コロナ禍が落ちつき、訪日外国人客がコロナ禍以降最多を記録する中、新たな一面からも“JAPAN”が注目を集めている。
■ディズニープラスで独占配信
「2月から動画配信サービス『ディズニープラス』で独占配信されているドラマ『SHOGUN将軍』が大ヒット中です。配信開始から6日間で、全世界で900万回の再生を記録しました」(テレビ誌記者)
世界中の視聴者を魅了する、その内容は。
「時代設定は、関ヶ原の合戦の直前あたりで、ライバルの策略で追いつめられた、
徳川家康
を思わせる武将の虎永(
真田広之
=63)が主人公です。彼が、日本にやって来た英国人航海士の按針とともに、苦境を脱して、天下獲りを目指す話が軸になりそうです」(前同)
■浅野忠信や二階堂ふみ出演
真田以外にも、
浅野忠信
(50)や
西岡徳馬
(77)、
二階堂ふみ
(29)ら、演技のできる日本人俳優を多数、起用しているが、制作はハリウッド。『トップガンマーヴェリック』の原案を担当したジャスティン・マークスが手がけており、映像からあふれるスケールの大きさに、驚きの声が上がっている。
「按針が船乗りだったためか、海上シーンにこだわりがある印象。CGですませず、黒船などが実物大で再現されています。そのため、按針が嵐に巻き込まれたり、敵と戦うシーンでは、迫力が違いました」(同)
■時代劇の専門家を招きハリウッド製作
かつてのハリウッド製作の“JAPANモノ”は、外国人目線で捉えた、どこか奇妙な日本が描かれがちだった。だが、本作に限れば、その点は杞憂だという。
◆千葉真一仕込みの殺陣
「主演の真田が、制作に加わっていることが大きいでしょう。“正しい日本文化を世界に伝えたい”と公言していて、日本から時代劇の専門家を招いたそうです。
彼が刀を構えて、敵と戦うシーンでは、師である
千葉真一
さん仕込みの殺陣が見られます」(映画関係者)
◆設定の説得力
原作は、ジェームズ・クラベルの小説『SHOGUN』。序盤では、英国人である按針が、すでに日本でキリスト教の布教を進めていたポルトガルの宣教師たちと、激しく対立している。
「虎永を追いつめる武将たちの間にも、宣教師との距離に違いがあります。まず、虎永はそれを利用して、仲間割れを狙おうと企んでいるようです」(前同)
その設定に説得力はあるのか。
■跡部蛮「徳川家康は三浦按針の賢さを買った」
本誌連載でもおなじみの歴史研究家・
跡部蛮
氏は、こう言う。
「ポルトガルはカトリックの国。彼らは、按針のモデルである三浦按針(ウィリアム・アダムス)のようなプロテスタントの英国人たちを警戒していました。そのため、家康に“どこの国民をも襲う強盗か泥棒だ”と告げ口していたんです」
だが、家康は宣教師の話を鵜呑みにしなかった。
「按針の賢さを買ったんでしょう。敵対する宣教師ですら“頑固な異教徒”で、“聖書に対する理解と解釈は誤っている”と批判しつつ、“頭脳明晰”と褒めていたほどです」(前同)
◆天下を狙うストーリーも納得
そのため、家康を思わせる人物が按針の力を借りて、天下を狙うというストーリーも、納得できるという。
「昨年12月、家康を主人公にしたNHK
大河ドラマ
『
どうする家康
』が終わったばかりですが、歴史を大胆にアレンジして、スケールの大きい作品に仕上げた点で、『SHOGUN』は見事ですね」(同)
一度、見てみる価値はありそうだ。
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