鈴木おさむが、宮藤官九郎に嫉妬して連ドラ脚本から離れていた過去を明かす<最強の時間割>

「TVerで学ぶ!最強の時間割」に放送作家の鈴木おさむが講師として登場/(C)TVer

鈴木おさむが、宮藤官九郎に嫉妬して連ドラ脚本から離れていた過去を明かす<最強の時間割>

3月18日(月) 17:00

民放公式テレビ配信サービス・TVer初の完全オリジナル番組「最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜」シーズン2のLesson16が3月15日に放送された。今月に放送作家人生に幕を閉じる鈴木おさむが登場。小池徹平、篠田麻里子、水野美紀、尾田栄一郎など、これまでに仕事で関わってきた人たちから学んだ人生哲学を語った。
【写真】鈴木おさむが語る経験談を真剣に聞く秋元真夏

■「最強の時間割」とは

「最強の時間割 ~若者に本気で伝えたい授業~」は、さまざまな業界のトップランナーを講師として招き、学生や社会人に「知っておいてよかった」と思える“考え方のヒント”を届ける民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」の完全オリジナル番組。

2022年12月から約半年にわたり、放送された同番組が好評を受けて帰ってきた。シーズン2は11月3日よりスタートし、シーズン1に引き続きラランド・ニシダが副担任役、ラランド・サーヤが生徒役。そして新しく生徒役として元乃木坂46の秋元真夏が参加する。

■篠田麻里子と小池徹平の度胸に驚愕

今回の講師は、150本以上の番組に放送作家や脚本家として携わってきた鈴木おさむだ。わずか19歳で放送作家デビューを果たし、バラエティ番組では「SMAP×SMAP」や「めゃめちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)などを担当。ドラマでは「ブスの瞳に恋してる」(フジテレビ系)や「奪い愛、冬」(テレビ朝日系)、映画では「ラブ★コン」「ハンサム★スーツ」などの脚本を手がけてきた。そして、すでに宣言しているように、今年3月に32年の放送作家人生に幕を下ろす鈴木が、これまでに関わってきた共演者やクリエイターから学んだ人生哲学について語る。

鈴木が最初に教材として紹介したのは、先日最終回を迎えたドラマ「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」(テレビ朝日系)だ。同作は鈴木が脚本家として最後に手がけた作品。妻に不倫された夫の逆襲劇を描くブラックコメディで、過激な内容が話題となり、見逃し配信数2700万回を突破した。その主要キャストである小池徹平と篠田麻里子から、鈴木は仕事へのプライドや度胸を教わったという。

どうせ最後になるのだから、深夜に流れていたセクシーシーンが多いドラマに挑んでみたいという気持ちで作品づくりに向き合った鈴木。誰ならこのオファーを受けてくれるかと考えたときに、パッと頭に浮かんだのが篠田だった。彼女を口説き落とすためにプロデューサーがかけたのが、「やって失敗する可能性もあるけど、成功する可能性もある。だけどやらなかったら何も変わらない」という言葉だ。

この言葉で篠田は出演を決意。その不倫相手として、鈴木脚本の「奪い愛、夏」(AbemaTV)で水野美紀、松本まりかとのドロドロの三角関係に巻き込まれていく役で出演した小池を抜擢した。それは同作の1話に出てくる過激なセリフを小池の申し出で差し替えたが、打ち上げで「あの言葉を言えなかったことを後悔しています」と言われたのがきっかけ。そんな小池のために当て書きで、今作では大きな話題を集めた“綾香汁”などの過激極まりないセリフを多数用意したという。

元アイドルにもかかわらず、120%の力で役に挑んだ2人から鈴木が教わったのは振り切ることの大切さ。そうすることによって新たな道が開けるかもしれないと学んだ。

■「40代でも人生の新しいページは生まれる」と教えてくれた水野美紀

続いて、鈴木が教材として提示したのは2002年に手がけたドラマ「人にやさしく」(フジテレビ系)。若者たちと少年の友情を描いたヒューマンドラマで、香取慎吾が主演を務めた。両親に捨てられた少年・明を演じた須賀健太の演技も話題に。当時29歳だった鈴木は「慎吾ママ」のドラマがヒットしたことを受け、SMAPのマネージャーと祝勝会で飲んでいたところ、テレビドラマプロデューサーの大多亮の鶴の一声で連ドラ作家デビューが決まったという。

初めて手がける連ドラが月9。しかも主演が香取と、かなり恵まれているように思えるが、鈴木はある人物に嫉妬していた。それは同クールで「木更津キャッツアイ」を手がけていた脚本家の宮藤官九郎だ。同作は2度も映画化された人気青春ドラマ。「ひとにやさしく」の方が視聴率は取れていたとはいえ、あまりの評判に嫉妬を隠せなかったという。当時、まだバラエティの癖が抜けなかった鈴木は初めてのドラマ脚本に一杯いっぱいだった。一方で、宮藤楽しそうに見えて、鈴木は「いいなぁ……」と思ったそう。


あまりの悔しさにしばらく連ドラから離れていた鈴木。そんな中、「踊る大捜査線」(フジテレビ系)シリーズなどに携わってきた本広克行監督から「どんな仕事も誰かが必ず見てくれる」という言葉をかけてもらったという。その例として、鈴木は女優・吉田羊が演じた小さな役が中井貴一の目に留まり、次の仕事が決まったというエピソードをあげ、「だからこそ油断しない方がいいですよ」と生徒たちにアドバイスを送った。

さらに鈴木は「奪い愛、冬」を紹介。二組のカップルが壮絶な略奪愛を繰り広げる深夜ドラマで、“ドロきゅん”という言葉が話題になった。「不倫ドラマをやりませんか?」と話が来たのは、ちょうど担当していた番組「SMAP×SMAP」」が終了した2016年頃。燃え尽き症候群だったことに加え、妻・大島美幸(森三中)と2009年に「パートナー・オブ・ザ・イヤー 」を受賞したこともあり、不倫ドラマには抵抗が。しかし、「このドラマは5分に1回、変なことが起こりたい」と言われ、変なことを考えて、そこからストーリーを編み出していくドラマの作り方に「これは面白い!」と感じた鈴木は話に乗った。

例えば第3話では、水野美紀演じる妻がクローゼットに隠れ、夫の浮気の瞬間を目撃するシーンがある。夫が浮気相手とキスしていたその時、クローゼットが開き、「ここにいるよ〜!」と妻が登場。このシーンは同作の代名詞とも言え、ヒットのきっかけとなった。これも、面白いだろうなと思ったアイデアをストーリーに組み込んだ形となる。そのやり方が鈴木の性にぴったりと合った。同作での怪演が大きな話題となった水野。彼女から鈴木は「40代でも人生の新しいページは生まれる」ということを教わった。

■漫画家・尾田栄一郎から学んだクリエイター術とは?


そんな鈴木は最後に、2012年に脚本を手がけた「ONE PIECE FILM Z」を紹介する。言わずもがな、尾田栄一郎原作の世界的人気アニメ「ONE PIECE」の劇場版だ。もともと、原作のファンであることを公言していた鈴木の元にある時、フジテレビのプロデューサーから連絡が入り、オファーされたのがきっかけ。最初は好きすぎて断ったが、尾田と話す機会をもらった。

「本当にルフィみたいな人で少年みたい」と鈴木は尾田の印象を語る。そんな尾田が映画にも関わるからと、当時まだ連載されていない物語の構想について話し始めたという。すごく楽しそうに話した後、「面白くないですか?」と言った尾田に感銘を受けた鈴木。自分が面白いと思ったことは堂々と言える人でありたい。そう思った。

こうしてオファーを引き受けた鈴木は産みの苦しみを味わう。“NEO海軍総帥”ゼットのキャラクターを作る上では、尾田から「とにかく敵を強くしてくれ」と要望があった。その要望に応じて、どんどん強くしていった結果、最終的に「今のルフィでは勝てません。どうします?」という質問を投げかけられたそう。そこから今度は「どうやったら勝てるか?」という観点からキャラクターの弱点を作っていった。「最初からゴールを決めたキャラクターは世の中がワクワクしない」ということに気づいた鈴木。尾田から学んだクリエイター術を「離婚しない男」をはじめ、他の仕事にも応用してきた。

40代をどう生きるかが大事、と鈴木は言う。鈴木自身、40代以降も精力的に活動し、色々なことをやってきた。その上で3月に作家引退を決意。心情的には今のキャリアを手放すことの恐れよりも楽しみの方が大きいという。これから新しいことにチャレンジしたいと考えている鈴木だが、その内容はまだ秘密とのこと。

最後に、番組恒例の「カッコいい大人とは?」という質問に、鈴木は「何歳でもワクワクしている人」と回答。「60代でも70代でもワクワクしてることを語れる人は素敵です」と語り、エンディングトークでは「バカリズムの後はサーヤと思っている」とサーヤに脚本づくりを勧めた。

■文/苫とり子



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