ハリウッドザコシショウ「スタッフに担がれて退場するまでライブは続けたい」今年も5都市7公演、全会場“リミッターなし”の新ネタライブ

ハリウッドザコシショウが5都市7公演で単独ライブ開催 /撮影=宮川智久

ハリウッドザコシショウ「スタッフに担がれて退場するまでライブは続けたい」今年も5都市7公演、全会場“リミッターなし”の新ネタライブ

8月1日(木) 8:00

ハリウッドザコシショウが5都市7公演で単独ライブ開催
【写真】ハリウッドザコシショウ“激シブ”な撮りおろしカット

夏の恒例となった、ハリウッドザコシショウのミニ単独ライブが今年も開催される。今回は、8月3日(土)東京・有楽町朝日ホールを皮切りに、福岡・静岡・名古屋・大阪・静岡の5都市7公演。誇張しすぎたモノマネをはじめ、今年も放送禁止コード抵触必至のプログラムのオンパレードとなっている。今回はハリウッドザコシショウに、ライブの意気込みと今年のライブの見どころ、注目を浴びる中堅芸人事情などについて語ってもらった。

■ものまねもリミッター無しで届ける
――今年も単独ライブの夏がやってきました

単独をやり始めたのが2008年、コロナ禍で一度休んでいるので今回で15回目になります。こうやって続けてくると、やるしかないなって思いますね。毎年、仕込み作業がしんどいんですが…。でもやらなくなると怠けているって言われるからやるしかない。頑張ってやっていきたいですわ。

――過去最大のキャパ数になっています

今年は初日と二日目の東京公演を朝日ホールでやるんです。もういっぱしの会場で。で、下見に行ったら楽屋がピカピカ。半沢直樹が出てきて謝るんちゃうかな?と思うくらいめっちゃ豪華な場所で、すごくいい。きれいなところで汚ぇ芸をする…そのズレを楽しんでいただきたいです。

――東京だけではなく、福岡・静岡・名古屋・大阪・静岡と5都市7公演で行われますが、地域によってお客さんは違うものですか?

めっちゃ違います。東京はテレビを見て来てくれる人も多く、フラットなお客さんが多い印象。大阪は一昨年だったかな、お客さんのマナーがあまり良くなくて(笑)。恒例の「モノマネ30連発」が約45分と長尺でその後に幕間でVTRが流れるんですが、結構そのタイミングでトイレに立つ人が多くて…。VTRもネタなのに大阪だけ何でってなって(笑)。関西人は集中力が切れやすいのか、トイレが近いのか…。まぁ今回は我慢してくれよって気持ちです。

特徴としては、東京の人は新ネタを喜び、地方の人は既存のネタを見たがるという違いがあるくらい。地方公演は「帰ってきたモノマネ10連発」とかやった方がいいのか…。ちょっと考えたいと思います。

――これまで同様、基本、オール新ネタなんですよね

そうです。そして公演によって内容が変わります。色んなモノマネもあると思いますよ。今のオレが面白いと思うことをリミッターなしでお届けするのが単独なので。配信なしなので自由にできるんですよ。いろいろ気にしながらネタをするってなんか違う感じもしますし。まぁどのネタも別にその人を嫌いでやっている訳でなく、面白いと感じたからネタになっている訳で、あまり真剣に受け取られずに楽しんでいただきたいです。

――東京・名古屋・福岡では、単独ライブの前にイベントも開催されるとのこと。こちらも各地域によって内容が違うんですよね

東京は「ザコシの動画でポン!」(公式YouTubeチャンネル)の公開収録、名古屋はゲームイベント「珍凹ザコシの糞ゲーム玉国」、福岡は年末にtvk(テレビ神奈川)で放送された特番「提供ハリウッドザコシショウ」の上映会となっています。それこそ福岡は、tvk放送エリアでしか見ることができなかった「提供ザコシ」の上映会なので興味がある人も多いかもしれないです。

――単独も各地ネタを変えて、イベントも各地で違うことを行うとなると、本当に労力がかかりますね

だから大変なんですよ。でもネタを1日2回公演するのは体が持たなくて…。なので趣向を変えたモノで楽しんでもらえたらと思います。

■お客さんが待っているし、ライブは止めたくない
――今年で50歳になりましたが、変わってきたと感じる部分はありますか?

体力的なことはあります。腰とか肩とか結構きてるんで…。あと、真面目なインタビューを受けることも多くなってきて。答えるのは全然いいんです。真面目なことを語ってくれと言われて話しているだけなんで。

ただ、ひとつやっかいなことがあって、それがケンコバ(ケンドーコバヤシ)。アイツ必ず読んでイジってくるんです。「サムいこと言ってんじゃねぇよ」って。アイツは取材で全部ボケるけど、オレはやっぱりバランスが大切だと思っていて。やっぱり質問に対して全部ボケたら困りますよね?

――そうですね(笑)
ほら!おいっケンコバ、聞いているか?撮れ高が必要なんだよ!それができないって(笑)。カタチ変えるぞコラッ!!

――「R-1グランプリ」(関西テレビ系)の審査員などをされているから、ザコシさんに最近のお笑い事情を聞きたい人も多いのだと思います。ちなみに、2024年はザコシさんと親交の深い、街裏ぴんくさんが優勝されました

最高のタイミングで優勝したなと思います。オレは芸人って売れるタイミングは少し遅い方がいいと思っているんで。やっぱり若手が1、2個しか芸のない状態で売れると酷なんですよ。「さんまのお笑い向上委員会」(フジテレビ系)などに呼ばれて返しを求められたとき、うまく返さないとその後なかなか出づらくなるんで…。そういう意味では街裏ぴんくはよかったと思います。

ただ一つ気になるのは、ウソ漫談というのがあいつの一番いい作品のカタチじゃないこと。ウソと言わずに漫談を初めて、なんならしつこく「これって本当なんですよ」と言っている方がいいかもな?なんて思いました。まぁこれは本人にも言いましたが。彼はツッコミがずば抜けて秀逸だからツッコミをやらせたいけど、今の形だとボケを求められてツッコミから縁遠くなっている。どこかのタイミングで、ネタとスタジオなどの平場の在り方を別物にした方がいいかもしれないっていうのはちょっとあります。

――ネタと平場の立ち位置の違いは難しそうですね。ザコシさんはその辺り悩まれたのですか?

最初の方はイジリしろが分かりづらかったんだろうなと思います。それが「ドキュメンタル」(Prime Video)あたりから浸透してきて、誇張モノマネはオーバーにやる、大げさに言っているのですが、それが伝わったんだと思います。やはりキャラクターを分かってもらうには時間がかかるし、若手だと自分のキャラクターさえも分かってなかったりもするので、より大変だと思います。

――キャラクターを分かってもらうことはとても大事なんですね

そういう意味では街裏ぴんくももっとキャラクターが浸透してきたらと思います。彼は実はかなりイタい男なんですよ。中身が二枚目というか。そこがイジられるようになってきたら、より面白くなる気がします。漫談は間違いないですから。

――中堅や若手が次々と出てきているお笑い界ですが、ザコシさんはこれからも単独ライブをはじめネタをやり続けたいですか?

ライブは止めたくないです。ただ60歳になっても今と変わらずやっている自信はないです。どうなんだろう…。オレが思っている60歳って結構じじいだけど、意外とできたりするのかな?そのためには体を鍛えないと。みっともねぇ体でやりたくないという気持ちはあるんで。体力作りはやっていかなきゃダメですわ。

しかし、止めどきっていつなんですかね?これがかなり難しくて…。ただネタ終わりにスタッフに肩を担がれて退場するようになったら引退かもな。それまではやり続けたいという気持ちはあります。

ちなみにこれはまた違う話だけど、「THE SECOND~漫才トーナメント~」(フジテレビ系)に出ていた(東京ダイナマイト)ハチミツ二郎のnoteを読んだら、どんなにしんどいときも出囃子が鳴ったらウソみたいに体が動くらしく…。あの気持ちなんとなくだけど分かる気がするんですわ。やっぱりお客さんが待っているし、その気持ちに応えたいという思いもあるんで。となると、見に来てくれる人がいる限りは舞台に立ち続けたい。今回の単独もぜひ多くの人の前でネタをしたいです。


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