“考察欲”を満たしまくる「火曜ドラマ」が話題。考えても全然わからない「2つの謎」は|ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』

画像:TBSテレビ『くるり~誰が私と恋をした?~』公式サイトより

“考察欲”を満たしまくる「火曜ドラマ」が話題。考えても全然わからない「2つの謎」は|ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』

4月23日(火) 15:46

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考察しながらドラマを楽しむ視聴方法が定着しているため、視聴者の“考察欲”を満たすドラマが毎クール放送されている。4月9日からスタートして現在2話まで放送されている『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系、火曜よる10時~)もそんなドラマだ。

本作は何者かに追われて逃げている最中に階段から落ちてしまって、目が覚めると記憶喪失になっていた緒方まこと(生見愛瑠)が主人公。まことの“元恋人”を自称するフラワーショップ「Fleur Style Recollection」の店主・西公太郎(瀬戸康史)、まことの“唯一の男友達”を自称するまことの勤務する飲料メーカー「モンドビバレッジ」の同僚・朝日結生(神尾楓珠)、まことの“運命の相手”を自称するアプリ制作会社「UBARS」の代表・板垣律(宮世琉弥)という、まことを取り囲む3人の男性と接しながらストーリーが展開される、ラブコメ要素を含んだドラマである。

記憶喪失しているからこその「羨ましい職探し」



1話では、勤務先の「モンドビバレッジ」に出社して、以前の自分がどういう人間だったのかを必死に模索するまこと。同僚と接する中で以前の自分は、本音を隠して表面的なコミュニケーションしかとっておらず、同じ部署の派遣社員・松永(菊池亜希子)に仕事を押し付けることが珍しくなかったことを知る。 過去の自分に絶望したまことは退職を決意 して、自分が好きになれる仕事を目指して転職活動を始める。

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2話では、記憶喪失になったために自分自身の得意不得意がわからず、転職活動が上手くいかずに落胆。それでも、過去ではなく今の自分自身と向き合い、「自分が働きたい」と心から思える仕事として、リングショップ「gram」で指輪職人を目指すことを決めた。一度就職すると「自分にはどのような経歴やスキルがあるのか?」という“自己分析”が必ず介入してしまい、「自分がやりたい仕事は?」ということを純粋に考えられなくなる。

まことは記憶がないことで転職活動で苦戦していたが、 むしろ記憶がないからこそ純粋な気持ちで仕事を探しており、その姿は眩しくどこか羨ましさを覚えた 。キャリアの棚卸しのやり方、大人になってからの自分らしく働ける仕事の探し方を学べる“お仕事ドラマ”としても楽しむことができそうだ。

“自称○○”で嘘をついてる人がいる?



“ミステリードラマ”としても大きな魅力を持っている本作には、大きく2つの謎がある。1つ目の謎は< まことが持っていた男性用の指輪は誰に向けたプレゼントだったのか >ということ。「指輪=恋人へのプレゼント」という認識に囚われすぎないほうが良い気もするが、メインの男性陣3人の誰かに送ろうとしていた可能性は低くない。

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指輪をプレゼントするのであればかなり親しい間柄と予想できるが、 今のところ“まことの恋人”を自称する人物は現れていない 。仮に3人の中で“まことの恋人”がいたのであれば、なぜそのことを隠しているのかも謎が残る。誰に渡す予定だったのかに加え、なぜ親しい関係であることを隠しているのかも注目したい。

そもそも、元恋人、唯一の男友達、運命の人と別々の関係性を3人は自称しているが、 まことが記憶喪失であるのを良いことに、嘘の関係を告げている人物がいるかもしれない 。3人の正体、本来の関係性も“考察しろ”だと言える。

黒づくめの男の正体は? 最後まで考察を楽しめそう



もう1つの謎は< まことが階段から落ちるキッカケを作った犯人が誰なのか >ということ。そして、この謎に付随して、まことが追いかけられていた理由も気になるところ。2話ラストでは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』(小学館刊)に登場する犯人のように、全身真っ黒の服装に身を包んだ公太郎(瀬戸)が、まことが落下したと思われる階段に姿を見せた。ここで「公太郎=犯人」と決めつけることは浅はかでしかないが、なぜそこに足を運んだのかは不気味だ。犯人の正体に関する考察は最後まで楽しむことができそうだ。

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ちなみに「公太郎が“犯行現場”に訪れて放送が終了する」という見せ方から察するに、今後も伏線やミスリードを大量に散りばめたりなど、視聴者をワクワクさせる仕掛けを多く用意してくれるように思う。実際、すでに「なぜ律(宮世)は偽装工作してまで、まことと接点を持とうとしたのか」「まことの母親の名前が加藤百合子だったが、なぜまことの苗字である緒方ではないのか」など、現在かなりの気になるポイントが散見される。

基本的にはポップな内容ではあるが、話数が進むにつれて徐々にシリアスになっていくのだろうか。謎だけではなく、作中の雰囲気も楽しみたくなるドラマだ。

<文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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