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海外にも多くのファンを持つ「元祖・COOL JAPAN」｜モデルファクトリーヒロ
4月8日(月) 12:11
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ポルシェやフェラーリの名前は知っていても、モーガンやパガーニの名前を知らない”クルマ好き”はいる。模型の世界でも、タミヤや京商の名前は知っていても「モデルファクトリーヒロ」の名前を知らない”模型好き”は多い。しかし同社の送り出すモデルカーはその創業当初から、世界中のコアな模型ファンの圧倒的な支持を得ているのだ。
【画像】世界中のコアな模型ファンを虜にする、「モデルファクトリーヒロ」の模型（写真11点）
モデルファクトリーヒロ（以下MFH）」の創業者、廣美佐男（ひろ・みさお）さんはもともとプロモデラーとして、個人から依頼を受けてワンオフのモデルカーの製作を請け負うことから模型業界でのキャリアをスタートさせた。その廣さんが模型メーカーを立ち上げたのは1989年のこと。完成品の製作や模型の試作品などからスタート、メーカーとしての研鑽を積んだのち、1998年からはいよいよ自社ブランドの製品の販売を開始する。
廣さん自らの名を冠したブランド名。その製品の特筆すべき点は、徹底したこだわりである。自身が究極の"模型好きで車好き"でもある廣さんが目指したのは「俺と同じようなイカれた模型好きが世界中に多分200人くらいはいるはずだから、そいつらが喜んでくれる模型を作る」というもの。つまり最初から自分と同じ趣味嗜好の同士だけをターゲットに製品をリリースするというスタンスである。
ごく限られたマニア層をターゲットにするからにはもちろん生半可な製品では相手にされない。しかしMFHがリリースする製品は、いずれも一般的な組み立てキットの常識を遥かに超えた内容で、その狙い通りに世界中の（極少数の）コアな模型ファンから圧倒的な支持を得た。
例えば昨年7月にリリースされた1/12スケールのコブラ・デイトナ・クーペ。ホワイトメタル、ウレタン樹脂、金属挽き物、エッチングパーツ、ゴムなどを使用したマルチ・マテリアル・キット。シャシーナンバー”CSX2601”か”SX2286”のどちらかを選んで再現する内容となっており、個体の差異を再現するために選択パーツも複数用意されるという徹底振りだ。
パーツ点数はボディカウルからリベット類まで全て含めると、実に約2,800点という膨大な数になる。一般的な1/12のプラモデルに比べて10倍近くの部品数といえば、その高解像度ぶりも想像できよう。当然価格も10万4500円（税込）と決して安くはないが、その内容を考えればむしろバーゲンプライスか。そして全世界には、ここまでの内容でなければ満足できない”イカれた模型好き”が、何百人かは存在するのである。
模型業界をはじめ、昨今は社外の工場にアウトソーシングすることが当たり前の製造業であるが、MFHは企画・設計からパーツの製造、パッケージまで、一貫して自社内で完結させていることも特徴だ。同社は創業時より”MADE IN JAPAN”にこだわり、その製品パッケージには敢えて漢字を強めに表記したりと、海外の日本製品ファンをも意識した戦略もとってきた。創業から四半世紀、今やMFHの名は欧米やアジア諸国を中心に世界的に知られるブランドとなっている。
好事魔多し。あれだけパワフルにMFHの陣頭指揮をとっていた廣美佐男さんであったが、突如病に倒れ2023年の6月に急逝。模型業界に激震が走った。しかしその告別式の席で奥様の京子さん、気丈に喪主を務めた娘の絵梨花さんが「故人の遺志は私たちが引き継ぎます」と宣言。廣さんと共に模型を作り続けてきた27名のスタッフと共に、MFHは新たな時代に向けた一歩を踏み出したのである。
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COBRA COUPE
1965年のデイトナ2000kmレース、セブリング12時間レース、そしてル・マン24時間レースに出場した”CSX2601”か”CSX 2286”のどちらかを選択するコンバーチブルキット。デカールは4種類が用意される。写真はル・マンに出場したCSX2601を再現したメーカーの完成見本。
MFH 1/12フルディテールキット／コブラ・デイトナ・クーペ／10万4500円（税込）
BT45
新作のブラバムBT45。画像は”赤マルティーニ”カラーが印象的な1976年U.S.GP West仕様。同社の完成見本作例のほとんどは、スタッフの山崎さんが手がける。ご覧の通り、モデルのアッパーカウルは取り外しができ、完成後も内部構造を見ることができる。
MFH 1/12フルディテールキット／ブラバムBT45／8万2500円（税込）
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文：長尾 循写真：雨田芳明
Words：Jun NAGAOPhotography：Yoshiaki AMADA
協力：モデルファクトリーヒロ
https://www.modelfactoryhiro.com/
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モデルファクトリーヒロ（以下MFH）」の創業者、廣美佐男（ひろ・みさお）さんはもともとプロモデラーとして、個人から依頼を受けてワンオフのモデルカーの製作を請け負うことから模型業界でのキャリアをスタートさせた。その廣さんが模型メーカーを立ち上げたのは1989年のこと。完成品の製作や模型の試作品などからスタート、メーカーとしての研鑽を積んだのち、1998年からはいよいよ自社ブランドの製品の販売を開始する。
廣さん自らの名を冠したブランド名。その製品の特筆すべき点は、徹底したこだわりである。自身が究極の"模型好きで車好き"でもある廣さんが目指したのは「俺と同じようなイカれた模型好きが世界中に多分200人くらいはいるはずだから、そいつらが喜んでくれる模型を作る」というもの。つまり最初から自分と同じ趣味嗜好の同士だけをターゲットに製品をリリースするというスタンスである。
ごく限られたマニア層をターゲットにするからにはもちろん生半可な製品では相手にされない。しかしMFHがリリースする製品は、いずれも一般的な組み立てキットの常識を遥かに超えた内容で、その狙い通りに世界中の（極少数の）コアな模型ファンから圧倒的な支持を得た。
例えば昨年7月にリリースされた1/12スケールのコブラ・デイトナ・クーペ。ホワイトメタル、ウレタン樹脂、金属挽き物、エッチングパーツ、ゴムなどを使用したマルチ・マテリアル・キット。シャシーナンバー”CSX2601”か”SX2286”のどちらかを選んで再現する内容となっており、個体の差異を再現するために選択パーツも複数用意されるという徹底振りだ。
パーツ点数はボディカウルからリベット類まで全て含めると、実に約2,800点という膨大な数になる。一般的な1/12のプラモデルに比べて10倍近くの部品数といえば、その高解像度ぶりも想像できよう。当然価格も10万4500円（税込）と決して安くはないが、その内容を考えればむしろバーゲンプライスか。そして全世界には、ここまでの内容でなければ満足できない”イカれた模型好き”が、何百人かは存在するのである。
模型業界をはじめ、昨今は社外の工場にアウトソーシングすることが当たり前の製造業であるが、MFHは企画・設計からパーツの製造、パッケージまで、一貫して自社内で完結させていることも特徴だ。同社は創業時より”MADE IN JAPAN”にこだわり、その製品パッケージには敢えて漢字を強めに表記したりと、海外の日本製品ファンをも意識した戦略もとってきた。創業から四半世紀、今やMFHの名は欧米やアジア諸国を中心に世界的に知られるブランドとなっている。
好事魔多し。あれだけパワフルにMFHの陣頭指揮をとっていた廣美佐男さんであったが、突如病に倒れ2023年の6月に急逝。模型業界に激震が走った。しかしその告別式の席で奥様の京子さん、気丈に喪主を務めた娘の絵梨花さんが「故人の遺志は私たちが引き継ぎます」と宣言。廣さんと共に模型を作り続けてきた27名のスタッフと共に、MFHは新たな時代に向けた一歩を踏み出したのである。
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COBRA COUPE
1965年のデイトナ2000kmレース、セブリング12時間レース、そしてル・マン24時間レースに出場した”CSX2601”か”CSX 2286”のどちらかを選択するコンバーチブルキット。デカールは4種類が用意される。写真はル・マンに出場したCSX2601を再現したメーカーの完成見本。
MFH 1/12フルディテールキット／コブラ・デイトナ・クーペ／10万4500円（税込）
BT45
新作のブラバムBT45。画像は”赤マルティーニ”カラーが印象的な1976年U.S.GP West仕様。同社の完成見本作例のほとんどは、スタッフの山崎さんが手がける。ご覧の通り、モデルのアッパーカウルは取り外しができ、完成後も内部構造を見ることができる。
MFH 1/12フルディテールキット／ブラバムBT45／8万2500円（税込）
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文：長尾 循写真：雨田芳明
Words：Jun NAGAOPhotography：Yoshiaki AMADA
協力：モデルファクトリーヒロ
https://www.modelfactoryhiro.com/
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