ABEMAにて無料独占配信中のアニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』の先行プレミア上映会が6月30日(日)にユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて開催。本邦初公開となった第1話『愚物語』に出演したメインキャスト陣が、新シリーズとなる本作への意気込みや裏話などを語ってくれた。
「〈物語〉シリーズ」は西尾維新の大人気小説を原作にしたアニメシリーズ。阿良々木暦と少女たちによる怪異にまつわる物語が描かれており、新房昭之監督とシャフトの手により2009年から2019年にかけて『化物語』『偽物語』『猫物語(黒)』『セカンドシーズン』『花物語』『憑物語』『終物語』『暦物語』『続・終物語』の全9作がTVアニメとして放送された。2016年・17年には劇場三部作となる『傷物語』を公開。今年1月には総集編となる『傷物語-こよみヴァンプ-』が全国ロードーショーされるなど、今もなお多くのファンに支持されている作品となっている。
そんな「〈物語〉シリーズ」の最新作となる『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』は、2021年までに刊行された西尾維新の「〈物語〉シリーズ」の『オフシーズン』と『モンスターシーズン』が原作。高校を卒業して大学生生活を送る阿良々木暦や、彼に関わってきた少女たちのその後の姿などが描かれていく。ABEMAにて『愚物語』『撫物語』『業物語』『忍物語』が独占配信予定となっている。
今回開催された先行プレミア上映会では、第1話となる『愚物語』を本邦初公開。阿良々木暦の妹で中学三年生になった月火と、彼女の監視を続けている斧乃木余接、不登校になって自宅で漫画家を目指している千石撫子らが登場しての軽快な会話とドタバタなドラマに、客席からは笑い声が上がっていた。
上映後には千石撫子役の花澤香菜、阿良々木月火役の井口裕香、斧乃木余接役の早見沙織が登壇。花澤がようやく始まったという気持ち、井口が月火ちゃんは今回も本当に可愛かったと挨拶すると会場からは大きな拍手が。続いて早見が挨拶をしようとするものの、マイクの電源が入っていなかったことに焦ったのか、阿良々木余接……とキャラの名前を言い間違えてしまうハプニングが発生。そこに井口がすかさず、家族のようなものだからと作中で阿良々木家に潜入していた余接のポジションを踏まえたフォローを入れたりと、和気あいあいとした雰囲気でトークパートはスタートすることになった。
2019年放送の『続・化物語』以来、久しぶりに自身のキャラクターを演じたキャスト陣だが、コラボなどでそれぞれのキャラクターを演じる機会があったこともあって、花澤は、帰ってきた気持ちと同時に割とすんなり馴染めたとアフレコの感想を一言。反対に早見は余接のセリフ量が膨大だったこともあって、集中力でなんとかこなしたとのこと。息継ぎをする暇がなかったり、自宅で練習をして臨んでも、当日のコンディションで1ミリでもブレがあると「生きていますね」とリテイクが入ったりと収録はかなり大変だったそうで、呼吸をいかに止めていくかというのが課題となったと語ってくれた。
また今までアフレコは火憐ちゃんとニコイチで行われていたという井口は、今回一人でのアフレコ参加には戸惑いがあったようす。音響監督から収録前に「練習してほしい」と言われて「火憐だぜ!月火だよ!二人合わせてファイヤーシスターズ!」とお馴染みのフレーズを何回か繰り返してピッチを確認していたといった収録裏話などを披露してくれた。
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キャラクターについてのトークでは、月火について井口が可愛いとアピールしつつ、ここまで傍若無人だったかなと苦笑気味にコメント。キャラクターコメンタリーでしか見せていなかった撫子への傍若無人さが本編にも出てきており、井口は、撫子のためでもあるけどただ楽しんでやっているだけだと思う、と月火の暴走ぶりについて解説してくれた。
髪型やよそおいが変わった撫子については三人それぞれ「大人っぽくなった」という意見で一致。花澤は、夢に向かって頑張っていて、本人は気づいてないかもしれないけどちゃんと成長している、と新シリーズにおける撫子の印象についてコメントしてくれた。
早見は月火の予想もしない行動に振り回される余接について言及。モノローグも多く、死にたくないと思う感情があったことには驚いた、と早見が語ったように、新しい余接の様々な一面が見られたことにキャスト陣も新鮮さを感じていたようだった。
ここでエンディングテーマ「UNDEAD」を歌うYOASOBIからのビデオメッセージのサプライズが。「〈物語〉シリーズ」の大ファンというAyaseが「最大の愛とリスペクトをもって書かせていただいた」というこの曲は、西尾維新の書き下ろし短々編「なでこパスト」「しのぶフューチャー」を元に制作した楽曲で、早見も、すごい格好良かった、と楽曲を大絶賛。曲中の「UNDEAD」のフレーズが可愛すぎるとそこだけリピートして何度も聴き返したいたそうで、〈物語〉シリーズが好きだということが伝わってくる曲だった、と感想を述べていた。
この楽曲の原作となる短々編「なでこパスト」「しのぶフューチャー」は公式サイトで公開中。ぜひ楽曲とあわせてチェックしてもらいたい。
また千石撫子(花澤香菜)、斧乃木余接(早見沙織)による『撫物語』のオープニングテーマ「caramel ribbon cursetard」の楽曲を一部使用した、新PVの初お披露目も。今まで撫子が歩んできた道のりが全部詰まったものになっている、と花澤が語るように、曲中には「恋愛サーキュレーション」の「せーの!」のフレーズをはじめとした過去の撫子のキャラクターソングの歌詞が使われているとのこと。
ここでMCからのリクエストを受けて花澤が生「せーの!」を披露する一幕もあり、井口や早見も観客と一緒になって大興奮。いろんな過去の撫子が登場して、それを撫子自身が受け入れていく。撫子のこれが人生だっていう感じになっている、と語る花澤に、余接としてデュエットした早見も、PVで使われてない箇所でも二人の面白いところがたくさんある、とオススメのポイントをアピール。そんな二人をうらやましそうに見ていた井口は、今後チャンスがあれば主題歌を歌う気まんまんといったようすを見せていた。
最後に花澤が、皆さんにお届けできることを楽しみにしていました。『撫物語』では撫子は撫子なりに頑張ってきたよねって思える、そして見終わった後に自分自身のことを振り返って愛せる素敵な物語になっているので、ぜひ楽しみにしてほしいとコメント。井口は、新たな新作を演じることができて幸せを噛みしめている。いろんなキャラクターのことを好きになるシリーズだと思うが、月火に関しては愛してもらえるのか不安。ぜひ月火のことも嫌いにならないで楽しんでほしい、とコメント。早見からは、余接は今回本当にたくさんしゃべった。無表情だが、その奥にいろんな想いを感じてもらえると思う。『撫物語』では撫子がどうやって変化して、どんな未来に向かっていくのかを美しくエモーショナルに描いているので、そんな撫子と余接の対比は素敵だなと見ていて思った。ぜひ最後まで楽しんで見てほしい、とそれぞれファンにメッセージを語り、新シリーズへの期待感を高めつつ大盛況のうちにイベントは終了となった。
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