妻子に家出されたDV夫。心を入れ替えたはずが…再会したら“最低の言葉”が飛び出した<漫画>

妻子に家出されたDV夫。心を入れ替えたはずが…再会したら“最低の言葉”が飛び出した<漫画>

5月31日(金) 8:46

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お前ってホント無能だよね。よかったね 専業主婦になれて」「ベッドで癒してくれない? じゃあもう風俗に行けってことだな」「なにその服? もう少し体型戻さないと似合わなくない?(笑)」

エリートを自負する会社員・翔は、こんな言葉を妻にかけるのが日常。相手を傷つけている自覚は全くありません。妻の彩はある日、自分がモラハラ・DVの加害者だと気づき、娘を連れて家を出ていきます――。

「モラハラ夫は変わらない」と世間で言われてる中、変わりたいと必死でもがく、モラハラ“加害者”の視点を描いたコミック『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』(KADOKAWA刊)。「嫌な夫にやり返す単なるスカッと漫画ではない」「我が家の状況と同じ」と、大きな反響を呼んでいます。

モラハラ・DV加害者のための変容支援コミュニティGADHAを主宰する中川瑛(なかがわ・えい)さんによる原作を、3人の子どもを育てるマンガ家でシングルマザーの龍たまこ(りゅう・たまこ)さんが漫画化した話題作を、出張掲載。おふたりに、本作の見どころについて語ってもらいます(以下、KADOKAWAの寄稿)。



















加害者に立ち向かうより、我慢する方がラクだった



――被害者である妻の彩。折れてしまった心を抱え、変わろうとする夫を受け入れていいのか悩み葛藤します。被害者の苦悩、許さないことへの勇気、といったことが心に響きました。彩を描くうえで気を付けた点、また描きたかったポイントなどを教えていただけますでしょうか。

漫画・龍たまこさん(以下、龍):一般的に、被害を受けた妻側はすぐに離婚という選択肢を取ることができませんから、どうにか許そうとしたり、相手を変えるよりも自分を変えることで乗り越えようとするんです。彩のそういった葛藤や苦悩を丁寧に描きたかったですね。変わろうとする夫に対して、ともすれば「わかったよ、もういいよ、元通りになろう」と言って何事もなかったように次の日から暮らす方が、彩にとっては数万倍ラクなんです。だけどそれはまた同じことの繰り返しだと彩はわかっている。だから、「見極めなくてはいけない」と腹をくくる。

最初は弱々しく頼りなげだった彩が、徐々に覚悟を決め強くなっていく様子を描きたかったですね。

数あるモラハラ描写の中で最も絶望的なのは



――翔のモラハラ場面は本当に腹が立ちました。本作で描かれたモラハラ描写のうち、これは本当にダメ! と思った場面を1つ選んで教えてください。

原作・中川瑛さん:書いたものは基本的に全部ダメ、というか加害だとして書いていますが、とりわけ最も問題になるのは夫から妻への「お前が俺を怒らせているんだよ」という第5章の終わりの場面です。

この言葉は、夫が行っている加害を全て妻のせいにしています。しかもタイミング的に、妻が色々なことを言える信頼を「培い始めているタイミング」でした。そもそも被害者の方は長く被害を受けているうちに、だんだん言いたいことを言えなくなっていきます。そんな中、加害者の変容が進んでいくのを見て「今なら受け止めてくれるかもしれない」と、勇気を持って自分の思っていることを言ってくれるようになった。そんな中でまた言葉の暴力を振るうことは、とんでもない痛みを相手に与えます

「やっぱり信じなければよかった」「やっぱり人は変われないんだ」と思う人はどんな人か。それは“信じようとした人”なのです。信じるからこそ傷つき痛むのであれば、人は人を信じることをやめていきます。人が学び変わることを信じられなくなるほど、人を真の意味で絶望させることはないのではないでしょうか。そのような点で、僕は第5章のラストのモラハラが最も罪深いものだったと思います。

龍:わたしがどうしても腹が立つのは1話の最後の性的DVですね。もっとも人間の尊厳を削る行為だと思っています。
【龍たまこ】
3人の子どもを育てるマンガ家。1981年生まれのシングルマザーで、保育士の資格を持つ。ライブドア公式ブログ「新・規格外でもいいじゃない!!-シングルマザーたまことゆかいな子ども達-」をほぼ毎日更新中。著書に『規格外な夫婦~強迫症夫と元うつ病妻の非日常な日常~』(宝島社)、『母親だから当たり前? フツウの母親ってなんですか』(KADOKAWA)。X(旧Twitter):@ryutamako、Instagram:@ryu.tamako2

【中川瑛】
モラハラ・DV加害者変容に取リ組む当事者団体「GADHA」代表。妻との関係の危機から自身の加害性に気づき、ケアを学び変わることで、幸せな関係を築き直した経験から団体を立ち上げる。現在は加害者個人だけではなく、加害的な社会の変容にも取り組んでいる。著書に『孤独になることば、人と生きることば』(扶桑社)、『ハラスメントがおきない職場のつくり方 ケアリング・ワークプレイス入門』(大和書房)。X(旧Twitter):@EiNaka_GADHA

<構成/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】
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