ケビン・コスナーが監督・主演を務める壮大な西部劇「ホライズン、アメリカン・サーガ(原題)」の第2弾が、全米公開のスケジュールから外れたことが明らかになった。米ハリウッド・レポーターが報じている。
「ホライズン、アメリカン・サーガ(原題)」は、南北戦争の前後15年間にわたるアメリカ西部開拓時代を多角的に描く野心作だ。コスナーは自ら3800万ドルもの資金を投じ、他の投資家や海外セールスでさらなる資金を調達している。全4部作として企画され、すでに2本が完成。当初の予定では、第1弾を6月28日に、第2弾を8月16日に全米公開する予定だった。
ところが、第1弾の公開から10日間で、北米興収はわずか2200万ドル(約30億円)にとどまった。オープニング週末の興収は1100万ドル(約15億円)と振るわず、批評家からの評価も厳しい(映画批評サイト「ロッテントマト」での評価は43%)。2本を合わせた製作費が1億ドル(約135億円)であることを考慮すると、興行的に厳しいスタートとなってしまった。
この状況を受け、配給のニューライン・シネマは第2弾の公開を延期すると発表。同社の広報は「今後数週間で観客により多くの機会を提供し、『ホライズン、アメリカン・サーガ(原題)』第1弾を発見してもらうため」と、公開延期の理由を説明している。
「ホライズン、アメリカン・サーガ(原題)」は、コスナーにとって10年以上の構想を経て実現した渾身のプロジェクトだ。南北戦争前夜の1840年代から、戦後の再建時代までを描く歴史ドラマで、開拓者や先住民、黒人奴隷など多様な登場人物を通して、激動の時代のアメリカ社会を多面的に描き出すことを目指している。コスナーは「アメリカ建国の裏側にある真実の物語を伝えたい」と意気込んでいた。
しかし、大作西部劇というジャンルの難しさに加え、新型コロナウイルスの影響で公開が2年以上遅れるなど、製作は難航。第1弾の不振で、シリーズ全体の完遂が危ぶまれる事態となっている。第3弾の撮影は8月に再開予定だが、第2弾の新たな公開日程は未定だ。
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