工務店の「部屋数を増やす提案」に乗って大後悔…ムダな出費を避けるためにすべき“たった一つのこと”

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工務店の「部屋数を増やす提案」に乗って大後悔…ムダな出費を避けるためにすべき“たった一つのこと”

4月13日(土) 8:45

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後悔の先にあるのは、絶望。人生のあらゆる場面に、あてはまる言葉です。家づくりでも言わずもがな、夢描いたはずのマイホームで絶望に打ちひしがれる人も。数千万円もの住宅ローンを、数十年にわたり払い続けるとなると、そのショックもひとしおです。

工務店の営業マンとしてスタートした住宅業界でのキャリアは18年以上。マイホーム管理アプリ「マイホム」、プリフィックス注文住宅「PlusMe(プラスミー)」などを手がける、株式会社マイホムの代表取締役・乃村一政さんは、後悔を口にするお客さんの事例を「たくさん聞いてきた」と振り返ります。

反面教師にするべき、間違った家づくりとは。お話を聞きました。

全部屋異なるクロスで「落ち着かない」



工務店には、日々「マイホームに夢を託すお客さんがたくさん訪れる」と乃村さん。その道のプロである営業マンと手を合わせ、あれもこれもと理想の実現を目指します。

ところが、自身の「好みや個性」が先に行き過ぎて後悔、絶望を味わってしまうケースも。過去には、内装のイメージを決める「クロス(壁紙)」で後悔を口にしたお客さんもいたといいます。

「かつての同僚から聞いた話ですが、各部屋で異なる色のクロスを選択したお客様がいたんです。リビング、寝室など、部屋ごとに色を変えていたので、いざ住みはじめてみるとやっぱり違和感があるんですよね。『落ち着かない』と言い、結果、全部屋の色を統一するためにクロスを張り替えることになってしまったそうです。

後々リカバーできたとはいえ、余計な出費になったのは言うまでもありません。家を買うというシチュエーションは“ハイ”の状態に陥り判断ミスを誘います。そんななかでも冷静さをもつことが大切です」

「部屋数を増やす」提案には要注意



工務店では、お客さんに「1円でも高く売りたい」と考えるだけの営業マンもいるそう。マイホームへの夢がふくらみ、テンションも上がり切ったお客さんが鉢合うと、たがいの思惑が絶妙に噛み合ってしまい、最悪のケースになることも…。

住宅業界では「必要がないとわかっていて、利益率の高い『部屋数を増やす提案』をする営業マンが多い」と裏側を明かす乃村さんは、デッドスペースに絶望を抱くのも「あるある」だといいます。

「部屋数を増やす提案は、部屋を増やす場合、追加工事金額は坪単価計算になります。しかし木造建築では、30坪の家を31坪に増やす上で、木材の追加コストはそこまで大きくならず、坪単価通りの費用が増えることは少ないです。キッチンのグレードアップや建材のグレードアップより、利益率が高くなるのです。大手ハウスメーカーに行って家の面積を小さくするとその分安くなりますか?と聞いてもらえたらすぐに分かります。比例して安くはなりません。

つまり、面積が大きくなると坪単価自体は安くなるということなんです。そのため利益率も高い。僕が聞いたのは、3人家族で4LDKの住宅を建てた方のケースでした。『将来、子どもが増えたときに』『もし増えなくても何かと便利』という営業トークに乗り設計。結局、使い道のない余分な部屋ができあがってしまい、余計な出費となってしまいました」

「振り分け間取り」の和室は結局使わない



玄関を入ると廊下をへだててリビングと客間としての和室がある「振り分け間取り」の住宅も、後悔する人が多いんだとか。一見、使い勝手もありそうですが…。

「振り分け間取りは昔の日本家屋によく見られました。和室は客間として使われることが多いですが、今の時代、お客さんを招いたとしてもリビングで談笑するわけですよ。当然、自然と和室は使わなくなって、生活を続けるうちにホコリがたまっていきます。

手を入れなければいずれは部屋も劣化していき、仕方なしに洋室にリフォームしたなどの事例も多く、やはり、間取りは慎重に検討しておくべきです」

ライフステージは具体的に思い描く



マイホームでは、家づくりに備えた「計画性」が大事。自分や家族が将来「どんな生活をしたいのか?」を具体的に、想像しておくのが肝心だと乃村さんはいいます。

後悔、絶望するタイミングには「フェーズ」があるそうですが、戒めとして覚えておくべきです。

「まず、建設中にマイホームへの違和感をおぼえる人はまれです。ほとんどの場合、完成後に引き渡されてから、つまり、住みはじめてから気が付きます。経験上では、水回りなど細部への後悔を抱くのが引き渡しから約1~3ヶ月ほど。取り返しのつかない生活動線や部屋の使い勝手など、大きな絶望を感じるのは約半年~1年ほどです。

予防するには、建設前にしっかりと計画を練るのが一番です。家づくりを検討するのは結婚、出産のような人生の転機をきっかけとする方が多いですが、ライフステージの変化を数十年先まで見越して、夫婦そろって話し合っておくのも必須。お子さんがいるなら『いずれ自立して家を出て行ったとき、子ども部屋はこう使って……』と、想像力を働かせるのが幸せな家づくりの秘けつです」

一世一代の大きな買い物であるマイホーム。家づくりは、人生をかけた大仕事になります。じわじわと苦しめられる後悔、絶望のダメージを負わぬよう慎重に、夢を実現しましょう。

【乃村一政】
(株)マイホム代表取締役CEO。1976年、奈良県生まれ。高校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)へ14期生として入学。約6年間の芸人活動を経て、訪問販売の営業マンに転身。2006年より住宅業界へ移り、2010年に奈良県でSOUSEIを設立。2021年にマイホムを設立。

<取材・文/カネコシュウヘイ>



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