【ガンダムSEED FREEDOM】メカDがズゴックの謎に回答!観客も納得!

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【ガンダムSEED FREEDOM】メカDがズゴックの謎に回答!観客も納得!

4月26日(金) 21:05

映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の大ヒット御礼スタッフトーク上映会の第3弾が、4月23日(火)に新宿ピカデリーにて開催。福田己津央監督ら制作スタッフ4人が登壇し、このイベントだけでしか聞けない裏話の数々をたっぷりと語ってくれた。

「ガンダムSEED」シリーズ20年ぶりとなる完全新作劇場アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、全国353館で上映スタート。公開87日間で観客動員266万4566人、興収44億7437万5380円超を記録するなど、1982年公開の『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(23億円)を超えて、数あるガンダムシリーズ劇場公開作品の中でNo.1の興行収入を更新した歴史的作品となっている。

多くのファンが詰めかけた会場に登壇したのは福田己津央監督、メカニカルアニメーションディレクターの重田智、CGアニメーションメインディレクターの佐藤光裕、バンダイナムコフィルムワークスの制作担当である池谷浩臣の制作スタッフ4人。今回のイベントでは福田監督や重田さんが喧々諤々の意見を交わし合ったラッシュチェックの現場の雰囲気を再現、スクリーンに映し出された映像を見ながら制作エピソードを話していくというスタイルでイベントは進行していくことに。

開演の挨拶で福田監督は、ガンダム史上記録的な観客動員や興収について「いろんな人に支えられて今日があるんだなと」と感謝の言葉を一言。さらに「もうあと一息……何日に終わるか私聞きましたけど(笑)、それまで応援していただけると嬉しいです」と客席を埋めた多くのファンに笑顔を見せていた。
またTVシリーズで一緒に『SEED』シリーズを作った現場一番の古株という池谷を振り返りながら、福田監督は「池谷さんに打ち合わせのときにバスターとデュエルの新型を出すように説得されました。最初出すつもり無かったんですけど」と驚きの裏話をいきなり披露。イザークとディアッカのファンへのサプライズを実現させた陰の功労者に会場からは大きな拍手が送られていた。

最初にトークセッションの題材となったのは、デストロイガンダムの二度目の登場シーン。このときバックパックが装備されてなかった理由について福田監督は「円盤背負ってると『ドラグナー』のカットが使えないなと思って」とコメント。自身を担当したTVアニメ『機甲戦記ドラグナー』をオマージュしたシーンを考慮しつつ、「物資が枯渇している時期なので急な攻撃に対して持てる戦力全部出した最後の大物メカだというのを表現したかった」という世界観に沿った設定についても重視したという。佐藤もそうした監督の意図をしっかり汲み取り「第1幕のデストロイに比べるとビームのCGエフェクトの大きさを弱くしています」とその違い解説してくれた。

戦闘シーンとしては第1幕の夜戦シーンが特に大変だったようで、重田も監督が目指したリアリティを重視しながら見映えよく『SEED』らしさを出すのはとても難しかったとのこと。「地味になってはダメ、かといって『これがSEEDだ』みたいなポーズを付けたらNGが出る」ということで、その案配が大変だったと当時の作業を振り返ってくれた。
さらに今回の映画では一般兵の操縦するモビルスーツの盾の構え方にも重田のこだわりが反映されているようで、「ちゃんと下っ端は盾の構えろ」「お前はフリーダムじゃないんからその攻撃避けられないだろ」といつも口にしていたと福田監督が紹介。
重田はTVシリーズの頃から主役機でもない機体がフリーダムガンダムのような動きをすることに「お前そういう役じゃないじゃん」「そんなに強いロボじゃないよ」という不満を持っていたようで、せっかく盾を持っているんだから今回の映画ではなるべくポーズやお芝居に活かすように頼んだと制作時の裏話について語ってくれた。

またライジングフリーダムガンダムとブラックナイトスコードシヴァの戦闘シーンについてもピックアップ。当初のカットだと拮抗した戦いだったが、福田監督から「ここはやられるシーンなので、もっとフリーダムを劣勢にしてくれ」と要望があったとのこと。また重田は「絵を引いてくれ」とカメラ位置を機体から離すようにとの指示を佐藤のCGチームに伝達。
寄りの映像だと窮屈な感じがしたり、派手なアクションを見せると余白が無くなることを回避するための措置だが、重田は30年前に富野由悠季監督から聞いた「劇場なんだから引かなきゃダメですよ」という言葉を実直に守っているという。特に今回の制作過程では機体をアップにした寄り気味の絵が多かったらしく、重田としてはその辺りの修正が大変だったと作業について振り返ってくれた。

ここからは福田監督が力を入れたという戦艦の映像表現についてのトークで大盛り上がり。ミレニアムが離水するシーンについては、福田監督が「『マイティジャック』の離水で」と説明したもののスタッフ全員ピンと来なかったらしく、結局「『宇宙戦艦ヤマト』の氷の惑星から旅立つシーン」という比較的分かりやすい例えをベースにCGチームが制作。
このシーンでは「外洋ということで高い波にしたい」「ミレニアムの艦体前部に付いているカナード(前翼)はいらないから外してくれ」と福田監督からCGチームにリテイクが入ったものの、波のシミュレーションを終えてしまったいたためカナードの修正は難しいことが判明。結局カナードは付いたままでいくことになったといった制作時のこぼれ話なども披露された。

ほかにも宇宙へ向かうために上昇するミレニアムが、間一髪レクイエムの照射を回避するというシーンでは「もっと激しく、もっと激しく」と福田監督がリテイクを連発。シナリオでは「加速して(照射を)かわす」と書いてあったものの、全速上昇中に加速してもスピードが変わらないことに気付いた福田監督が、ブレーキングの方向に発想を転換。「パラシュートを出す」といったアイデアなどいろいろ検討した結果、ミレニアムの艦体を進行方向から一気に90度曲げて急激に減速するいわゆる”コブラ”と呼ばれる空戦機動で回避することにしたそうだ。
そんなこだわりの映像表現だったのだが、ファンの間では操舵士であるアーノルド・ノイマンの変態的な操艦の方が話題になっていたようで、これには福田監督も「どういう機動したかじゃなくて、誰がやったかが話題になってて(笑)」と苦笑気味にぼやいていた。

ちなみに福田監督の中ではミレニアムは『宇宙海賊キャプテンハーロック』に登場するアルカディア号と重なるイメージがあるらしく、物語のクライマックスに女王アウラが座乗するファウンデーション軍の旗艦グルヴェイグへの衝角攻撃のシーンでは、宇宙空間なのに吹きさらしの戦闘艦橋でマリュー・ラミアス艦長に操舵輪を回しながら艦を突入させるといったアイデアについて相談されたと重田が暴露する一幕も。さらに衝突後は「装甲服を着たラミアス艦長が巨大な対戦車ライフルを持って、長距離狙撃でアウラを殺す」というトンデモ展開を考えていたらしく、その幻のシーンについて熱弁する福田監督に客席は大爆笑。結局「時間もないし」という理由でボツになったそうで、壇上のスタッフ陣からは「よかった」と安堵の声が漏れていた。

ラストとなる話題はインフィニットジャスティスガンダム弐式が入っているズゴックについて。ここではピンクのハロの中からズゴック、そのズゴックの中からインフィニットジャスティスガンダム弐式が姿を現し、最後にアスラン・ザラが登場して紙吹雪の中「40億突破!満員御礼」の垂れ幕を挙げるといった興収40億突破記念のコミカルな動画がスクリーンに映し出され、会場は笑いの渦に。
ここで映像の制作を担当したCGチームの佐藤から、福田監督と重田に対して「ジャスティス、どうやって入ってるんですか?」と直球すぎる質問が投げかけられたのだが、「どうしたって入らない」「もう入れるの諦めました」「バンダイ驚異の開発力で」と誰もが不可能だとサジを投げた状態に。最終的に重田が「どうやって入るんですかって言われたら、アニメだからって言うしかないでしょ。それが正解です」と強引にまとめると、会場は納得の大きな拍手に包まれた。

これ以外にもミネルバが前方に翼が付いているのに、レクイエムでは後ろ側に翼が付いている理由が、福田監督がもらったメカニックデザイナーの宮武一貴からの「格好いい戦艦を作りたいなら翼は後ろにしろ」というアドバイスだったこと。さらに全体の尺を2時間で終わらせたい制作側から「どこかシーンを切ってくれ」と相談がされた監督が、冒頭の重要な夜戦シーンとなる「デストロイガンダム戦を切る」と言い出したのを、「そこは絶対ダメです」とスタッフ全員で止めたといったようなマル秘エピソードが次々に公開されることに。そんな制作現場の生の声に観客たちは興味津々といった様子で聞き入っていた。

最後の挨拶では福田監督から「皆さんが劇場に通っていただければ通っていただくほど、まだ次の展開も近くなるんじゃないかなって思います。今ちょっととある作業をしておりますので、それがかたちになるといいなと考えております」と今後の展開に含みを持たせるコメントも。
またこの日が初の劇場鑑賞となったという重田も「作り手として『いやここは』とか『うーん』と思ってるのとは別に、18年とか20年待ってくれてた人たちが喜んでくれているのを見るのは喜ばしいことではありました」と嬉しそうに語るなど、観客だけでなく登壇したスタッフ陣たちも楽しんだイベントとなったようだった。

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