広瀬すずが主演を務める根岸吉太郎監督最新作『ゆきてかへらぬ』が2025年2月に公開されることが決定。あわせて、本作の場面写真および、主演、監督、脚本家のコメントが到着した。



大正時代を舞台に、実在した女優の長谷川泰子、詩人の中原中也、評論家の小林秀雄という男女3人の出口のない三角関係と壮絶な青春を描く本作。『探偵物語』(83)や『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ～』(09)の根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取り、『ツィゴイネルワイゼン』(80)や『セーラー服と機関銃』(81)の田中陽造が脚本を担当。『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ～』以来、根岸と田中は16年ぶりにタッグを組んだ。

田中による本作の脚本は、40年以上前に書かれたものだという。多くの監督たちが映画化を熱望しながら長い間実現することができなかった“知る人ぞ知る”幻の脚本がついに映画化となる。本作の主人公、長谷川(広瀬)はまだ芽の出ない女優。彼女はのちに不世出の天才詩人と呼ばれることになる青年、中原と出逢う。どこか虚勢を張り合うふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。その後東京に引っ越したふたりの元を、中也の友人で、のちに日本を代表することになる文芸評論家、小林秀雄が訪ねてくるのだった。偶然ともいえるその出逢いが、やがて3人の運命を狂わせていくことに。

長谷川を演じた広瀬は「本当に体力のいる役でした」と語っている。また16年ぶりの長編映画となった根岸の現場についてじゃ「根岸監督の映画づくりというものを、この目で見て、体感して、とても贅沢でした」と振り返った。一方で、根岸は本作における広瀬の演技について、「まるで泰子という主人公に憑依したかのようです。誰も見たことのない泰子の『広瀬すず』がここにいます」と絶賛のコメントを寄せている。また、脚本の田中は「女優と詩人と批評家の、二度と戻れない青春時代を描いた映画です。40年以上も前に書いた脚本ですが、今の時代に共鳴してくれればと願います」と語った。

『ゆきてかへらぬ』というタイトルは、病床の中原が小林に託し、中也の没後に刊行された詩集「在りし日の歌」に所収されている一篇の詩からとられたもの。本作は、その名があらわす通り、後戻りすることのない3人の壮絶な青春を追いかけている。傷だらけになりながらも進み、傷だらけだからこそ生きた男女の物語に期待が高まる。

■＜キャスト、スタッフコメント＞

●広瀬すず(長谷川泰子役)

「今回演じた長谷川泰子は、大正というモダンな時代を自由にというか、必死というのか、無謀に駆け抜けた女性でした。本当に体力のいる役でした。根岸監督はこの作品が16年ぶりの長編映画と聞いておりましたが、それを感じさせない程、現場では監督の体力が一番すごかったですね。根岸監督の映画づくりというものを、この目で見て、体感して、とても贅沢でした。ぜひ、ご期待ください」

●根岸吉太郎(監督)

「大学で学生に映画を教えたり共に学んだりしているうちに、時があっという間に過ぎ去り16年ぶりの長編映画となりました。『ゆきてかへらぬ』は多くの監督や演出家が映画化したいと望んでいた知る人ぞ知る田中陽造さんの珠玉のシナリオです。これを託され5年の準備期間を経て素晴らしいキャストに恵まれ完成しました。今回のすずさんは奥深いところで役を捉え、まるで泰子という主人公に憑依したかのようです。誰も見たことのない泰子の『広瀬すず』がここにいます。大正から昭和へ移る時代を舞台に、ひとりの女とふたりの男の、奇妙な三角関係と真摯で壮絶な青春を描いた作品です。ぜひ、今の時代に青春を送る若者たちに観ていただきたいです」

●田中陽造(脚本)
「女優と詩人と批評家の、二度と戻れない青春時代を描いた映画です。40年以上も前に書いた脚本ですが、いまの時代に共鳴してくれればと願います」

文/鈴木レイヤ


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