大沢たかお主演『沈黙の艦隊』も大ヒット!「海上自衛隊vs米第7艦隊」もし戦わば

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大沢たかお主演『沈黙の艦隊』も大ヒット!「海上自衛隊vs米第7艦隊」もし戦わば

3月16日(土) 7:00

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劇中描かれた 自衛官の神業 は本当なのか!?通常型潜水艦は原潜 に太刀打ちできないのか!?護衛艦の戦闘力は日米互角、 空母は米軍が世界最強!戦況を一変させる超兵器レールガンは日本が開発リード、日米連携なら 中国海軍 は手も足も出ないのか!?…e t c.

たった1隻の原子力潜水艦が世界を翻弄!話題作の戦闘場面を実在の戦力と照らし合わせ完全検証した!

■人気漫画を実写化

アマゾンプライムビデオで配信中のオリジナルドラマ『沈黙の艦隊シーズン1〜東京湾大海戦〜』(全8話)が、大ヒットしている。

「配信後わずか4日間で、実写作品の国内視聴者数歴代1位を記録。ネット上では〈元海上自衛官を艦長とする日本初の原子力潜水艦(以下、原潜)がアメリカの第3・第7艦隊を敵に回し、翻弄する様が小気味いい〉〈あっぱれ!日本政府がアメリカ相手に対等外交を繰り広げようとしている〉などのコメントがあふれています」(テレビ誌ライター)

同作は累計発行部数3200万部突破の大人気コミック『沈黙の艦隊』(作・かわぐちかいじ=講談社)を実写化したもの。ドラマ版での最大の見どころは、東京湾を舞台に繰り広げられる米第7艦隊との息詰まる大海戦だが、まずは、あらすじを紹介しよう。

■巡航ミサイルにチャフを搭載し

物語の主役は、日米政府共同で極秘裏に建造した最新鋭の原潜『シーバット』。所属は米第7艦隊、乗組員は海上自衛隊員で構成され、その艦長を務める海江田四郎( 大沢たかお )が、試験航海中に同艦を乗っ取り、独立国家『 やまと 』の建国を全世界に宣言する。

『シーバット』がテロリストに乗っ取られたと断じ、総攻撃を図る米海軍だが、海江田は巧みな操艦技術で彼らを翻弄。日本との同盟を求め、東京を目指す 。

「実写版では、現役で実在する艦艇や新兵器の登場も見どころ。『シーバット』が第3艦隊の空母『エイブラハム・リンカーン』を沈めるシーンでは、潜水艦発射の巡航ミサイルにチャフ(電波欺瞞紙)を搭載。敵空母のレーダーを攪乱し、その隙に魚雷を命中させるんです」(軍事ライター)

さらに、軍事フォトジャーナリストの菊池雅之氏が、こう補足する。

「そのチャフを撃った方法は、昨年12月にロシア軍がウクライナ各地に長距離攻撃を行った際、ロシアのKh-101巡航ミサイルに搭載して空中散布した映像が公開され、話題になりました。それが、実戦で巡航ミサイルからチャフを撃った初めての事例でした」

■玉木宏演ずる深町洋の神業

さて、あらすじに戻ろう。日本政府は『シーバット』が核兵器を搭載している可能性を懸念し、日米同盟の下、協力を求めるアメリカ政府の意に反し、『シーバット』の保護を決断。横須賀基地から海上自衛隊第2護衛隊群の出動を命じる。

『シーバット』は米第7艦隊の追撃を振り切り、東京湾へ入ると、海江田は単身、東京に上陸。独立国家「やまと」は日本政府と同盟を結ぶが、アメリカ政府は、なおも執拗に『シーバット』の撃沈を図り、第7艦隊によって東京湾が封鎖される。

海江田のライバルで、海上自衛隊第2潜水隊群所属の通常型潜水艦『たつなみ』の艦長・深町洋( 玉木宏 )は、『シーバット』護衛のため、楯となる覚悟を決める。

「シーズン1最大の山場が、東京湾での大海戦。海自の第2護衛隊群が展開する中、第7艦隊と『シーバット』、それを護衛する『たつなみ』の間で戦闘が繰り広げられ、結果、第7艦隊は2隻の原潜を失い、『たつなみ』も大破して沈降します」(前出の軍事ライター)

■艦長の資質が重要

その際、注目すべきは、海江田と深町、2人の艦長の神業的な操艦技術の高さだ。前出の菊池氏が言う。

「海上艦艇であれ、潜水艦であれ、艦は車のようにすぐ停まれません。艦長の命令が1秒遅れただけで命取りになりかねず、艦長の資質が特に重要となります」

劇中の戦術は実戦でも通用するのか。さらに、原潜たった1隻で第7艦隊を翻弄することは可能なのか。専門家の分析を基に、リアル版『沈黙の艦隊』を検証してみよう。

■モーツァルトの交響曲を大音量で流して攪乱

まず、『シーバット』艦長の海江田がモーツァルトの交響曲(41番ジュピター)を大音量で流して攪乱し、米原潜『キーウェスト』に魚雷を命中させるシーン。

「スプーン一つ落としても敵に位置を知られてしまう状況で大音量を流すと当然、敵艦に伝わります。劇中ではその音量や自艦の速度を秒刻みに調整していました。

敵艦からしたら、音が小さくなったから相手が遠のいたと判断するのか、それとも、そうでないのか、その音に惑わされ、敵艦がどこにいるのか、分からなくなってしまうわけです」(菊池氏)

■“体当たり戦術”も実戦で使える

さらに、『たつなみ』艦長が見せた“体当たり戦術”も実戦で使えるという。東京湾大海戦で、『シーバット』の楯となった『たつなみ』。

艦長の深町は、米軍の原潜が発射した魚雷を「遅発信管」タイプだと判断し、船体で数発の魚雷を弾き飛ばす戦術に出た。これは、着弾した瞬間に爆発するタイプと違い、装甲や外壁を突き破ってから時間差で爆発する魚雷だ。

「着弾してもすぐ爆発しないわけですから艦に魚雷が当たっても、その時点ではただの鉄の塊にすぎません。したがってそれを弾き飛ばすことは可能です」(前同)

■通常型と原潜の違い

では、『たつなみ』のような通常型でも、原潜相手に戦いを挑めるのだろうか。その前に通常型と原潜の違いは確認しておく必要があろう。軍事ジャーナリストの井上和彦氏が説明する。

「通常型は、ディーゼルエンジンで発電し、電池に蓄電する。その電力でモーターを回して推進力を得ています。したがって蓄えた電力がなくなってくると、再びディーゼルエンジンを回すために空気を吸入する必要があり、一度、海面に浮上しなければなりません」

対して原潜は、長期間、海中に潜り、隠密行動を取ることができる。

「原子の熱で水蒸気を発生させて蒸気タービンを回し、推進力を得ているので、空気を吸入する必要がありません。長い間、海面に浮上せずに航行できるんです」(前同)

■沈没船の残骸に魚雷を打ち

劇中では『たつなみ』が東京湾の底に眠る沈没船の残骸に魚雷を打ち、アメリカ海軍の原潜が発射した魚雷の磁器反応センサーを狂わせ、回避するシーンもあるが、「戦術として十分にありえます」(同)という。

さらに『たつなみ』は逆襲に転じ、米海軍第7艦隊所属の原潜を航行不能に陥らせる。こうした劇中の展開に、「潜水艦戦の描写に限って言えば、リアリティがあります。けっして荒唐無稽ではありません」とは井上氏。さらに続ける。

■静粛性と機動力が高く「水中の忍者」

「日本が保有するのは通常型のみですから、『沈黙の艦隊』のように通常型で原潜に立ち向かうシチュエーションは現実世界でも十分にありえます。

しかも、日本の通常型潜水艦の単艦性能は極めて優れていて、原潜にも引けを取りません」

2022年に就役した最新鋭の『たいげい』は、その好例だという。

「水中の静粛性と機動力が高く、相手に気付かれずに攻撃することができる。まるで、水中の忍者ですよ。

また、潜水艦は単艦行動が多く、複数艦でチームを組んで行動することはまずありません。水中の潜水艦1対1の戦闘なら、『たいげい』が原潜に勝つ可能性は十分にあります」(前同)

■リムパックで5隻を沈めた腕前

さらに、前述した海江田、深町両艦長の神業的な操艦技術についても、現実味があるという。

海江田は「リムパック」(米軍主導の多国間共同軍事演習)で、アメリカ海軍の空母5隻を沈めた腕前を持つという設定だが、

「実際のリムパックでも、海上自衛隊がアメリカの空母を撃没させています」(菊池氏)

海上自衛隊の操艦技術の高さは、世界でも定評があるというわけだ。

■世界最強の軍隊と共同訓練

さらに、海上自衛隊の護衛艦の単艦性能の高さについて井上氏が、こう語る。

「単艦での戦力で見ると、世界でも指折り。装備もハイテクで、護衛艦の戦闘力は日米互角だと思います。

また、自衛隊は世界最強の国であるアメリカの軍隊と共同訓練をしています。いうなれば、世界チャンピオンの黒帯に指導を受けているようなもの。実戦経験はありませんが、兵士の練度は世界トップクラスと言ってもいいでしょう」

■原子力空母1隻の航空戦力はヨーロッパ中堅1か国分に匹敵

とはいえ、艦艇や航空機、ミサイルの数といった絶対的な物量では、海上自衛隊は圧倒的に劣る。そのため、もし日米開戦となったら、

「アメリカの圧勝ですね」(前同)と付け加える。その最大の理由が、空母を含めた航空戦力だ。

「現在、日本は護衛艦『いずも』を改修して空母にしようとしています。確かに自衛隊にとっては大きな変化と言えますが、アメリカの原子力空母1隻の航空戦力は、ベルギーなどヨーロッパの中堅国1か国分の航空戦力に匹敵するといわれています。

それを隻も保有する米海軍と比べると、搭載機数が少なく、『いずも』が完成しても日米の戦力差は埋められるものではありません」(前同)

■世界をリードしているレールガン

だが、そんな日本が、今後のゲームチェンジャーとなりうる新兵器の開発で、現在、世界をリードしているという。

「『レールガン』といって、火薬ではなく、電気エネルギーで弾丸を発射する大砲です。アメリカは21年に研究を断念した一方、日本は23年に世界で初めて洋上発射試験を実施。実用化に向けて開発を進めています」(防衛省関係者)

射程は200キロともいわれ、最新鋭のものなら東京から名古屋まで届くという。

「敵のミサイルから国土を守る切り札でもあり、自衛隊は35年に配備する予定です」(前同)

もちろん、日米開戦を望むはずはないが、ドラマ『沈黙の艦隊』同様、海上自衛隊の知られざる強さが明らかになったことは確かだ。

■「台湾有事」待ったなし!日米連携なら中国海軍は手も足も出ない!?

「1月末、中国が台湾周辺の四方に、中国海軍のフリゲート艦4隻を常時展開させていることが分かりました」(全国紙国際部記者)

その中には沖縄県・与那国島周辺、尖閣諸島北西も含まれており、尖閣周辺は三方が中国軍艦に囲まれている状態。

「台湾有事は尖閣有事と、警戒感が高まっています」(前同)

いざ、中国が台湾への武力侵攻を決断したら、どうなるのか。

「有事となれば、中国海軍と米太平洋艦隊が激突。太平洋艦隊の主力は横須賀を母港とする第7艦隊で、日米連携での作戦が求められるはずです」(同)

日米vs中国海軍、その結末はいかに!?軍事フォトジャーナリストの菊池雅之氏が考察する。

「第二次世界大戦で日本海軍が頑張れたのは、軍艦の隻数が多かったため。そう考えると、中国は空母3隻。アメリカは隻数で はる かに上回り、長射程のミサイル、航空機の数と、どれをとっても中国を圧倒している。その点では中国はかなり分の悪い戦いを強いられるでしょう」

ただ中国も、隻数ではアメリカに次いで多く、まったく歯が立たないわけではないという。

「ロシアとウクライナのように戦いは長期化し、台湾が中国に占領される事態も想定せねばなりません。その意味では、日本の海上自衛隊の役割が重要になってきます。というのも空母は、けっして自艦を守る能力が高くなく、その周りに敵のミサイルを無力化するイー ジス 艦や敵の潜水艦をやっつける駆逐艦を配する必要があるんです」(前同)

日本の役割はというと、

「日米安保条約のもとに、アメリカは海上自衛隊の護衛艦群(8隻編成で4グループある)を、それぞれ、そのバトルグループの一員に加えることを要請するはずです」(同)

有事の際には、海自の力が勝敗のカギを握るとも言えるのだ。


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