【写真】新キャラ・モミジとの対峙で、改めて強さが示されたベニマル(他、「転スラ」64話場面カット)
サラリーマン・三上悟がスライムのリムル=テンペスト(CV:岡咲美保)として異世界に転生、さまざまな種族が共に暮らせる理想の国作りに奮闘する「転生したらスライムだった件」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系ほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)。2021年以来となるTVアニメシリーズ第3期では、「魔王達の宴(ワルプルギス)」を経て正式に魔王となったリムルの元へ、魔物を敵視する神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタ(CV:沼倉愛美)が訪れる「聖魔対立編」が描かれ、2クール目からは開国祭に向けての「魔都開国編」が描かれている。第64話(第3期16話目)「ベニマルの受難」は、テングの里へ訪れたベニマル(CV:古川慎)たちの様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
■長鼻族のモミジの登場、改めてわかるベニマルの強さ
約一か月前。リムルはサリオンに抜ける街道工事の許可を得るため、クシャ山脈にあるテングの里へ、ベニマルやアルビス(CV:加隈亜衣)らを派遣していた。結界を抜け、異空間にある里へと招待されたベニマルたちは、そこで長鼻族(テング)の長老の娘であるモミジ(CV:佳原萌枝)と目通りする。モミジは、クシャ山脈の通行許可は問題ないが、山に孔を開けるトンネル工事については難色を示し、アルビスを挑発したことをきっかけに戦闘行為へと発展。モミジの攻撃がアルビスに届くその瞬間、両者に介入して場を制したベニマルは、止めに入らなければアルビスが死んでいたと告げる。その直後、「このバカ娘が!!」という怒声とともに、モミジの母・カエデ(CV:甲斐田裕子)が姿を見せるのだった。
序盤、いきなりモミジとカエデというふたりの新キャラクターがお披露目。ベニマルの見立てによると、モミジの実力はカリオンに匹敵するかそれ以上で、これはつまり覚醒前の魔王級ということ。両手に持った扇子を武器にして、舞うように戦う独特なスタイルも印象的で、さらにアルビスのエクストラスキル「天蛇眼(ヘビノメ)」による状態異常付与も効かないなど、かなりの手練れなのは間違いない。一方でまた、それほどの力をもつモミジの攻撃を一瞬でさばき、無効化したベニマルの底も計り知れない。最近のベニマルは戦うこと自体がほとんどなくなり、実力の一端がかいま見えたのは第2期でのカリュブディス戦くらい。あの時も、剣で両断し「黒炎獄(ヘルフレア)」で一撃だったため、実力の全貌は未だに謎に包まれている。第3期ではシオン(CV:M・A・O)の活躍が目覚ましいが、改めてベニマルの強さを示したシーンとなった。
■魔王級の15歳少女、ベニマルに求婚!
300年と少し前、カエデは剣の腕を磨くため、「朧流」の始祖である荒木白夜の元で修行していた。そこには師匠の孫で兄弟子にあたる男がおり、その剣の才能に惚れ込んでいたカエデだったが、その男こそ、現在のハクロウ(CV:大塚芳忠)であることが判明する。カエデの突然の告白に動揺するベニマルだったが、事態はそれで収まらない。カエデは、テンペスト側の条件をすべてのむ代わりに、娘のモミジをベニマルの妻にすることを要求。いきなりの話に思わずお茶を吹き出してしまうベニマル。しかしモミジは、最初こそ慌てふためくものの、やがて「惚れた男を振り向かせてこそいい女」と、俄然やる気を出すのだった。
突然の結婚話に慌てるベニマルと、乗り気なモミジ、複雑な表情を浮かべるアルビスと、三者三様のリアクションが見どころ。さらに注目は、ベニマルたちが帰路についたあと、縁側でお茶を飲みながら、ハクロウに想いを馳せるカエデのシーンだ。ハクロウはすでに死んでいると思っていたカエデだけに、彼がまだ生きていることへの喜び、そしてそんなハクロウが育てた男(ベニマル)に愛娘を預けることのできる嬉しさなど、落ち着いた口調のなかにも懐かしさと喜びが感じられる名芝居。オレンジ色に染まった美しい夕景色、舞い散る桜の花びら、遠くを見やるカエデと、エモすぎるシチュエーションもあいまって、なんとも心が洗われるシーンとなっている。これにはSNSでも「本当に良い画」「ふたりはもう会えないのかな(涙)」などの声が寄せられていた。
■謁見式中に恋バナで大盛り上がり!さらに正妻戦争が勃発!?
時は現在。「謁見式」最終日、リムルの前には、長老の代理としてモミジが参じていた。最初こそリムルに対して過剰とも思える警戒心を見せていたモミジだったが、テンペストに領土的野心がないことが明らかになると態度は一変、会談は平和のうちに終了する。するとそこへ、ファルムス王国から帰還したばかりのハクロウがやってきて、モミジと対面する。じつはモミジは、ハクロウとカエデのあいだにできた娘であり、つまりふたりは父娘の関係だった。ハクロウはモミジに、修行を経てベニマルの心を射止めるように焚きつけると、ベニマルにも「ワシの娘が気に食わんとでも?」とプレッシャーをかける。狼狽えるベニマルだったが、さらに「正妻の座を射止めるつもり」というアルビスからの伝言がトドメとなり、口から魂が抜けていくのだった。こうして、ベニマルの正妻の座をかけたモミジとアルビスによるバトルの実現が濃厚となる。さらにはその熱気に当てられたシュナ(CV:千本木彩花)とシオンもまた、リムルをかけたバトルに心を燃やすのだった。
ベニマルとモミジの結婚話をきっかけにして、話題はすっかり恋愛方面へ。アルビスがベニマルへの恋心を明言したのはこれが初めてで、これはやはりモミジというライバルの出現が、彼女に覚悟を決めさせたのだろう。またリムルを巡っては、これまで牽制しあってきたシュナとシオンがついに対決へ動くなど、女性キャラたちが一気に恋愛モードへと突入していく。さらには男連中も活発で、モテないガビル(CV:福島潤)がモテ男たちに嫉妬し、ゲルド(CV:山口太郎)が同情し、ソウエイ(CV:江口拓也)が一蹴するなど、テンペスト内の恋愛事情がいろいろと明かされた。転スラでの恋愛話はコメディとして描かれることが多いが、「結婚」というパワーワードが出たおかげか、コメディではありつつも、わりと本音が見られたのが嬉しいところだ。これにはSNSでも「謁見式中に恋バナww」「あちこちでリムル公認の恋のバトルが勃発しそうw」などの声が寄せられていた。
■文/岡本大介
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