武井壮いわく「五輪で昔やっていてなくなった競技といえば 釣り。釣りが復活したら絶対に面白いよ」
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。〝百獣の王〟武井壮さんとの対談9
回目は、
パリ五輪で採用された新種目「ブレイキン」にちなんで、「もし、こんな種目が五輪にあったらめちゃめちゃ盛り上がるのに」という競技をおふたりに考えてもらいました!
***
ひろゆき(以下、ひろ)
今号も引き続きパリ五輪の話題です。大会ごとに採用される種目は、今回のブレイキンのように新競技もいいんですけど、かつて行なわれていた競技を復活させても面白いと思うんですよ。
武井壮(以下、武井)
なるほどね。例えば、綱引きはかつて五輪競技だったんだよ。
ひろ
え⁉綱引きをやってたんですか(笑)。
武井
そう。1900年のパリ五輪から1920年のベルギーのアントワープ五輪まで行なわれていたらしい。
ひろ
へえ〜。残しておけばよかったのに。絶対に盛り上がるじゃないですか。
武井
だよね。高度な技術や作戦もあったりして、世界トップレベルの戦いは面白そうだよね。
ひろ
お国柄も出そうですよね。日本は4×100mリレーのバトンパスとかがうまいじゃないですか。そこでタイムを縮めてメダルを獲ったりしますよね。だから、綱引きだと声の合わせ方や綱を引くタイミングの取り方を徹底的に研究して、意外と上位に食い込むかもしれないですよね。
武井
それに「4年後の大会で綱引きをやります」と各国に通達したら、そこからナショナルチームの選抜が始まるわけでしょ。そうすると、他の競技で代表に選ばれなかった選手が綱引きに集まってくる可能性もある。
ひろ
『クール・ランニング』という映画があるじゃないですか(1993年公開)。夏季五輪の代表を逃したジャマイカの陸上選手が、五輪出場の夢を諦めずに未経験だったボブスレー競技に挑戦し、冬季五輪に出場したという実話ベースの作品です。あんな感じで、未経験だけどやってみたら意外と強かったという人がいるかもしれないですよね。
武井
綱引きって、やはりパワー勝負だから、力自慢が集められると思うんだけど、すると、日本中から「室伏広治、現役復活の待望論」が高まる可能性もある(笑)。
ひろ
もし、綱引きが五輪種目に復活すると運動嫌いの子供を減らせると思うんですよ。
武井
というと?
ひろ
五輪競技に選ばれると、体育の授業でやるかもしれないじゃないですか。で、これまで太っている子供の多くは足が遅かったりして、体育の授業でバカにされやすかったりしますよね。そうやって運動自体が嫌いになることってけっこうあると思うんですよ。でも、五輪の影響で綱引きを授業でやるようになって、クラス対抗で試合をすると、足が遅くて太っている子供が急にヒーローになるかもしれないんです。それは自信になると思うんですよ。
武井
確かに!いいね!クラス対抗でやれば盛り上がるだろうし、太っていてもヒーローになれる可能性は大いにあるよね。あと、昔やっていてなくなった競技といえば釣りがあるんだよ。非公式競技だったけど1900年のパリ五輪で採用されていたみたい。釣りが復活したら絶対に面白いよね。
ひろ
地方にいる釣り名人のおじいちゃんが金メダルを獲得したりすると、めちゃくちゃ盛り上がりそうですよね。
武井
インド洋に船を出して、一番デカいカジキマグロを釣り上げた人が優勝とかね。競技期間は3日間で、まったく釣れていなかった人が最終日の終了間際で大物が釣れて大逆転とかしたら、めちゃめちゃ盛り上がると思う。
ひろ
しかも、釣りは世界中にファンも多いから、ビジネス的にも成立する気がするんですよ。スポンサーもすぐにつくだろうし。
武井
何せ映えるよね。「現在の1位は3m20cmのアメリカ代表です。おっと、日本チームの船上が何やら騒がしいぞ!どうした日本チーム!あっ、日本チームの竿がこれまでにないくらいしなっています!これは大物がかかっているかもしれません!」とかね(笑)。
ひろ
釣りって、サッカーや野球と違って世界大会をゴールデンタイムで生中継しないですよね。そんな普段は全然話題にもならない釣りが、五輪になると「感動をありがとう!」って急に持ち上げられていたりすると、ちょっと面白いかもしれません(笑)。でも、それが五輪の持つ影響力だと思うんですよね。
武井
逆にひろゆき的にはどんな競技があったら面白いと思う?
ひろ
......鬼ごっことかどうですか?世界のトップレベルのアスリートがガチで鬼ごっこをやったら超面白いと思うんですけど。100m走の世界記録保持者であるウサイン・ボルトが鬼になったら、どんな動きするのか見てみたいじゃないですか。
武井
確かに鬼ごっこで誰が最強かを考えたらワクワクするよね。たぶん、ケニアとかのマラソン選手が鬼になって本気を出したら逃げ切れる人はいないと思う。マラソン選手って、ずっと時速20キロで走り続けられるような人でしょ。だから、短距離の選手がダッシュで逃げても、2分後には必ず追いつく(笑)。
ひろ
追いかけられる側からしたら恐怖でしかないっすね(笑)。フジテレビ系でやっている『逃走中』が海外でも人気だったりするじゃないですか。だから、ああいうプリミティブ(原始的)な競技ってやってみると面白いんじゃないですかね。
武井
あと、サバイバルゲームはどう?
ひろ
めっちゃ、おもしろそうっすね!国の威信をかけて本当に強いやつを連れてくると思いますから。
武井
戦争をテーマにしたゲーム『コール オブ デューティ』シリーズの実写版みたいなものでしょ?
ひろ
例えば、確認戦果542人のフィンランドの伝説のスナイパー、シモ・ヘイヘみたいな人がサバゲーでも本当に強いのかみたいな。「スナイパーは、本当に遠くからでもやっぱり当てるんだー」となるのか、「実は全然当たんねーのか」となるのか。プラスチックのBB弾だから、軌道は真っすぐではないと思うんですよね。
武井
実弾よりも風の影響は受けるよね。
ひろ
ただ、五輪にサバゲーが採用されたら、ものすごい直進性のBB弾が開発されるかもしれない。
武井
あと、サバゲーだけで鍛えた選手が、元海兵隊のチームを倒したらめちゃめちゃ盛り上がるよ。
ひろ
ドライビングゲームの『グランツーリスモ』シリーズにドハマリしていた人が、プロのレーサーになった事例はありますからね。だから実は〝ゲーマー出身〟という経歴は侮れないと思うんですよ。
武井
ゲリラ戦のスペシャリストが出場して、何時間も木と同化しているとか。
ひろ
白兵戦になって肉薄した戦いになると、やっぱり経験がものをいうでしょうし、そういうのを含めて超盛り上がりそう。
武井
フィールドがジャングルなのか洞窟なのか、あるいは砂漠か市街地なのかでも強さは変わりそう。もはや五輪じゃなくてもいいからサバゲーの国別対抗戦が見たくなってきた(笑)。
ひろ
そうですね。
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■西村博之(Hiroyuki NISHIMURA)
元『2ちゃんねる』管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など
■武井 壮(So TAKEI)
1973年5月6日生まれ。東京都出身。タレント、元陸上十種競技日本チャンピオン。格闘技、野球、ゴルフなど様々なスポーツの経験を持つ。公式Webサイトは【https://gogotakei.com】、公式Xは【@sosotakei】
構成/加藤純平(ミドルマン)撮影/五十嵐和博ヘア&メイク/奥野誠
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