ジャッジが語る大谷翔平の進化ともに3冠王を目指しワールドシリーズでの再会へ

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ジャッジが語る大谷翔平の進化ともに3冠王を目指しワールドシリーズでの再会へ

7月22日(月) 7:00

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【ジャッジから見た大谷の進化】「今季は大谷翔平とアーロン・ジャッジのどちらのほうがすごいと思うか?」

2024年のオールスター直前、試合を放送するFOXのスポーツウェブサイトの識者ディベートでそんな議題が出された。

それが象徴するように、現代のMLBにおける2大スターを挙げるとすれば、ドジャースの看板となった大谷翔平と、ヤンキースの主将でもあるアーロン・ジャッジになるだろう。東西の名門チームの顔であり、今季は三冠王も可能なペースで打ちまくるふたりは、オールスターが開催されたテキサス州アーリントンでもメディアや関係者に追いかけ回されることになった。

オールスターで豪快な一発を放った大谷photo by Getty Images

オールスターで豪快な一発を放った大谷photo by Getty Images



ほんの少し前までのオールスターでは、日本メディアが他のスター選手たちに大谷の印象を聞いて回る光景が恒例だった。しかし近年は、アメリカのメディアも"二刀流の怪物"に関する情報を必死に求めるようになった。今年のオールスターの前日、約45分間のメディアセッションで、ジャッジが各国のメディアから大谷について問われ続けていたのが印象的だった。

「(大谷が)毎日やっていることはとてつもない。トミー・ジョン手術からの回復中にもかかわらず、3割以上の打率を残し、本塁打、打点、盗塁でも好成績だ。すごいアスリートだし、このスポーツに多くをもたらしてくれる。

三冠王を達成したら本当にすごいし、いずれ投手としてマウンドにも戻るのだろう。いつも特別なことをやるから、毎晩、彼のハイライトを見て楽しんでいるよ。(三冠王も)達成してほしいね」

そう述べた時のジャッジの言葉と表情からは、自身と並び立つような存在の大谷へのリスペクトが滲んだ。

ヤンキースの先代キャプテンだったデレック・ジーターほど極端ではないにせよ、32歳のジャッジは自らの業績について話すのを好まない選手だ。ただ、非常に思慮深く、自身以外のことはどんな話題にも丁寧な言葉を返してくれる"ジェントル・ジャイアント(紳士的な巨人)"。大谷について語るのは嫌いではないようで、今の大谷の打撃分析をお願いした際も冗舌だった。

「今の彼は"コンプリートヒッター"だ。2018年にメジャーに来てから向上し続け、パワー面で優れた数字をマークするだけではなく、3割をはるかに超える打率を残すようになった。

その背景として、打席での球の見極めがよくなっているのが大きいのだろう。ストライクゾーンをコントロールできている。ゾーンの中でボールを捉えていて、甘い球が来たら逃さない。捉えたらとてつもない距離を飛ばしてしまうんだ」



メディアセッションで質問に答えたジャッジ photo by Sugiura Daisuke

メディアセッションで質問に答えたジャッジ photo by Sugiura Daisuke



ドジャースの今季の戦いを追いかけてきた人なら、デーブ・ロバーツ監督が序盤戦から「翔平はストライクゾーンをコントロールすることが大事」と繰り返し語ってきたのを知っているはずだ。それができれば、打率アップと本塁打量産の両方が可能になる。

実際に、今季の大谷がボール球に手を出す割合を示す「チェイス率」は27.3%(現地時間7月20日時点。メジャー平均28.4%)であり、2022年の28.4%、23年29.7%と比べて確実に向上している。打率も3割台を残しており、ジャッジ同様、より隙のない打者に成長したのだろう。

【最高の舞台で直接対決なるか】オールスターでは、ジャッジはア・リーグ、大谷はナ・リーグの両軍に分かれて凌ぎを削った。大谷は第2打席で、レッドソックスの右腕タナー・ホウクからオールスター1号を放ち、センターを守っていたジャッジも驚嘆させた。球宴の舞台に限定すれば、2打数無安打に終わったジャッジを上回るインパクトを残したことは間違いない。

ただ、この両雄がフィーチャーされることは、これで終わりではないかもしれない。前半終了時点で、ドジャースはナ・リーグ西地区の首位を独走中。ヤンキースもワイルドカード圏内には入っており、このままいけば"10月の再会"もあり得る。そう、ワールドシリーズでの対決も不可能ではないのだ。

もちろんこの先、両チームがどうなっていくかはわからない。ナ・リーグではフィリーズが圧倒的な強さを見せており、ドジャースは本命視されないだろう。好スタートを切ったヤンキースも、シーズンが進むにつれて綻びが見られるようになった。ベースボールでは何事も保証されず、未来は未知数。そのことは、大谷と自身の今後について聞かれたジャッジの返答が示している。

「まだまだ僕たちの行く手には長い道が続いていると思うけど、ベースボールがクールなのは、これから何が起こるのかがわからないからだ。今後、彼がどれだけ成長し、あと何本の本塁打を放ち、どれだけのタイトルを獲るかは誰にもわからない。その"旅"を目撃することが、このスポーツを見る楽しみのひとつになる。未知数なことがベースボールの美しさなんだ」

ただ......それを理解してなお、大谷、ジャッジが全盛期にいる今だからこそ、最高の舞台での直接対決が見たいと願わずにはいられない。ついに実現しなかった、NBAファイナルでのコービー・ブライアント対レブロン・ジェームズ、ピークをすぎてからようやく成立した、ボクシングのフロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオのようにはなってほしくない。

人気、実力を兼ね備えたふたりのスーパースターが、最高のステージで相まみえれば好勝負になるのは間違いない。それが実現することには、ベースボールの範疇を超えるほどの重要な意味があるはずだ。

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