【写真】北村匠海の母親役で出演する松嶋菜々子
松嶋菜々子、二宮和也、中沢元紀、瞳水ひまり、戸田菜穂、竹野内豊が、今田美桜が主演を務める2025年度前期の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)に出演することが発表された。
■「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと小松暢夫婦がモデルの物語
連続テレビ小説第112作目となる同作は、「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしと小松暢夫妻をモデルにしたオリジナル作品。戦前、戦中、戦後と激動の時代を生きたやなせと、やなせと共に生き、彼をけん引し続けた“ハチキンおのぶ”こと暢が、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を描く。夫・柳井嵩役を北村匠海が務め、脚本は連続テレビ小説「花子とアン」、大河ドラマ「西郷どん」の中園ミホ氏が担当する。
■北村匠海演じる嵩に関わる“柳井家の人々”が発表
新たに出演が発表されたのは今田演じる主人公・朝田のぶと、北村演じる柳井嵩に大きく関わる“柳井家の人々”。
美しく勝ち気で利発な嵩の母・柳井登美子役で松嶋、文学や絵に造詣が深い嵩の父・柳井清役で二宮、家族思いで優しい嵩の弟・柳井千尋役で中沢が出演。また柳井家の女中・宇戸しん(うとしん)役で瞳水、嵩の伯母・柳井千代子役で戸田、嵩の伯父・柳井寛役で竹野内の出演が決まった。二宮、中沢、瞳水、竹野内は連続テレビ小説初出演となる。
■松嶋菜々子のコメント
――ご出演が決まったときの思い、登美子役を演じることへの意気込みを教えてください。
やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩のお母さん役をやらせていただきます。夫を早く亡くし、子ども2人を親類に預けて離れて暮らした期間があると伺いました。家族の在り方が作品にも反映されていて、やなせさんの思いが詰まった「アンパンマン」という物語に大きな影響を与えたおひとりだと思います。やなせさんの家族愛や人生観をより深く理解しながら大切に演じたいと思っています。
――連続テレビ小説出演歴・出演作品での思い出や“朝ドラ”の印象はいかがですか?
「ひまわり」(1996年)は、たくさんの先輩方に支えていただき無事に完走することができました。特に、いつもお着物を素敵に着こなされていた、祖母役の藤村志保さんから真っ赤な反物をプレゼントしていただいたことが心に残っています。その反物で娘の七五三の着物を仕立てて、お参りをしました。真っ赤な着物を見るたびに、撮影当時の思い出と共に藤村志保さんの優しさと温かさを思い出しています。朝ドラヒロインの経験は、私にとって貴重な学びと成長の機会だったので感謝しています。
――やなせたかしさんの作品のイメージを教えてください。
10代の頃、テレビで「アンパンマン」を見ていましたが、その優しさに切なさも感じていました。自分の子どもが生まれて再び「アンパンマン」を見るようになり、その内容の深さを改めて再認識しました。
子どもにとっては分かりやすくて楽しい物語ですが、大人になってから見ると「アンパンマン」から発信されるメッセージの深さやキャラクターたちの個性、そして助け合いの重要性を教えられます。「アンパンマン」の優しさと勇気に触れるたびに、私も人を思いやる心を持ち続けたいと感じています。
――高知の印象はいかがでしょうか?
高知には20年近く前になりますが一度訪れたことがあります。その時は短い滞在だったのですが、タマネギとミョウガがたっぷりのったカツオのタタキがおいしかったことが印象に残っています。次回は、ゆっくりと四万十川の大自然を満喫したいと思っています。
■二宮和也のコメント
――ご出演が決まったときの思い、清役を演じることへの意気込みを教えてください。
本当に驚きました。なんとなく感覚的ではありますが、あの連続テレビ小説に自分が出演できるとは、考えてもいなかったので、ご期待に応えられるよう、共演者の方々とふっくらと柔らかい作品を作っていけたらと思います。
――連続テレビ小説“朝ドラ”の印象はいかがですか?
もっぱら、見る専門でしたが、脈々と受け継がれている大切な枠の一つ。それぞれの時代の象徴であるというイメージです。
――やなせたかしさんの作品の中で好きなキャラクターはいらっしゃいますか?
ナガネギマンや、ねむねむおじさん。なんかこうメインの周りにいるキャラクターたちが好きです。(もちろん!メインキャラクターも好きですが!)
――高知の印象はいかがでしょうか?
坂本龍馬、カツオ、とまぁ、辺り一辺倒な印象で申し訳ないくらいです…もし今回、行くようなことがあるのであれば、じっくり堪能したいと思います!
■中沢元紀のコメント
――ご出演が決まったときの思い、千尋役を演じることへの意気込みを教えてください。
僕にとって、“朝ドラ”に出演することは役者としての一つの大きな目標だったので、出演が決まった時は心の底からうれしかったです。千尋は、強くてたくましく、細かな気遣いもできる心の優しい青年です。皆さんと過ごす中で生まれてくる気持ちを大事にしながら、全身全霊で臨み、千尋とともに僕自身も成長していければと思います!皆さんとお会いできるのが今からとても楽しみです!
――連続テレビ小説“朝ドラ”の印象はいかがですか?
初めて出演させていただきます。“朝ドラ”は、幅広い世代の方々にたくさん愛されていて、1日の始まりを明るく元気に送り出してくれる印象があります。僕も皆さまに明るい朝をお届けできるように、自分の役割を全うし楽しみながら撮影に挑みたいと思います!
――やなせたかしさんの作品の中で好きなキャラクターはいらっしゃいますか?
僕はロールパンナちゃんが大好きで、子どもの頃、風呂敷をマントに、布団たたきをリボンに見立ててよく母親に遊んでもらっていました!
――高知の印象はいかがでしょうか?
僕はまだ高知を訪れたことはありませんが、自然豊かでおいしそうな食べ物がたくさんある印象です!撮影で訪れる機会があれば、自然やご飯、その土地に住んでいる方々の温かさなど感じられたらうれしいなと思っています。
■瞳水ひまりのコメント
――ご出演が決まったときの思い、しん役を演じることへの意気込みを教えてください。
出演が決まったときは“まさか私が!?”とびっくりしたと同時に、故郷である高知県へ恩返しができると本当にうれしくなりました。柳井家に仕えている “おしんちゃん”は、柳井家の皆さんを心から信頼し尊敬しているなと感じます。私が考える“生きる喜び”とは、見返りを求めることなく相手に喜んでもらうために生きることです。彼女の、いつも誰かのためにと動くその姿勢は、決して目立ちはしないけれど、ものすごく大きな愛に満ちあふれています。おしんちゃんが皆さまに愛されるよう、精いっぱい彼女とともに生きようと思います!
――連続テレビ小説“朝ドラ”の印象はいかがですか?
今回初めて参加させていただく“朝ドラ”には太陽のようなエネルギーがあります!“朝ドラ”を見るといつも、日本にはこんなにも素晴らしい方々が存在したのかと、誇らしい気持ちになります。私が今、当たり前に日々を生きられているのはその時代を精一杯生きた方々のおかげだと知り、今日をちゃんと、自分らしく生きようと元気が湧いてきます。皆さまにも、毎朝そのエネルギーを降り注げられるように精いっぱい頑張ります!
――やなせたかしさんの作品のイメージや、好きなキャラクターを教えてください。
私が生まれ育った高知県では、いつどこに行ってもやなせさんのキャラクターが壁やお店などにいたので、やなせさんの作品は好きを通り越して日常となっています。
その中でも私が特に好きなのはロールパンナちゃんです。正義と悪の二つの心を持ち、そこに悩み続ける姿は、誰しもが共感し考え続けることだと思います。そして何より、かっこよくてかわいいです!小さい頃はロールパンナちゃんになりたくて、リボンを持ってよくまねをしていました!
――高知の印象はいかがでしょうか?
高知県は本当にいい所です!人が温かくて強いです!!本当に私は“高知県に育てられた”と日々感じています。誰に対しても温かく優しい方が多く、きっとそれは日常の中に、やなせさんの作品が溶け込んでいるからだと思います。そんな高知県の空気や人柄を伝えたいです!
■戸田菜穂のコメント
――ご出演が決まったときの思い、千代子役を演じることへの意気込みを教えてください。
出演が決まったとき、とてもとてもとてもうれしかったです!私は18歳で連続テレビ小説「ええにょぼ」(1993年)のヒロインを演じさせていただきました。いつの日かお母さんとして帰ってきたいなあと夢見ていました。
私の役は育ての母ですが、やなせたかしさんの心の襞(ひだ)を育んだ女性です。そのことを心して、感性豊かな女性を演じたいと気の引き締まる思いでおります。頼もしい監督と、素晴らしい共演者、スタッフの皆さまと心震える優しさにあふれる作品になるよう、全力で取り組む気持ちです。
――連続テレビ小説出演歴・出演作品での思い出や“朝ドラ”の印象はいかがですか?
30年以上前、NHK大阪で8カ月間、“朝ドラ”と青春を過ごさせていただきました。今もNHK大阪に行くと、故郷に帰った気がしますし、皆さんにお帰りなさいという雰囲気で迎えてもらい、温かい気持ちになります。あの頃、意気込みだけの何もできない私をそっと見守ってくださったことに、今さらながら頭が下がる思いで本当に感謝しております。
――やなせたかしさんの作品のイメージを教えてください。
「やさしいライオン」が印象深いです。一読して泣きました。もしかしたら、この絵本に全てが込められているのではないかと思います。今、生きていることに感謝しなければいけないと、家族との別れや戦争での苦しい体験をなさった、やなせさん故の愛情の深さに心底胸を打ちます。
――高知の印象はいかがでしょうか?
どこまでも広い空、どこまでも広い海。“ウォーカーズ”というドラマでお遍路さんの道を歩きました。まさにこれが、空海が見た景色かと、感じ入りました。クジラも来る、この真っ青な広い大海原に抱かれ、高知の方々は小さいことにとらわれない強い気持ちの方が多いのではないかと思いました。
私は「鬼龍院花子の生涯」が大好きでして、宮尾登美子さんの小説の女性像も参考にしたいなあと、監督との打ち合わせ前ですが、ワクワクと考えております。憧れの高知弁も楽しみで仕方ありません!!
■竹野内豊のコメント
――ご出演が決まったときの思い、寛役を演じることへの意気込みを教えてください。
今回のように実在の人物をモデルとした役を演じる場合は楽しみでありながらも、ご本人を知る方々の期待を裏切らないように取り組みたいと思っています。私が演じる伯父の柳井寛という人物は、私たちが生きる上で根底に必要となる部分、忘れてはならないものを、日々の生活の中で温かく思い出させてくれるような人物なのではないかと感じます。
――連続テレビ小説“朝ドラ”の印象はいかがですか?
撮影期間が長い分、キャスト・スタッフの絆も深まりやすいのではないかなと思っています。“朝ドラ”への参加は初めてなのですが、日本中に愛された作品の軌跡をたどる、このような特別な作品に参加できて光栄です。
――やなせたかしさんの作品のイメージを教えてください。
“人を大切にすること”、“人に優しくすること”、“分かち合うこと”、“人を許すこと”、“勇気を持つこと”など、人生を生きていく中で忘れてはいけないこと、それがやなせさんの作品の中には随所に詰まっていて、登場するさまざまなキャラクターの素直で真っすぐな言葉や行動によって、見ている子供たちの心にも自然に伝わっていくのではないかと思います。そこには大人になった今でも改めて響く部分もあり、大変学びの多い作品だと思います。
――高知の印象はいかがでしょうか?
今現在、高知の森林面積は日本一だと聞いたことがあります。あの崇高な大自然の美しさを日本の誇りとして、次世代の人々にも残すことができたらうれしいですね。
■柳井嵩演じる北村匠海のコメント
“柳井家”が発表となりました。 そうそうたるキャストの皆さまが集結しました。僕らが紡ぐのは当たり前のようで当たり前ではない日々です。時代は違えど確かな愛や人間くささや浮き沈みの機微を丁寧に我々で描いていきたいと思います。撮影は長く楽しく厳しい道のりですが、我々が笑って作り上げていく空気を楽しみにしていてください。 精いっぱい、生き切ります。
■制作統括倉崎憲チーフ・プロデューサー コメント
放送100年となる2025年の連続テレビ小説に、新たに素晴らしいキャストの皆さまにお集まりいただきました。
嵩の母役に松嶋菜々子さん。衣装合わせで扮装をまとった松嶋さんを目の当たりにした時、まさに我々が想像していた登美子そのもので、鳥肌が立ちました。衣装合わせで鳥肌が立ったのは初めてかもしれません。嵩の父役に二宮和也さん。小学生の時に人生で初めて連ドラを全話見た二宮さん主演のドラマが“キッカケ”で、私はドラマの世界を志しました。いつかご一緒したいと長年願い続けてきたことが叶い、光栄です。今回わずかなご出演ではありますが、物語に温かいものを吹き込んでくれるはずです。
中沢元紀さんは、弟の千尋役のオーディションで自身の弱みも含めて包み隠さずにさらけ出してくださり、優しくも強いまなざしが千尋役とリンクしました。高知出身の瞳水ひまりさんは、しん役のオーディションで“土佐ことば”で「あんぱん」や家族への思いを聞いた時に、純粋に応援したくなり、 “誠実に、一生懸命に”こそが道を切り開くと感じさせてくれました。真っさらな瞳水さんだからこその表現に期待します。
実母の登美子から嵩を預かり、寛と共に育てる伯母役に戸田菜穂さん。登美子役の松嶋菜々子さんとの緊張感ある芝居のかけ合いも今から楽しみです。そして、嵩にとっての育ての父・寛役には竹野内豊さん。嵩の本当にやりたいことを認めて支える懐の深さがあり、喜び悲しみも含め“生きること”をにじみ出していただけると思い、オファーさせていただきました。
柳井家の人々が嵩に限らず、主人公の朝田のぶにもあらゆる影響を与えていくことになります。いよいよクランクインも近づいてきましたが、魅力あふれるキャスト陣が集う「あんぱん」にご期待ください!
■「あんぱん」の物語
昭和のはじめ頃、高知の町中をものすごい勢いで走る少女がいた。その少女は“ハチキンおのぶ”こと、朝田のぶ。一方、幼い頃に父を病気で亡くした柳井嵩は、叔父の家に引き取られ、そこでのぶと出会う。2人を結びつけたのは、一個のあんぱんだった。
戦争の足音が近づく頃、女学校に通っていたのぶは周りと同様に、妄信的な軍国少女となった。やがて戦争が始まり、嵩は出征。嵩は弟・千尋を戦争で亡くし、のぶも最愛の人を亡くしてしまう。
女学校を卒業し、のぶは戦争で全ての価値観が変わり、「何が正しいかは自分で見極めなければならない」と新聞社に女性初の記者として就職。戦後、クズ拾いの仕事を辞めた嵩がその新聞社に入社してきて、2人は同じ雑誌の担当に。嵩は東京で漫画家を目指したい気持ちがありつつも、生活していけるか不安だった。のぶはそんな嵩に「あなたも後から来なさいよ。先に東京に行って待ってるわ」と告げ、新聞社を辞め上京する。
のぶを追いかけ上京した嵩と、六畳一間のオンボロアパートでの生活がスタート。お風呂はなく、トイレは共同。トイレの天井には穴があき、雨の日は傘をさして入らなければいけないが、晴れた夜には星が見える。そんな暮らしをおもしろがり、「どんな環境でも楽しめるこの人と一緒にいたい」と2人は結婚する。「手のひらを太陽に」「アンパンマン」が世に出るのは、まだまだ先のことだった。
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