ヴィム・ヴェンダース監督が描く脅威の立体ワールド!映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』予告編解禁

映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』場面写真 (C)2023, Road Movies, All rights reserved.

ヴィム・ヴェンダース監督が描く脅威の立体ワールド!映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』予告編解禁

4月8日(月) 8:00

ヴィム・ヴェンダース監督が手掛けたドキュメンタリー映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』より、予告編と新たな場面写真7点が解禁された。

【写真】アンゼルムの芸術作品が目の前に存在するかのような圧倒的没入感!映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』予告編

本作は、戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。監督は、『PERFECT DAYS』(2023)で第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。

アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。ヴェンダース監督と同じ1945年生まれであり、初期の作品では、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼をやゆする作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。

1993年からはフランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂をささげ続けている。

本作は制作に2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。従来の3D映画のような飛び出す仕掛けではなく、絵画や建築が立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求した。「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」とヴェンダース監督は語る。

キャストには、アンゼルム・キーファー本人のほか、アンゼルムの青年期を息子のダニエル・キーファー、幼少期をヴェンダース監督の孫甥(うまごおい)アントン・ヴェンダースが演じている。

予告編は、広大なアトリエの床に寝そべる、上半身が裸のアンゼルム・キーファーの自由奔放な姿に始まり、その代名詞とも言える巨大な芸術品を作りだす秘密に迫る。「ナチス、戦争、神話、文学…… アンゼルムは傷ついた世界を創造する―」というナレーションに重なるように、その歴史的背景を感じずにはいられない立体的な作品が眼前に迫ってくる。ヴィム・ヴェンダース監督が2年の月日をかけて映像化した、アンゼルムの芸術作品の全貌が“圧倒的没入感”で立ち現れ、「まだ高みに到達していない。私は止まらないんだ」と、進化を止めようとしないアンゼルムの声が静かにそして高らかに響く予告編となっている。

新たな場面写真は、アンゼルムのインタビューカットや、ナチス式の敬礼をする自身の姿を撮影したシリーズ「占領」の一枚のほか、アンゼルムの幼少期を演じるヴェンダースの孫甥アントン・ヴェンダースや、青年期を演じるアンゼルムの息子ダニエル・キーファーのカットも追加された。また、巨大な作品の前にたたずむ、アンゼルムとヴェンダース監督のスチール写真も解禁となった。

映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』は、6月21日より全国順次公開。

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