる里で暮らす東丸幸子を藤野涼子、幸子が恐れる兄・東丸高志を上杉柊平、ナン丸と共に謎を追う大学の助教授・江見早百合を木竜、ナン丸が通う大学の教授で失踪してしまう丸神正美を三上、多くの謎を持つ丸神頼之を山田孝之が扮(ふん)する。
■丸神教授の風貌の変化に驚き!
第8話で描かれた頼之を狙った武装集団による銃撃戦で幸子の兄・高志と大叔父の命が奪われ、丸神の里(丸川町)は一気に不穏な空気に包まれた。第9話では対立する住民と警察&武装集団の前に、ナン丸が歩み出た。頼之の目的が分からないから混乱しているのであって、ケンカ腰にならずに、まずは頼之にただ会ってその理由を問いただそうというのだ。
「能力というのはあくまでも手段に役立てるための道具なのであって、目的そのものじゃない。こんなもんに、人間様がいちいち振り回されてちゃいかんのです」
頼之やナン丸のように黒い球体を生む能力が使える「手がとどく者」の一方で、幸子ら悪夢のようなものを見る「窓をひらく者」もいる里の人々は、“見えない何か”に振り回されてきたのだ。
かつて神官だった頼之を裏切ることになるのかと戸惑う人々に、ナン丸が「裏切るとか裏切らないとかじゃなくて」とうまく説明できないでいると、「自分の首に絡んでる、見えない鎖のことだよ」と言いながら丸神教授が現れた。
ナン丸とはここでようやく初対面となった丸神教授だが、その風貌はこれまでの回想とは異なっていた。頼之の姿まではいかないが、能力者の証である額には赤い石のようなものがついていて、そして耳は尖り、丸神教授を尊敬する江見は驚いて気を失ってしまった。
■里に伝わる七夕祭りと旗の謎が明らかに
丸神教授は、里を代表する当代として、頼之を始末すればそれで終わりという警察&武装集団に頼之のことは協力するので信じてほしいと頼む。ただ、「説得で済めば…」に続いて、「また私たちは捨てられようとしている」とのつぶやきが気になるところだ。
「丸神頼之の狙いは丸神山だ」ときっぱり言った丸神教授。物語はその謎解明に向かって進んでいくことに。ラストは丸神教授がナン丸や江見、ゼミ生の多賀谷(濱田龍臣)らにゼミで研究してきたことの「中まとめ」をする形で、丸神の里に伝わる七夕祭りとカササギが描かれた旗について解説するシーンとなった。
平安時代に始まったという祭りは、7月7日に由来するものではなく夏至を挟んだ7日間の祭りで、旗に描かれた絵は七夕の伝説に登場するカササギではなく似た形だったもの。カササギに似た形というのは、頼之の手の形と同じで、つまり能力者の手を意味するものと思われた。また、祭りは丸神山で行われるのだが、祭り開催の7日間は一度沈んだ夕日がえぐれた場所からもう一度見ることができることから、“7回の夕日”=七夕の祭りと名付けられたと考えられた。
■クライマックスに向け、細田佳央太&三上博史vs山田孝之の演技に期待
丸神教授の登場により、物語は大きく動いた。丸神教授を演じる三上といえば、「君の瞳をタイホする!」(1988年、フジテレビ系)をはじめトレンディードラマで活躍してきたが、連続ドラマへの出演は実に5年ぶり。
緊迫感ある場面だった頼之を狙う武装集団に向かっての冷静な口調、里の人々にも信頼されていると思われる落ち着いたトーンが見事だった。能力者であり、里をどうにか導こうとする者として、その場をグッと引き締めるような存在感を醸しだしている。劇作家・寺山修司に見いだされた才能で、いまなお見る者を魅了する。
7月に行われた特別試写イベントに登壇した際、「現実とかけ離れたような、こういう作品が好きなんです」と語っていた三上。好きなジャンルの作品で、キーマンとしてクライマックスもいかんなくその表現力を発揮してくれると期待したい。最終回は頼もしくなったナン丸を演じる細田と共に、対峙(たいじ)しなければならない頼之役の山田との演技バトルでも物語を盛り上げてくれるに違いない。
「七夕の国」(全10話)は、ディズニープラスのスターで毎週木曜に最新話を独占配信中。次回8月8日(木)の配信で最終回を迎える。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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