「かわさきジャズ」が10回の節目。今年も川崎の秋はジャズ一色

渡邉瑠菜&国府弘子 (c)Taku Watanabe

「かわさきジャズ」が10回の節目。今年も川崎の秋はジャズ一色

7月24日(水) 16:30

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2015年にスタートした「かわさきジャズ」が10回目の節目を迎える(主催=かわさきジャズ実行委員会/川崎市)。川崎市内全域で繰り広げられるジャズの祭典。7月、会場のひとつでもあるミューザ川崎シンフォニーホールでラインナップ発表会見が行なわれ、草壁悟朗・実行委員長、福田紀彦・川崎市長、ピアニスト・国府弘子、サクソフォン奏者・渡邉瑠菜が出席した。

2015年の第1回は全10日間開催だったかわさきジャズ。年々発展を続け、今年は9月24日(金)から11月24日(日)までの66日間にわたって、ホールライブ20公演と100ステージ超の地域イベントが行なわれる大規模フェスティバルとなっている。

「ジャズは橋を架ける」というキャッチフレーズのとおり、フェスティバル全体は次の3つの“BRIDGE”で構成されている。

(1)MUSIC BRIDGE音楽でつながる
コンサートホールやライブハウスで行なわれる、スペシャル・アーティストをフィーチュアした公演。

(2)PEOPLE BRIDGE人とまちがつながる
市民や地域企業・団体、近隣自治体との連携で出会いと交流の場を創出。音楽を身近に感じ、参加できるまちなかでのライブ。

(3)FUTURE BRIDGEミライにつなげる
子どもから大人まで、ジャズの文化に触れ、音楽を聴く、表現する楽しさを広げるレクチャーやワークショップ。音楽を通じて、持続可能な社会作りを実現する取り組みも。

ホールライブ(MUSIC BRIDGE)の目玉は、ジャズ・フュージョン界のレジェンドたちが登場するスペシャル・ライブ[11月17日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール]。スーパー・ギタリスト、リー・リトナー(72)が、大御所ピアニスト、デイヴ・グルーシン(90)とともに来日。ブラジリアン・ミュージックの至宝イヴァン・リンス(79)らと共演する。この3人といえば、グラミー賞を受賞した1985年の名盤『ハーレクイン』だが、彼らは今年、その続編である『Brasil』をリリースしたばかり。リトナー&グルーシンのブラジル音楽愛がぎゅっと詰まったステージになること間違いない。

サックスのユッコ・ミラーをゲストに迎えるピアノの山中千尋[10月13日(日)カルッツかわさき]、結成40周年のオルケスタ・デ・ラ・ルスの激アツ・ライブ[10月20日(日)新百合トウェンティワンホール]、川崎市市民文化大使でもある国府弘子のトリオ[11月8日(金)ラゾーナ川崎プラザソル]、トランペッター、エリック・ミヤシロのプロデュースによるグランド・フィナーレ[11月24日(日)昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ]など、目と耳が離せないプログラムが目白押しだ。

国府弘子 (c)Taku Watanabe

ふらっと参加できるまちなかライブ(PEOPLE BRIDGE)も、親しみやすい「かわさきジャズ」らしいイベント。市内10会場の公園や商業施設がフェス会場に早変わり。“わが町”にジャズがやってくるのを楽しみにしている人も多いだろう。

一方、もはや「かわさきジャズ」の看板のひとつになっているのが「かわさきジャズファクトリークルーズ」。工業地帯の夕景や夜景をバックに楽しむ船上のジャズ・ライブは、ここでしか味わえない特別な体験だ[11月2日(土)、17日(日)]。

音楽を聴く楽しみ方を広げてくれるのがFUTURE BRIDGE。全3回の「ジャズアカデミー」は各界の講師を迎えてのレクチャー。「浮世絵とジャズ」「ブラジルジャズの現在地」「若いジャズがいちばん面白い!」といったテーマの中には、公演のプログラムとリンクするものも含まれているので、受講すればライブがいっそう楽しくなりそうだ[9月27日(金)、10月4日(金)、11日(金)ミューザ川崎・市民交流室]。

また、「いろいろねいろJAM」は、障害の有無や音楽の経験値に関わらず、参加者がそれぞれのできることでジャムセッションに加わるワークショップ&ライブ。プロのミュージシャンたちのサポートもあり、唯一無二の貴重な体験になるはずだ[9月28日(土)、29日(日)グランツリー武蔵小杉]。セッションは参加無料。公式サイトの応募フォームから事前申し込みが必要で、7月31日(水)締め切り。

なお、毎年任命しているフェスの顔、「BRIDGE アーティスト」を、今年は公募で選出。昭和音楽大学4年生のキュートな新鋭サクソフォン・プレイヤー渡邉瑠菜(22)が選ばれた。すでにさまざまなフェスティバルやコンテストでの受賞多数の注目株。ホール公演4本のほか、まちなかライブにも出演と、期間中は大活躍なので応援しよう。

4人の登壇者の発言から。

草壁悟朗・かわさきジャズ実行委員長
「ライブに行ったことがない人が4人に1人はいるという。行ったことがあるという人も、4割は5回以下だとか。これはもったいない。かわさきジャズはリーズナブルでぜいたくなエンタテインメント。よい機会なので、生の音を聴いて、空気の振動を生で感じて、気軽にジャズの楽しさを満喫してほしい」

川崎市市長 (c)Taku Watanabe

福田紀彦・川崎市長
「今年は川崎市制100周年。ミューザ川崎の完成とそれに伴って始まった『音楽のまち・かわさき』の取り組みが20周年。そしてかわさきジャズが10回目。いろんな節目が重なる惑星直列のような年になった。100年の間に、川崎の人口は5万人から150万人へ。いろんな人たちがやってきて発展させてきた、元祖・多様性の街。自由にいろんなものを受け止めるという意味で、ジャジーな街だと思っている。かわさきジャズも10回目を迎えてかなり定着してきたし、毎年いろんな要素が加わって、発展している。これからもジャズを通じて多くの橋を架けて、これまで以上に川崎らしい、幅広い世代に愛されるフェスティバルにしていきたい。かわさきジャズ2024で、川崎の持つ多彩な魅力を満喫してほしい」

ピアニスト・国府弘子
「第1回かわさきジャズでリー・リトナーとイヴァン・リンスと共演させていただいたのがまだ昨日のことのよう。ジャズは多彩でいろんなスタイルがあるけれど、なくてはならないのが演奏者同士のコミュニケーション。まさに市長の言う多様性とがっちり合うものだと痛感している。私の出演する11月8日の公演は、26年続けている私の自慢のトリオに、渡邉瑠菜さんに入っていただく『秋の平均年齢若返り大作戦!』。もちろん演奏は年齢は関係なく、深いコミュニケーションで。私たちの共通項は“幸せになれる音楽”。お楽しみに」

BRIDGEアーティスト・渡邉瑠菜(サクソフォン)
「山梨県(山中湖町)出身。電車もない平和な場所で育ったので、川崎というのは怖いイメージだった(笑)。そんな、いい意味で野蛮な雰囲気を交えながらの、川崎にしかできない音楽フェスに、BRIDGEアーティストとして関われることは光栄。盛り上げていきたい」

取材・文:宮本明

かわさきジャズ2024

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2452882

9月20日(金)~11月24日(日)
ミューザ川崎シンフォニーホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ、カルッツかわさき、ラゾーナ川崎プラザソル、SUPERNOVA KAWASAKI、新百合トウェンティワンホール、昭和音楽大学ユリホール、川崎市アートセンター、川崎市産業振興会館

https://www.kawasakijazz.jp/

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