今回、ご紹介するのは、TVアニメ『逃げ上手の若君』。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである少年、北条時行が動乱の世を駆け抜ける物語です。北条時行役の結川あさきさん、雫役の矢野妃菜喜さん、諏訪頼重役の中村悠一さんにお話をうかがいました。
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『逃げ上手の若君』(通称:逃げ若)は、『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』で知られる松井優征氏が描く、週刊少年ジャンプで大人気連載中の歴史スペクタクル漫画をアニメ化した作品です。
制作は『ぼっち・ざ・ろっく!』 を手掛けるCloverWorksが担当、監督は『ワンダーエッグ・プライオリティ』で副監督を務めた山﨑雄太、シリーズ構成に『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインに『劇場版ポケットモンスター ココ』で総作画監督を務めた西谷泰史など、奇才たちが集結し、美麗かつ迫力の映像で歴史の一片を紡いでいます。
舞台は、西暦1333年。武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府が、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡した頃。全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた鎌倉幕府、執権の跡継ぎである少年・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出。
時行は、逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていきます。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく時行。英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方に魅了されます。
左から、矢野妃菜喜さん、結川あさきさん、中村悠一さん
ーー本作に出演が決まったとき、どう思いましたか?
結川さん私は事務所のスタッフさんにサプライズの場を作っていただいて、出演を発表してもらいました。アニメ作品のオーディションに初めて受かったので、本当にびっくりしました。
わからないことがたくさんありましたから、プレッシャーよりも、どういう風に収録をするんだろう、アニメに関する取材を受けるのかな?とか、知らないことに想いを膨らませていました。
矢野さん出演が決まったときはうれしかったです。所属事務所で、出演が決まったことを発表されたとき、事務所のスタッフさんが原作を召喚していて(笑)。その景色が圧巻で、とても印象に残っています。
中村さん僕は事務所総出ではお祝いしてもらえなかったのですが(笑)、頼重は原作を読んでいても表情の変化が多く、ある意味とらえどころのない、難しいキャラクターです。
出演が決まってうれしいという気持ち以上に、本格的に収録へ入ったときにいろいろと固めなければならないことがあるだろうなという不安がありました。
ーーAnimeJapan 2024の『逃げ上手の若君』のイベントに登壇された際、アニプレックスの中山信宏チーフプロデューサーが、「(結川さんと中村さんが)ふたりでやりとりしていく中で、キャラクター上でも演技の面でも導いていく、というのをお願いできれば」と語っていらっしゃいました。おふたりは、中村さんのどのようなところに導かれていますか?
結川さん中村さんは一緒にお芝居をしてくださるだけで、まるで頼重がいるように安心できました。
矢野さん頼重はシリアスからギャグシーンまでセリフが多く、とても表情が動くんです。中村さんの多彩な演技は、逃げ若はこれぐらい表情を動かして良いんだという軸となっていました。
物語の面白さに加え、美麗かつ迫力の映像も見どころ
ーー中村さんは結川さんと矢野さんの演技の魅力をどのようにとらえていらっしゃいますか?
中村さんおふたりともフレッシュさがあるんです。フレッシュさというのは未熟という意味ではなく、そのときにしか出せないものなんです。僕らおじさんには、ないんですよ。あっても困るんですけれど(笑)。おふたりには、フレッシュさがしっかり残っている。それはとても大事なことだと思います。
この作品は長期間をかけて、じっくり時間をかけて録っていったんです。でも結川さんは、収録のたびにきちんと前回の反省点を踏まえて、次のステップに進んでいく様子がすごく見えました。素晴らしいなと。
若い頃、僕は毎週毎週仕事をやることに精いっぱいで、欲を出して次のことをやってみようという余力がありませんでした。少年の役を演じるという難しさも当然ある。結川さんの仕事ぶりを見て、考えてきたことをいろいろと試してみたいんだろうなと思い、僕も勉強させていただきました。
結川さんは、精神的にタフな方なのかもしれません。
結川さんありがとうございます。中村さんのお話をニヤニヤしながら聞いていました(笑)。
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