眞栄田郷敦&板垣李光人が“衝撃の出会い”を体現!『ブルーピリオド』原作のモデルでもある美術予備校の撮影現場に潜入

『ブルーピリオド』活気あふれる撮影現場の様子や、プロデューサーが明かす“キャスティングの決め手”をご紹介!/[c]山口つばさ/講談社 [c]2024 映画「ブルーピリオド」製作委員会

眞栄田郷敦&板垣李光人が“衝撃の出会い”を体現!『ブルーピリオド』原作のモデルでもある美術予備校の撮影現場に潜入

7月20日(土) 18:00

累計発行部数700万部を超える人気漫画を実写映画化した『ブルーピリオド』が、いよいよ8月9日(金)より公開となる。主演の眞栄田郷敦をはじめ、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりといった人気と実力を兼ね備えたいまをときめく若手俳優が顔を揃え、クランクイン前から実際に絵の練習に励みながら、美術に情熱を注ぐ登場人物たちの魂を体現した。MOVIE WALKER PRESSでは、原作に描かれた美術予備校のモデルで、キャストが特訓をした場所でもある新宿美術学院(現 ena美術)で行われた撮影現場に潜入。眞栄田らの絵描き姿を目撃するとともに、それぞれハマり役となったキャスティングの決め手をプロデューサー陣に語ってもらった。
【写真を見る】本当に藝大に受かるかも…。眞栄田郷敦の絵の実力に、絵画指導の海老澤功も絶賛

■八虎&世田介、衝撃の出会いに現場も湧き立つ!

原作は、2020年のマンガ大賞をはじめ数々の漫画賞に輝いた、山口つばさによる人気漫画。そつなく生きてきた高校生の八虎(眞栄田)が、1枚の絵をきっかけに美術の世界に本気で挑み、国内最難関の美術大学を目指して奮闘していく姿をつづる。監督は、『東京喰種 トーキョーグール』(17)や『サヨナラまでの30分』(20)など、みずみずしい青春劇やCG演出に定評のある萩原健太郎が務めた。

原作に描かれた美術予備校のモデルとなった新宿美術学院(現 ena美術)で、撮影が行われた

2023年7月中旬、新宿美術学院では、八虎が美大受験専門の予備校への参加を決めて、講習を受けるシーンの撮影が行われた。実在する美術予備校を撮影場所とし、イーゼルや椅子、画材がしまわれたロッカーや棚に並んだ本など、すべて本物のものをそのまま使用。床に残る絵の具や木炭の跡からも、絵に向き合っている人たちの苦悩や喜びなど、本物の息遣いが伝わってくるようだ。

八虎と天才ライバルの世田介は衝撃的な出会いを果たす

講習に参加した八虎は、そこで天才ライバルの世田介(板垣)や、よき相談相手となる橋田(秋谷郁甫)、マキ(中島セナ)といった切磋琢磨する仲間、力強いアドバイスをくれる大葉先生(江口のりこ)と出会いを果たす。とりわけ印象的なのが、生徒たちが石膏像のデッサンに取り組み、八虎が世田介と初めて言葉を交わす一コマだ。世田介がデッサン初心者で、道具もきちんと揃えられていないことがわかると、八虎は「これよかったら」と道具を差し出すのだが、世田介はそんな八虎に対して「誰、お前」と言い放つ。冷たい視線を投げかける世田介と、肩を落とす八虎の絶妙な表現を、眞栄田と板垣が見事に演じきり、これには萩原監督やスタッフからも「八虎、かわいそう…」という同情の声が苦笑いとともにこぼれる。この出会い以降、「自分は普通。才能がない」と思っている八虎は、天才ライバルである世田介から常に刺激を受けていく。彼らの今後の関係性を予感させる重要なシーンは、緊張感と現場の一体感を味わえるものとなった。

萩原監督は、「スタッフやキャストと意見を交わすことを大切にしている」という。その言葉通り、若い世代を中心とした面々がアイデアを出し合いながら、生き生きと仕事に勤しんでいた。

眞栄田郷敦と美術アドバイザーの川田龍。眞栄田は、クランクインの半年前から絵の練習をスタートさせて臨んだ

撮影を担当した光岡兵庫は、臨場感あふれるカメラワークでキャンバスに向かう生徒たちの表情を捉えていく。眞栄田はワンカット撮り終えるごとに萩原監督とディスカッションを重ね、キャラクターやシーンの濃度を上げ、どんどん鮮やかなものにしていく。スタッフが次のシーンの準備をする際など、俳優が休憩場所に戻ってもいいと思われる瞬間も眞栄田は現場に残り、教室の雰囲気を身に染み込ませながら、台本を読み込んでいた。先日の7月10日に行われた渋谷プレミアで眞栄田は「撮影自体が、熱く、泣ける撮影だった」と証言していたが、眞栄田がスタッフの熱量に心を動かされる一方、スタッフも彼の前のめりな姿勢に影響を受けるなど、なんともいい空気が流れていた。猛暑日の撮影も、眞栄田からのアイスの差し入れがあると現場がドッと湧き立ち、さらに周囲を元気づけていたことも思い出深い。


■キャスティングの決め手は?眞栄田郷敦が、八虎の変化・成長を“瞳”からも体現

現場を訪問して驚いたのは、キャスト陣がすばらしくキャラクターにハマっていたことだ。プロデューサー陣に、起用の理由を聞いた。

成長を遂げる八虎の“瞳の変化”にも注目!

美術との出会いを果たし、尋常ではない努力で志望校である藝大を目指していく八虎役の眞栄田について、プロデューサーは「まず容姿が八虎に似ている」と切りだしつつ、「彼の目が、とてもいいなと思いました。変容する前の冷めた目をしている八虎にもなれるし、美術と出会ってから情熱をみなぎらせていく目も表現できる」と分析。クライマックスにおける八虎は、観る者の胸を震わせるような目をしており、その“瞳の変化”にも注目だ。また眞栄田が音楽で藝大を目指した経験があり、いまは俳優として高みを目指していることも、芸術の世界に身を置く人間に心を寄せられるのではないかという期待もあったそう。実際に眞栄田は、ライブ配信において「正解のない世界で戦う苦しさや迷いには、すごく共感ができた。自分のカラーを出していけるんじゃないかなという楽しみもあった」と八虎と重なる部分がとても多かったと、キャラクターに愛情を傾けていた。

高橋文哉は、8キロの減量をして鮎川龍二ことユカちゃんを演じた

また本作では高橋が、自分の“好き”について葛藤する、女性的な容姿の鮎川龍二ことユカちゃんに扮した。ビジュアル、内面含め、俳優にとって極めて難しい役柄となるが「高橋さんは、ユカちゃんを演じるうえで、8キロほど減量をしてくれました。ジムにも通って、脱毛までしてくださった。撮影期間はずっと、内股でした」、「撮影のない日でも、例えば『デートの前日ならば、ユカちゃんならどうするだろう』ということを考えながら、ネイルやお肌のことも気にしながら過ごしてくださった」とプロデューサー陣は感心しきり。7月10日に行われた渋谷プレミアの場では、高橋自身も「エステに行ってみたり、かわいくなる努力をしたり、歩き方や姿勢、つま先から手の指先まで、お芝居をしている時に一瞬も気を抜くことがなかったくらい、全身に神経を行き渡らせてユカちゃんとしての美学を詰め込みました」と全力を注いだことを振り返っていた。

原作ファンの板垣李光人が、ハマり役として世田介を演じている

そして勉強も絵の才能も頭抜けている世田介を演じたのが、板垣だ。原作の世田介は両目の下にホクロがあるのだが、板垣も右目下にホクロがあり、劇中では左目下にホクロを描いて原作そっくりの世田介がお目見え。チェック柄のシャツを萌え袖気味に着こなした姿や、人とのコミュニケーションが苦手そうな佇まいにも、世田介らしさを感じられる。プロデューサーは「世田介と言ったら、板垣さんしかいないと思いました」と目尻を下げ、「板垣さんご自身もデジタルアートの作品を手掛けられていたりするので、アーティスト気質な部分もハマると思いました」と話す。板垣はもともと原作ファンで、とりわけ世田介が大好きだったのだとか。撮影現場を訪れた原作者の山口と対面した際には、大感激していたという。

美術予備校教師・大葉先生役を江口のりこが演じている

キャラクターのヘアや衣装は、原作ファンのイメージを大切にしつつ、観客と同じ地平に生きる人としてのリアリティを重視している。見学した日に目にできたそのほかのキャラクターを考えてみても、おかっぱ頭がトレードマークの大葉先生は、前髪アリのスタイルにしたいという江口からの提案もあり、ビジュアルや大声で生徒を励ます姿も原作そのもの。三つ編みの橋田、グラデーションのヘアカラーを施したマキも、原作から飛び出してきたようでありつつ、美術予備校の生徒らしい雰囲気をしっかりと漂わせていた。


■絵の練習に挑んだ過程が、そのまま映画に投影された特別な1作に

【写真を見る】本当に藝大に受かるかも…。眞栄田郷敦の絵の実力に、絵画指導の海老澤功も絶賛

本作では、気迫や熱気を込めるために、絵を描く手元やシーンに吹替を一切使用しないことにこだわっている。この日の撮影現場には、絵画指導の海老澤功と、美術アドバイザーの川田龍の姿も見られたが、絵を描く姿勢や鉛筆の走らせ方、画材の扱い方など細かい所作まで、萩原監督が「いまの場面はどうですか?」と質問をし、違和感があればすぐに修正できる準備が整えられている。眞栄田はクランクインの半年前、高橋&板垣&森先輩役の桜田は約3か月前から絵の練習をスタートさせたとあって、撮影時には、海老澤と川田も役者陣の絵描きとしての芝居に「まったく違和感がない」と太鼓判を押していた。

プロデューサーによると、「眞栄田さんは、レッスン開始日には6時間もの間、一度も席を立たず、水も飲まず、ものすごい集中力で絵の練習に励んでいた」とのこと。また別のプロデューサーも「八虎と重なりますよね。『描けば描くほど、よくわからなくなってくる』と言いながら、できあがった絵を観てみるとものすごくうまい。集中すると、ものすごい領域まで到達する方なんだなと思います」と感嘆。絵画指導を担った海老澤が「この調子で頑張れば、本当に藝大に受かるんじゃないか」と称えるほど、彼の腕前は上達したという。また板垣は「どうしたら天才に見えるか?」と試行錯誤していたそうで、鉛筆の持ち方にも世田介の天才らしさをにじませた。これには川田が「絶妙!」と楽しそうな笑顔を見せていた。

萩原監督は、スタッフやキャストとコミュニケーションを取りながら撮影を進めていく

吹替ナシで取り組んだ成果について、プロデューサーは「役者本人たちの熱量をあげることにもつながった。撮影現場を訪れた山口先生も、『実際に俳優さんたちが、絵を描いているのがとてもいい』とおっしゃってくださった。ものすごくうれしかったです」と期待以上のものだったとしみじみ。眞栄田も「八虎は絵を始めたばかりのところから、受験まで成長していく。僕自身もそれと照らし合わせながら、初めて画材を触った時の感覚なども大事にできた」と語るなど、キャスト陣が努力をして絵に向き合った姿が、そのまま映画にも投影された特別な作品となった。

最終的に本作には、74人のアーティストが協力して、401枚もの絵が揃った。本物の絵が伝える迫力も、大きな見どころだ

生徒が描き終えた20枚ほどのデッサンが、教室にズラリと並んだ様子も圧巻だった。それぞれの絵から、その上達具合、受験生としてのレベル、キャラクターの個性までわかるなど、シーンやキャラクターごとに合わせた絵が用意されている。眞栄田も「すごい」とやわらかな笑顔を浮かべ、生徒役のキャストたちと興味深そうに絵を眺めていた。美術予備校を使用したロケ、実際に絵の練習をしたキャストの演技など、本物の迫力が観客に伝えるものは、とても大きなものになるだろう。「原作に惚れ込んだ」というプロデューサー陣だが、「目標を見つけて、一生懸命になる若者を実写として描きたいと思っていました。絵画を題材にした映画ですが、絵を描くということをスポ根のように描けたら、オリジナリティのあるものとして完成するのではないかと感じています」、「エネルギーがほとばしった映画。好きなものが見つからないという人や、一歩踏み出せないでいる方々にとって、『自分もなにかやってみよう』と背中を押せる作品になったらうれしいです」と作品への期待をアピールしていた。

取材・文/成田おり枝

※記事初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。


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