最果ての地・稚内で暮らして考えた!失敗しない地方移住と、北海道生活が向いてる人とは【漫画の作者に聞く】

地方移住で自由な時間を手に入れた

最果ての地・稚内で暮らして考えた!失敗しない地方移住と、北海道生活が向いてる人とは【漫画の作者に聞く】

4月17日(水) 20:00

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横浜育ちの学生が北海道の稚内へ就職!最北の地で目にした“北海道あるある”をつづる漫画「しろまる最北日記」。作品の中では、作者の高木さんが白丸あすか(@Asuka_Shiromaru) という架空のキャラクターとなり、現地での体験を漫画にして共感や笑いを誘っている。エピソードのテーマは「最北端(わっかない)で暮らすとは」。漫画に込める想いなどを聞いてみた。
【漫画を読む】自宅から職場まで楽ちん往復15分!田舎暮らしのメリットはほかにも


■最北端(わっかない)で暮らすとは
地方移住のメリットは、なんといっても職住近接。作者の場合は、自宅から職場まで往復でも15分。東京都心勤めなら往復2時間は珍しくない。空いた時間は自分の好きなことに有効活用できる!

地方は家賃が安い。娯楽がないから出費も少ない。その代わり車社会でマイカーの維持費がかさみ、さらに暖房費もかかるので結局トントン。しかし意味がないわけではない。もともと車好きという人なら、維持費は織り込み済みのはず。同じお金がかかるなら、渋滞知らずの北海道は絶好の環境になる。

どんな人が地方移住に向いているのか。作者は「都会は消費、地方は生産」と考える。ひたすら刺激を得て大量の情報を消費するのではなく、与えられた環境の中から自分で楽しみを見つけられるタイプの人は、地方暮らしに向いているといえそう。

「稚内に住んでよかったことは?」。その答えは「漫画」だ。地方移住による時間的余裕をベースに漫画を製作・発信し、多くの人に楽しんでもらえたことは、都会暮らしではなかなか難しかっただろうと作者は考える。

いきなり地方移住するのはおすすめしない。旅行で数日滞在するのと、実際に暮らすのではわけが違うからだ。まずは候補地で長期バイトなどの滞在をして、「ここで暮らしていける!」と判断してから移住するのがベスト。

■移住者同士で情報交換 「なんで稚内に?」と聞くのはお約束
地方移住者同士で知り合って、会話や情報交換をされたりすることは?「稚内は観光業が盛んなほか、道北の中心都市ということで各企業の最北店舗・支所がたくさんあり、全国各地から人が集まっています。〝地方あるある〟の1つかもしれませんが、初対面の会話のかなり序盤で出身地の話が出て 『なんで稚内に?』というお決まりの流れになりがちです」

地方移住系のアカウントの人から、「移住の参考になった」「作品を見て北海道生活が楽しくなった」などの言葉をもらうと、とてもうれしいそう。「稚内への移住に際して困っているという方から直接メールをいただき、可能な範囲でアドバイスをさせていただいた事例もあります。私は移住して5年と、道民としてはまだまだビギナーですが、こうして頼ったり参考にしたりしていただけると、活動をしてきてよかったと思います」

■北海道への移住に向いている人は
特に「北海道への移住」に向いているのは、どんな人なのか。主観で構わないので、と聞いてみると「作中の私のように、『マイカーを日常生活に取り入れたい人』にはおすすめです。車通勤ができれば満員電車とおさらばできますし、駐車場にも困りません。そして何より北海道は絶好のドライブコースの宝庫です。しかし、広い北海道では年間の走行距離が長くなります。加えて冬場の凍結防止剤(塩カル)が足回りを腐食させるので、車への負担が大きいです」。愛車を大切にしたい人は、普段使い用でセカンドカーの購入がおすすめとか。また、「マイカーから派生して趣味関連になりますが、『アウトドア好きな人』も自然豊かな北海道はきっと気に入ると思います」

別の角度から北海道に向いているかどうか調べる方法としては、「北海道は海に囲まれている独立した都道府県で、都市の構造や雰囲気がちょっと独特。北海道との相性を探るために、圧倒的な中心都市である『札幌を好きになれるかどうか』。これはけっこう重要だと思います。気に入ったなら、きっと北海道を好きになれるはずです」

さらに細かいところでは、「『セイコーマートにいつでも行ける』『飲みたいときにサッポロクラシックが買える』『水曜どうでしょうの新作が最速で地上波で見られる』などは、知人からうらやましがられます。これに共感できる人は北海道に住んでみてはいかがでしょうか(笑)」


■逆に、北海道への移住に向いていない人は
「第一に、『寒いところが苦手な人』は無理です。雪国の建物は暖かいですが、それでも外出時や雪かきの際は極寒の環境下に身を置かなくてはならないので、寒さに対する覚悟は道民になるための必須条件です」

また、向いている人とは正反対に『車を持つ気がない人』も厳しいという。「札幌や人口が10万を超えるある程度の都市であれば、車がなくても問題ないかもしれませんが、3万人規模の稚内では自家用車があったほうが生活が圧倒的に豊かになります。車を持たずとも生活はできますが、結果として地方移住をやめてしまう理由になりかねません」

また、「ライブやスポーツ観戦など、『イベントへの参加が趣味の人』にも北海道は酷です。三大都市圏に遠征をする際は必ず海を渡る必要があり、遠征費用が莫大なものになります」

最後に「だいぶ偏見が混じりますが」と前置きしたうえで、「『きれい好きな人』も地方暮らしに向いていません。賃貸は築年数がだいぶ経った物件が多く、公共施設、飲食店、交通機関、田舎にあるものは総じて年季が入っています。『古汚い』と感じる人は一定数いるでしょう。動物(虫)の多さも気にする人は気にしそうです」

■作品が読者と北海道をつなぐ架け橋になれば
最後に読者の方にメッセージを。「しろまる最北日記をお読みいただきありがとうございます。趣味でSNSに投稿していた漫画の中から、北海道生活に必修のエピソードを厳選してリマスターさせていただきました。こうして取り上げていただき、多くの人に最北端生活の一端をご紹介できたことを誇りに思います。作中にも描いたとおり、稚内に移住して、創作活動を続けてきて、本当によかったと思っています。『稚内ってどんな所なんだろう』『地方移住もおもしろそう』と、読んだ人が興味を持つきっかけづくりができればと思い活動を続けています。『しろまる最北日記』が皆さまと北海道をつなぐ架け橋になれば幸いです。白丸あすかの地方生活と旅の記録はまだまだ続きます。今後ともよろしくお願いいたします」




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