2023年に「極楽征夷大将軍」で直木賞を受賞した垣根涼介の同名小説を、『22年目の告白―私が殺人犯です―』(17)や『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』(23)などの入江悠監督が映画化した『室町無頼』(2025年1月17日公開)。本作より、本編映像と場面写真が解禁された。
【写真を見る】なにわ男子の長尾謙杜演じる才蔵が六尺棒を手に強い意志の宿った眼差しを向ける
時は室町、“応仁の乱”前夜の京。大飢饉と疫病の連鎖、路上には無数の死骸が重なっている。そんな混沌の世の中に風の如く現れ、巨大な権力に戦いを挑んだ者たちがいた…。蓮田兵衛(はすだひょうえ)は日本史上、初めて武士階級として一揆を起こし、歴史にただ一度だけその名を留める男。彼の元に結集した「アウトロー=無頼」たちの知られざる闘いをドラマチックに描く。主演の大泉洋をはじめ、なにわ男子の長尾謙杜、柄本明、北村一輝、松本若菜、堤真一らが出演する。
大泉演じる、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぎ、密かに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人である主人公の兵衛。今回解禁された映像では、両手に刀を持ち、多勢の敵に立ち向かっていく彼の両目のドアップから始まる。兵衛を筆頭に敵陣へと戦い猛進する無頼たちのアクションシーンには、並々ならぬ壮大なスケールが感じられ、「いくつになっても立ち回りのある時代劇にはワクワクする」と大泉もコメント。
また、映像内には、兵衛と堤演じる幕府から治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領、骨皮道賢が刃を交えるシーンも。すさまじい迫力に呼吸を忘れてしまうほどの緊迫感を覚えるが、2人が次にどんな立ち回りを見せるのか?という期待とワクワク感も湧き上がってくる。
今年2024年2月に実施された製作発表会見では、「昨年の夏はずっと稽古していた。稽古初日から素振り100本振った」と大泉が振り返れば、堤も「台本上ではアクションシーンはあまりなかったのに、現場で戦うことになってしまって…。やっても一手か二手かと思ったら全然違った」と語るなどアクションシーンは思い出深いものだったことが伺える。さらに、「映画史上に残るスケールの時代劇になりそうだ」とも語るなど大泉は出来栄えに自信を持っており、本作への期待感も思わず高まってしまう。
初公開された3点の場面写真は、兵衛に道賢、そして兵衛に拾われ、身も心も成長する才蔵(長尾)を捉えたもの。敵を斬りつけた直後の凄みと殺気が表裏一体となった猛々しい表情の兵衛、刀の先まで神経を巡らせているような美しい刀裁きを見せる道賢、血と泥にまみれながらも六尺棒を手に、強い意志の宿った眼差しを向ける才蔵と、それぞれの人物の魅力が的確に表現されている。
名もなき人々が、ダメな幕府に命懸けで「NO!」を突き付け、次の時代の扉をこじ開けようとする。その姿はきっと、いまを生きる人々に爽快感と明日への情熱を与えてくれるはず。『室町無頼』の幕開けを楽しみに待ちたい。
文/平尾嘉浩
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