「世界が惚れた!」二階堂ふみ“落葉の方”、アンナ・サワイ“鞠子”…卓越したオーラを放つ強く儚い女性たち<SHOGUN 将軍>

二階堂ふみ演じる“落葉の方”/(C)2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

「世界が惚れた!」二階堂ふみ“落葉の方”、アンナ・サワイ“鞠子”…卓越したオーラを放つ強く儚い女性たち<SHOGUN 将軍>

3月30日(土) 11:10

「正しく日本を描く」を旗印に真田広之が主演&プロデュースを務め、ハリウッドの制作陣が手掛けるディズニープラス「スター」オリジナルドラマ「SHOGUN 将軍」(全10話/毎週火曜に配信)が、初回配信から1カ月が経過した今も映画批評サイト「Rotten Tomatoes」のレビュー評価で99%フレッシュをキープ(3月28日時点)するなど、世界から高評価を集めている。その一因として考えられるのは、大和魂を持つハリウッドスター・真田が自ら陣頭指揮を執る形で日本人キャスト・スタッフを適材適所に配置し、慎重に制作が進められた本格的な戦国スペクタクルであること、そして魅力的な女性キャラクター&キャストの存在だろう。戦国時代を描く作品はどうしても男性武将が目立ち、内助の功で夫や主君を盛り立てる“日陰に咲く花”のごとき扱いをされることが多い女性陣だが、今作は決してその限りではなく、どこか儚く、そして強い女性たちの活躍ぶりが色濃く映し出されている。SNSでは海外の視聴者からも女性陣に多くの反響が寄せられており、それを見た日本の視聴者が「世界が惚れた!」と驚く様子も見られる。男性が、女性が、と区切るのは甚だ時代錯誤であり、不適切にもほどがある!という声もあるかもしれないが、「※戦国時代の話です」という注釈付きでご容赦願い、今回はあえて本作の女性たちの活躍ぶりを掘り下げる。(以下、ネタバレを含みます)
【写真】話題のラブコメドラマから印象ガラリ…!ゾクゾクする存在感を放つ二階堂ふみ演じる“落葉の方”

■「SHOGUN 将軍」とは

同作はジェームズ・クラベルのベストセラー小説を原作に、「トップガン マーヴェリック」の原案を手掛けたエグゼクティブプロデューサーのジャスティン・マークスらに加え真田も制作に名を連ね、ハリウッド制作陣が本気で作り上げた戦国スペクタクル。日本に漂着したイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(按針=コズモ・ジャーヴィス)の視点から戦国の陰謀と策略を描くドラマで、配信最新回となる第6話では、“戦国の女たち”がそれぞれの立場で戦う姿がしっかり描かれた。

今作における“戦国の女たち”の中で、最初に脚光を浴びたのはガールズグループ・FAKYのリーダー、Annaとして活躍していた時期もある国際派俳優アンナ・サワイが演じる戸田鞠子。細川ガラシャにインスパイアされた鞠子は、キリシタンの心と侍の心の両方を併せ持った人物で、繊細でありながら芯の強さを持っている。通訳として流ちょうな英語を話し、凛とした佇まいは画面に登場するだけで華がある。

見た目の美しさだけでなく、直情的な按針が話す乱暴な言葉をお偉方に訳して伝える際には按針が不利にならないようさりげなくマイルドにしてみたり、お互いが傷つかないように言葉を足してフォローしたり、時にはその場を丸く収めるように違う意味で伝えたり、常に冷静で機転が利く人物だ。もちろんどんなときも主君を立てることは忘れておらず、現代であれば優秀な社長秘書のような立ち回りだ。

それに加えて第3話で、山道を進む吉井虎永(真田)一行に対し、闇に紛れた敵が崖上から攻撃を仕掛けてきた場面では、鞠子は虎永を守るべくなぎなたを手に応戦する。

着物姿で動きにくいにもかかわらず、なぎなたを素早くコントロールしながら敵の刀に対抗する姿は名うての戦国武将にヒケを取らないぐらい勇ましかった。サワイが今作の役作りでトレーニングを重ねて習得した身のこなし、見応えある殺陣シーンには視聴者からも「こんなにも動けるの!?」「鞠子様のなぎなた、カッコいい!!」「殺陣の迫力がすごい」といった興奮の声が飛び交った。

■誇り高き按針の正室“藤様”に世界が注目

第4話で国内外から注目されたのは、虎永の忠臣である戸田広松(西岡徳馬)の孫娘・宇佐見藤(穂志もえか)だ。藤は由緒ある武家の姫として育てられたものの、嫁ぎ先がお家取り潰しの憂き目に遭い、夫と幼い子を失ってしまった悲劇のヒロイン。しかも悲しみが癒えぬうちに、今度は旗本に取り立てられ、正室が必要になった按針のもとへ嫁げという非情な命令を下される。

抵抗感を示しつつも藤は按針の正室に納まると、務めを果たすべくけなげに家を切り盛り、按針と食事を共にし、言葉は通じないながらも心を通わせるよう努めていく。そんな中、樫木藪重(浅野忠信)の甥で網代村を取り仕切る樫木央海(金井浩人)が按針に高圧的な態度で迫り、按針が激怒するという一幕が。按針が央海に銃口を向けると、後ろで成り行きを見ていた藤は「私に銃をお預けくださりませ」と“夫”に伝え、両手を差し出す。按針から銃を受け取ると、銃を取り上げようとした央海に対して銃を構え、夫を守るべく「お引き取りくださりませ」とピシャリ。

この一件以来、どこか愁いを帯びた雰囲気を持つ穂志の好演も相まって、“藤様”の人気はうなぎ上り。穂志のSNSには「藤様かっこよすぎてファンになった!」「藤様に惚れた」「世界で最も美しい!」「最も好きなキャラクターだ」「演技も素晴らしい」など、特に海外のファンから大きな反響が。本人も「第4話が配信されてから、様々な国からたくさんのメッセージやリアクションをいただいて、本当に驚いています!」と驚きを隠せない様子でSNSに心境をつづったが、それもうなずける見事な立ち回りだった。

■当代きっての人気遊女・菊

第6話では全国にその名を轟かせる遊女・菊(向里祐香)に注目が集まった。もともと藪重や央海ら“上客”を複数抱える超売れっ子の遊女だったが、大地震で虎永の命を救った按針に与えられた“褒美”として按針にあてがわれた。持ち前の美貌や体を重ねる行為のみならず、待合茶屋での「お酌」の美しさ、思わずゾクゾクさせられるなまめかしい言葉使い、妖艶な立ち居振る舞いには、按針の通訳として茶屋に同席した鞠子も冷静でいられなくなるほど。当代きっての人気遊女の看板に偽りなしを知らしめるには十分のシーンだった。

演じる向里のSNSにも「Amazing!!」「サワイさんとの演技も映像も素晴らしかった」「素晴らしい演技でした」「優雅」などと、こちらも特に海外からの賛辞が多く寄せられている。


■“ラスボス”感たっぷり…!落葉の方の類いまれなオーラ

そして女性キャラクターで忘れてはいけないのが、“ラスボス”感たっぷりに第5話から本格的に登場してきた落葉の方だろう。“淀君”にインスパイアされたキャラクターである落葉の方は、亡き太閤の側室であり、唯一“世継ぎを産んだ人物”として大きな影響力を持っている女性。

2023年に放送された「どうする家康」(NHK総合ほか)では、登場シーンから強烈で、それこそラスボス的な扱いをされた淀君は、北川景子の怪演によって“悪女”の印象も強かったが、二階堂演じる落葉の方はまたひと味違うミステリアスな怖さを持っている。一見とてもしとやかにゆったりと話しているのだが、その裏には当たったら相手を粉々に吹き飛ばす大砲のような破壊力を内包しているようで、まともに対峙(たいじ)したら大老の石堂(平岳大)ならずとも圧倒されるようなオーラを感じる。

それは太閤の子をなすため、大蓉院(AKO)に苦い薬草で酔わされ、“口にできぬようなこと”を強いられた壮絶な過去を経て、きっちり“世継ぎの母”という地位を手に入れたからこそ持つ強さなのか。第5話、6話とも出演シーンは特別多かったわけではないものの、一気に話の主役に躍り出る存在感を見せ、「今週も落葉の方の怪演ですべて吹っ飛んだ」「落葉の方のラスボス感がたまらない!」「全部持っていく落葉の方」「落葉の方が怖すぎる」といった声が上がっていた。

折り返しを過ぎ、後半戦に入った「SHOGUN 将軍」。虎永に対する強い憎悪の念を持つ落葉の方は、今後ますます出演シーンも増え、強烈なオーラで視聴者を圧倒してくれそうだし、彼女以外の戦国時代を生きた儚く強い女性たちの活躍ぶりにも期待は高まるばかり。もしタイムパラドックス的に許されるのであれば、強引にバスに乗り込んでタイムスリップをしてでも先のストーリーを早く見たいものだ。

次回第7話は、4月2日(火)に配信される。

◆文=月島勝利(STABLENT LLC)



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