第75回(2022年)カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたキリル・セレブレンニコフ監督作『チャイコフスキーの妻』より、日本版予告編と場面写真8点が解禁された。
【動画】同性愛者の夫に拒絶される妻チャイコフスキー夫妻の知られざる真実に迫る予告編
本作は、天才作曲家チャイコフスキーを盲目的に愛した“世紀の悪妻”アントニーナの知られざる実像に迫った衝撃的な伝記映画。女性の権利が著しく制限されていた19世紀後半の帝政ロシアを背景に、チャイコフスキーが同性愛者だったという、ロシアではタブー視されてきた事実を明確に描き、夫婦間の知られざる真実に迫る。絵画的な映像美や流麗なカメラワークなど、型破りなまでに刺激的な映像世界も話題を呼び、フランスでは17万人超を動員する大ヒットを記録した。
「白鳥の湖」「くるみ割り人形」などで知られるロシアの天才作曲家、ピョートル・チャイコフスキー。かねてから同性愛者だという噂が絶えなかった彼は、恋文で熱烈求愛する地方貴族の娘アントニーナと、世間体から結婚する。しかし、女性への愛情を抱いたことがないチャイコフスキーの結婚生活はすぐに破綻。夫から拒絶されるアントニーナは、孤独な日々の中で狂気の淵へと堕ちていく…。
歴史上まれに見る悪妻という汚名を着せられたアントニーナの実像を、史実に従いながら大胆な解釈を織り交ぜて描いたのは、キリル・セレブレンニコフ監督。これまでの監督作『LETO ‐レト‐』『インフル病みのペトロフ家』『チャイコフスキーの妻』『Limonov:The Ballad(原題)』が連続でカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された、世界が注目する鬼才監督だ。
主演のアントニーナ役に抜てきされたアリョーナ・ミハイロワは、大規模なオーディションで見出されたロシア映画界の新星。観る者の心をかき乱す、その圧倒的なパフォーマンスは批評家から絶賛された。
日本版予告編は、19世紀後半のロシアを舞台に、地方貴族の娘アントニーナが天才作曲家ピョートル・チャイコフスキーに一目惚れするシーンから幕を開ける。彼女の熱烈な求愛に根負けしたかのようにチャイコフスキーは結婚を受け入れるが、結婚生活は悲惨そのもので、わずか数週間で破綻してしまう。
女性への愛情を抱いたことがないチャイコフスキーと、夫に盲目的な愛を捧げるアントニーナの間には、いかなる諍(いさか)いがあったのか。アントニーナは、世間一般で語られるように、偉大な才能の持ち主である夫にまったく見合わない“世紀の悪妻”だったのか。現実と妄想の狭間でもがき苦しみ、歴史の陰に埋もれたアントニーナの実像を、鬼才キリル・セレブレンニコフ監督が、濃密なスリルと情感を湛えた極上の心理劇として紡ぎ上げる。旋律から戦慄へ。その心をさいなむほどの狂愛が、観る者を圧倒する。
予告では、あらゆる観客の目を奪うクラシカルな衣装や荘厳な美術、そしてチャイコフスキーの名曲「白鳥の湖」にのせて、アントニーナが筋骨隆々な裸の男性たちと戯れる刺激的なシーンも切り取られ、カンヌを騒然とさせた話題作に期待が高まる映像となっている。
場面写真は、アントニーナが、最愛の男性を射止め無上の幸せに酔いしれる姿や、つかの間の幸せから一転、チャイコフスキーから拒絶され、精神に異常をきたすまで追い込まれた姿などが切り取られている。
映画『チャイコフスキーの妻』は、9月6日より全国順次公開。
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